ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

映画『私をくいとめて』を観てきた。

 

今年は映画『私をくいとめて』から始めました。のんさんの主演映画です。原作が綿矢りさの小説なんですね。竹内力さんの事務所が制作してる。そして、タイトルを観てもわかるように、私がいま書いてる文章と同じく「孤独と暴走」がテーマでした。これは観てよかった! 面白かったよ。

 

 

昨年京都での文学フリマで私が発表したのは、映画『エヴァンゲリオン劇場版』『未来のミライ』『天気の子』に、それぞれ何が描かれているかを解読した文章でした。そして、そこに「孤独と暴走」というテーマをあるのを見つけたのです。しかし、それは2007年に起きた秋葉原無差別殺傷事件について語った書籍『「孤独」から考える秋葉原無差別殺傷事件』でも中心に据えられたテーマでした。犯人の加藤智大は「人と関わりすぎると怨恨で殺すし、孤独だと無差別に殺すし」「誰でもよかった、わかる気がする」という言葉を事件の3日前、ネット上に残しました。優れたアニメ作品は「現実」とも激しく関係しているのです。

 

 

映画『私をくいとめて』は、のんさんが主演ですから、私が取り上げたアニメのように孤独な男が暴走する映画ではありません。孤独な女が暴走する映画です。まだ探していませんが、珍しいんじゃないですか? シリアスなテーマと、のんさんのコミカルな演技がいいバランスでした。映画自体はすごく楽しめたのですが、ただこの結末で救われるのは、オタクではない気がしました。もちろん、人類皆オタクってわけではないので、それでいいのですが。(アイドルファンはコロッケ屋のオヤジに注目)。

 

アニメ作品に描かれた「孤独と暴走」については、また改めて作品を発表するつもりですが、1月17日に開催される文学フリマ京都では『「孤独と暴走」マーダーケイスブック』というタイトルで、過去の動機不明瞭な殺人事件がどのように語られたか? そして、アニメファンが悲嘆にくれた京都アニメーションの放火殺傷事件はなぜ語られないか?をまとめたいと思っています。

 

 

昨日のハロコンは伝説になる。

 

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。本当は3日間くらい書かないつもりでしたが、どうしても感動の手触りがあるうちに書きたくて。大晦日は 12:00、15:30、19:00 と計3回も、中野サンプラザで行われたハロプロのライブを映画館で観てました。いわゆるライブビューイングです。3回も観る必要があるのか? 12:00 の回を観てる間ずっと反省してました。あと2回も観るのかって。15:30の回を観てわかったのですが、この回は音が悪かったんですね。後ろの黒い幕ばかり気になって、めちゃめちゃ落ち込んでました。

 

でも、こういう無駄にしか思えないことが、奇跡に遭遇するポイントでもあるんです。この年末のライブにはハロプロ以外からも同じ事務所の先輩方がゲスト出演されるのが恒例です。今年は堀内孝雄さん、高山厳さんなどのベテラン勢も出演しています。そして、15:30 の回にはハロプロを卒業してソロ活動中の鈴木愛理さんも出演されました。これが凄かった。いま本人のツイート観たら、自分の歌を歌えなくて残念って感じのことしか書かれてなくて。まじで大感動だったんですけど! 本人はそのこと気づいてないの? いやそれはないな。完全に勝負に来てたから。全部持っていった感じだってあるもんな。愛理、恐ろしい子

 

 

ゲストの方々は基本的には他の歌手の曲をカヴァーされました。鈴木さんの後に歌った堀内孝雄さんは生前仲良しだった河島英五さんの『時代おくれ』を歌われました。そのあと、すごく観客に感謝されたんです。温かくていいお客さんだと。それはコロナ禍の中で仕事をくれたことに対する感謝以上のものを感じました。たぶん鈴木さんの歌が素晴らしかったことも関係してると思います。こういうファンがアイドルを支えて、そこから成長して立派なシンガーが生まれる。そういうことを確認できる場だったんです。

 

ハロプロ現役勢は少し疲れが見えました。新年のライブのリハーサルもあるから大変なんでしょう。歌の難易度も上がってますし。でも鈴木さんのあの歌唱を観たらやる気でますよね。そのあとの Juice=Juice『「ひとりで生きられそうって それってねえ、褒めているの?』も気合の入ったものでした。鈴木さんが歌ったのは wacci『別の人の彼女になったよ』です(気になるタイトルだな)。2月に動画もアップされてますが、撮り直した方がいいよ。いまの方がずっといいし。だって、昨日の歌唱を観てライブに行きたいと思いましたから。2020年にハロプロがずっと J-POPバラードのライブをやってたのは、鈴木さんのこの歌唱のためにあったんじゃないかって。それは言い過ぎですけど、それくらい凄かったんです。

 

 

つばきファクトリーから小片リサさんが脱退されました。数日前に応援のつもりで写真集を注文したのに、受け取る前に終わるなんて。いろいろあると思うんですよね。自分が一番かわいいと思ってるメンバーが何人もいるグループだと。うまく水に流して欲しかったけどな。ただ、つばきファクトリー自体は、相当危機感を持ってる感じはしました。前にユニゾンがきれいに響くようにして欲しいと書きましたが、昨日はよかったです。

 

 

それから3部で中島卓偉さんも言ってたけど、松原健之さんと BEYOOOOONDS の小林萌花さんの『雪風』。よかったです。小林さんのピアノのミニマルっぽいとこ、すごくよかった。あれはセンスを感じる。あそこだけループさせてずっと聴けるくらい。なんかパフォーマンスにも自信が出てきたみたいで輝いてました。全体的にいいライブだった。追記:ごめんなさい! 興奮して書いてたら名前の漢字間違えてました。修正しておきます。

 

2020年アイドルソングBEST10。後半

 

ハーフタイムが終わって、いよいよ後半です。まだまだ入れないといけない曲がいっぱいあります。すごい曲がたくさん。前半は以下のリンクから観てください。

 

 

 

6位 上坂すみれ『NEO PROPAGANDA』(アルバム)

6位 眉村ちあき『日本元気女歌手』(アルバム)

7位 MIGMA SHELTER  12月26日 青葉の森公園ホール(ライブ)

7位 lyrical school   11月22日 読売ランド(ライブ)

8位 hy4-4yh『ザリガニ』

8位 クマリデパート『ネコちゃんになっちゃうよ』

8位 アップアップガールズ(2)『愛について考えるよ』

9位 CY8ERCY8ER』(アルバム)

9位 CYNHN『水生』『氷菓

9位 NELN『MILK』

9位 FAREWELL,MY LOVE『GOLD』(ミニアルバム)

10位 煌めき☆アンフォレント『太陽系◉ワンダーラスト』

10位 Girls2『私がモテてどうすんだ

 

 

6位の二人は以前からすごい人たちだとは思ってました。ただ、音楽の趣味はあまり合わないかと。でも今回は違った。上坂すみれのアルバム『NEO PROPAGANDA』から。昨年も清竜人プロデュース『ボン♡キュ♡ポンは彼のもの♡』を入れるか迷ったんです。今回アルバムで入れられてよかった。志磨遼平プロデュース『ネオ東京賛歌』を聴いてすぐアルバムを買いました。早く中止にすればいいのに。いろんな人が書いてます。inou_groupプロデュース『MESSEGE』も素晴らしい。大槻ケンヂNARASAKISPY』もいい。

 

 

あと、声優関係で上田麗奈『あまい夢』も入れたかった。それから、これはリズムゲー『D4DJ』のアニメ曲 Photon Maiden『Discover Universe』もよく聴いてる。数ヶ月前に東京へ行ったとき、総武線の車内が D4DJ の広告で埋め尽くされてた。で1話は観たけど。曲だけはチェックして行こうかな。あっ前島亜美がいるのか。


 

もう一つの6位。眉村ちあきのアルバム『日本元気女歌手』。1曲目のタイトルを観て「なにこれ?」と思いました。聴いたら知ってる曲で、びっくり。ライブでも歌うのかな? ネタバレしないでおきます。充実したアルバムでした。個性の強い曲もいいけど『夕顔バラード』を気に入ってよく聴いています。久しぶりにライブ観たいです。

 

 

7位は最近ライブを観たグループ。12月26日に千葉で観た MIGMA SHELTER。昨年も選出しましたが、サウンドには定評のあるグループです。で私が観たライブ『BAD TRIP Xmas Rave』ですが、90分ノンストップで歌い踊ってました。足を痛めたメンバーが最後まで頑張り、終わってステージで泣いてました。「演出か?」と思ってた私は汚れた大人です。観る度にメンバーが変わってるけど、グループ感が出てきましたよね。いい感じだった。アルバム『Alice』は女子に大人気『不思議の国のアリス』を使ったコンセプトアルバムだと思うのですが、それが聴くだけでは今ひとつわかりづらい。VJ でもあれば違うのだろうけど。ですが今回のライブはそれと関係ありませんでした。90分ノンストップだからこそ輝く瞬間がある。現場で観れてよかった。私も3回休憩入れて踊りました。そのライブはニコ生でタイムシフト、それから Youtubeでアゲルくんが・・・


 

この MIGMA SHELTER 主催ライブは、ゲストで ukka とクマリデパートも40分ずつライブを披露しました。しかし、ukka のサウンドは酷かった。昨年、大好きで何度も紹介してた『それは月曜日の9時のように』を年間ベストに入れなかったんです。今年1年「なぜ入れなかったのか?」と自問してたのですが、ライブを観てわかりました。このグループのスタッフはグルーヴに興味がない。ロック系の音響さんによくあるハウリングするギリギリまでキーンとした音を出してた。目指す方向間違ってる。これじゃメンバーがいくら頑張って歌っても台無し。いい曲多いのに惜しいな。エビ中のライブのサウンドはしっかりしてたけどな。新宿MARZでライブやって、箱付きの音響さんの音作りを参考にして欲しいです。

 

 

もう一つの7位。11月22日に読売ランドでの lyrical schoolフィロソフィーのダンスとの2マン。DJ がつくるサウンドが以前と比較にならないくらいよくなってました。順調にステップアップしてる感じで、売れそうな気配もかなりあります。上位に入れたかったけど、まあ1月27日にアルバムが出るので、それを来年絶賛してるはず。前も書きましたが『Bright ride』がライブでいい感じでした。他のアイドルが K-POP と競うより、ラップやってる彼女たちの方が有力なのでは? そんなことを思いました。

 

 

8位はコロナ禍・シングルを3つ。hy4-4yh『ザリガニ』は日本エレキテル連合中野聡子さんが作詞。コロナ禍でこれまで疑問に思わなかったことも、考えるようになりました。超過密な東京の満員電車(まあみんな異常だと思ってた)とか、毎日起きる人身事故とか。この曲自体はコロナ以前に作られたものですが、衝撃作ですよね。

 

 

クマリデパート『ネコちゃんになっちゃうよ』。世間には「ときどきでいいから人間やめたい」という欲望があると思ってました。この曲は密かな人気曲ですが、もっと人気が出ていいはず。今年中に大音量で聴けてよかったです。たのしかった。

 

 

アップアップガールズ(2)『愛について考えるよ』。人間は愛について考えないといけない。シンプルだけど、何回聴いてもいい曲だと思う。そういえば、この曲聴いてタッキー&翼愛はタカラモノ』を思い出したんですけど。先日『滝沢歌舞伎ZERO』観たんです。こっそり書いておく。マズいでしょこれは。SnowManの人気を疑いはじめてるよ。ラウールのダンスは素晴らしかったけど。

 

 

9位は1月10日に武道館で解散する CY8ER の2枚組ベスト『CY8ER』。いい曲いっぱいあるので、この機会に聴いて欲しいです。rinahamu のソロ『ヒーロー』もよかった。こういう方向でやっていきたいのかもね。いいと思う。次に CYNHN(スウィーニー)。このグループはコンスタントにいい曲を出してます。『水生』『氷菓』をあげておきます。いいサウンドなのでライブも観たいです。

 

 

さらに9位、NELN『MILK』。この曲が気に入って 12月8日に新宿MARZでライブを観ました。まだ今年デビューしたばかりなんですよね。いいグループだと思います。さらに9位、FAREWELL,MY LOVE のミニアルバム『GOLD』。期待どおり素晴らしいサウンド。『obsession』から『GOLD』の流れは最高です。ただ、歌詞づくりに苦戦されてるような印象を受けました。彼女らの日常会話をどんどん活用して欲しいです。

 

 

これは選んでおきたい。10位、煌めき☆アンフォレント『太陽系◉ワンダーラスト』。コロナ禍以前の曲なので、すごく前の曲に思えます。コロナ禍以前はアイドルもこんなに明るい曲を歌ってたんだよ! 

 

 

もう一つ10位。Girls2『私がモテてどうすんだ』。いつだったか? 旅行で行った街でLDH のダンス教室があったんです。Girls2 のポスターが貼ってあって、彼女らが LDH 所属だと知りました。なにを言ってるかわかりますか? LDH所属なのにエイベックスではなく SONYからデビューしてるんです。見切りつけたんですかね? SONY ばかりになりそうですが、この曲を聴いてると売れそうな気がします。LDH の将来を背負うグループです。これでランクインの曲は終了。でも他に、いっぱいいい曲あります。できるだけ紹介します。

 

 

まだまだあるが、この辺で勘弁してください。本当に今年は豊作だった。2021年はいろんなグループを観たいと思ってます。最後のは昨年入れ忘れた曲です。いい曲。

2020年アイドルソングBEST10。ハーフタイム

 

前半終了しました。1位になったイヤホンズ『記憶』と sora tob sakana ともに女性アイドル誕生からの半世紀を祝うのに相応しい楽曲だと思います。花火も上がってるし。ともに「記憶」について歌われているのは偶然ですが、大事なことですよね。思い出だったり、あの曲のあの言葉だったりが、自分を支えてくれるというのは私も日々感じていることです。

 

 

 

イヤホンズ『記憶』で思い出した、大事な曲を一つ忘れていました。この曲は MVが完全に音ゲーになってますよね。で音ゲーと言えば、ハロプロファンが思い出すあの曲があります。リアルタイムでは知らなかったけど。えり〜な『ドキッ!こういうのが恋なの?』。つんくさんが企画したゲーム『リズム天国』の曲です。久しぶりに観てください。結構な数再生されてるなw

 

 

アイドル以外で今年たくさん聴いた曲も紹介しておきます。のんさんの『部屋充』。昨年の12月に公開された曲なんですよね。それがコロナ禍の生活状況にハマりました。それもあって、結構「お部屋」について考えてました。「オタク」もそうですけど、部屋をコクーンにして、自分を守っているという話を、むかし宮台真司さんが本に書いていました。だからオタクのカバンは、部屋のミニチュアみたいなもので、それを持って外に行く。今だったら、それの代わりがスマホになると思うんですけど。そう言えば、のんさんの主演映画が現在公開中。今年中に観に行きます!

 

 

日本列島やり直し音頭二〇二〇』。なんでこれがヒットしないんでしょうね? レコード大賞あげればいいのに。小泉今日子さんが参加しているので、アイドルソングに入れようかとも思ったんですけど。作詞が高田文夫さんなんですよね。高田さんって関西人の私にはよくわからない存在でした。「たけちゃん、最高!」と言ってる人ってイメージ。青島幸男もそうですけど、音楽を聴くことで印象が変わりました。今年を代表する曲だと思います。こういうのを出さないから NHK はいらないって言われるんだよ。視聴料を義務化するならマジでテレビ捨てるからな。観てないんだから。

 

 

あれ? 田島ハルコ『人権MAX Princess』がなくなってる。すごい曲ですよね。女子でなくても元気が出る曲。新曲もすごいな。

 

 

痛烈な言葉がある一方で「横になって整えるメンタル」みたいなのもある。最高ですよね。この valknee さん、ハロプロを熱く語ってる動画があったw ハロプロっぽくするために Zoomgals のメンバー集めたのか。Berryz工房『私の未来の旦那様』にハマった話をしてる。ハロマゲドンや事務所がブラックって話もw めちゃおもろい。結構ハロヲタに知られてる人だったんだ? でもハロプロの16ビートとラップって食い合わせ悪いじゃないですか? もうそこだけ完全にテンポ変えるとか別のビート入れてもいいと思うけど。ここ数年の課題ではありますよね。

 

 

あと2015年の曲だけど、ミオヤマザキ『アイドル feat.100人のアイドル』が面白かった。これは示相化石だよね。2015年に SONY の人たちはまたそのうちロックの時代が来ると思ってた。でもそれは無理だよ。新しいロックが出て来なくなったから、アイドルの時代になってるんだし。まあでも興味深い作品です。

 

 

津野米咲さんが亡くなられました。『pray』と『泡沫サタデーナイト』も聴きましょう。

 

 

今年はたくさんのレジェンドが相次いで亡くなった年ですね。特に、作曲家の筒美京平さん、作詞家のなかにし礼さんは、驚きました。お二人が書いた TOKIO『AMBITIOUS JAPAN』を聴きましょう。そして、大林宣彦監督も。映画『ふたり』のエンディングテーマ『草の想い』はご自身で作詞されています。

 

2020年アイドルソングBEST10。前半

 

ここ数年言い続けてますが、今年も素晴らしいアイドルソングがたくさんありました。選びきれない。Spotify の私のリストで言うと『アイドル楽曲派宣言4と5』が今年分になります。いま、年末恒例タワレコの『南波一海 R-1グランプリ』観てたら井出ちよのさんのCDが出てたのを知る。ハイレゾ配信だけかと思ったら30日発売のも含めて2枚もあるのか。ショック。ちゃんと聴いてから謝罪します。グーグールルもめちゃいいじゃないか。CD-R レベル高すぎ。気を取り直して、昨年からライブも選考に入れることにしました。CDよりもライブ中心になったことを考慮してです。しかし、今年は「コロナ禍」があり状況が一変。ここまで明確に時代の変化を感じることもなかったはず。生活が変わってしまった。アイドルの状況も激変しました。

 

 

ルール。ハロプロは2つまでしか選べない。私がハロプロのファンだからです。他に PerfumeももいろクローバーZ、BABYMETAL 、TWICE、BLACKPINK、はその功績を讃えて別格扱いにします。あと、声優に関してはそれほど聴けてるわけではないのですが、アニメ作品と関係ないものを中心に入れます。男性アイドルは追えてないので今のところ入れません。昨年のは下のリンクにあります。

 

 

 

昨年は1位が4つありましたが、今年は絞りました。まずは声優ユニットイヤホンズ『記憶』。最高ですね。この曲は Youtube で6月に公開されたんですけど、それ以降何度も何度も聴いたのですが、未だに飽きません。「コロナ禍」でも魅力を失わないどころか、逆に輝きをましている。作詞・作曲・編曲のすべてを手がけた三浦康嗣は口ロロクチロロ)として音楽ファンには有名な人物です。アイドルは演劇に近しいジャンルだと以前から言われてきましたが、それが具現化された作品とも言えそうです。ラップ全盛の時代にどのようにそれを取り入れるか? テクニックの問題もあり長年の課題だったわけですが、ここに一つの回答が提示されました。他にもいい曲たくさんあります。ちょうどベスト盤的なアルバムが出ているので、ぜひ聴いてください。

 

 

「アイドル」というジャンルが1971年の南沙織『17才』で始まったとすれば、来年はついに50周年です。半世紀。イヤホンズ『記憶』には、口ロロイヤホンズの過去曲の記憶も明確に刻まれていますが、それだけではなくここ数年のアイドルソングの名曲も次々と浮かびます。Maison book girl『夢』や、夢見るアドレセンス『ララララ・ライフ』など。本当に関係してるかはわかりませんが、いろんな断片が頭をよぎるのです。私たちの生活を彩る様々な出来事、その結晶がこの曲です。女性アイドル誕生からの50年の区切りを飾るにふさわしい名曲でしょう。

 

 

もう一つの1位。『Lighthouse』のイントロを聴くだけで泣けますね。9月6日に日本青年館のライブで解散した sora tob sakana です。ポストロックのバンド、siraphなどで活動する照井順政がプロデュース。照井の持つ音楽性+真っ直ぐな歌唱のアイドルソングという異色グループでした。BABYMETAL の成功から発想されたグループと言えますが、実際にライブを観たときの驚きは想像以上です。私の理想がここに実現した感があります。アイドルというのは、もっとも優れた音楽家たちが楽曲を提供して、お金儲けをするジャンルです。知ってましたか? だからしょうもない奴らが儲けてると腹立つんですよ。まあ、sora tob sakana は儲けてません。儲けてたら解散はしない。かなり贅沢なグループだったんです。

 

しかし、最後は儲けたんじゃないですか? ユニバーサルに移った途端に解散というのが気になるけど。一番いい席はグッズ付きで68000円でした。私もグッズ付き36800円を払って5列目で観ています。ラストということもありますが、「コロナ禍」のこの時期に、フルバンドでライブをやってくれる。そのことに感謝したのです。久しぶりに聴く轟音は素晴らしいものでした。サウンドも素晴らしかったです。

 

別格扱いにした日本の3グループがそうですが「CDからライブへ」を明確に示すコンセプトです。超絶なテクニックを持つバンドの演奏でアイドルソングを制作する。それはいいとして、こんな轟音かつ変拍子サウンドでアイドルが歌えるのか? そんな疑問を持つはずです。4時間近いラストライブで、メンバー3人は最高のパフォーマンスを観せてくれました。うまくなったよね。なのに解散か。

 

 

◉ 2020年アイドルソングBEST10。前半

1位 イヤホンズ『記憶』

1位「sora tob sakana last oneman live『unite』」(ライブ)

2位 NiziU『Step and a step』『Make you happy』

2位 Juice=Juice  宮本佳林の卒コン武道館(ライブ)

3位 RYUTist『ファルセット』(アルバム)

3位 モーニング娘。'20『KOKORO&KARADA』

3位 私立恵比寿中学『大学芸会』12月27日(ライブ)

4位 Maison book girl  1月5日渋公(ライブ)

4位 SAKA-SAMA 2月22日難波ベアーズ(ライブ)

5位 田村芽実無花果』(アルバム)

5位 MELLOW MELLOW『最高傑作』

6位 Negicco『午前0時のシンパシー』

6位 でんぱ組.inc『愛が地球救うんさ!だってでんぱ組.incはファミリーでしょ』

 

 

2位は K-POP の日本移植です。NiziU『Step and a step』を聴いて、これからの J-POPの基準になる曲と書きました。もちろん、打ち込みばかりになればいいと思っているわけではなありません。生音も好きです。ただ、このサウンドと並べた時に、古めかしさを感じさせないことが必要となります。NiziU はまだライブもやってないグループですから来年でいいかとも思いましたが、やはり今年の1曲として入れました。日本語の問題は相変わらず存在していますけどね。別格で外しましたが TWICE『BETTER』も素晴らしい。現在 J-POPの No.1 プロデューサーはパク・ジニョンってことです。

 

 

私はサッカーファンなので、優秀な監督がいれば海外から来てもらえばいいと普通に思います。だから韓国人でも問題ありません。しかし、それに日本のアイドルが対抗するのは大変です。予算も桁違いだし、マスメディアの露出もうんざりするほどです。ですが、日本文化は貧しい状況で新しい物を生み出すのが得意です。そのことは忘れてはなりません。今年の1位もそれを証明しています。K-POP とも勝負できますよ。邪魔さえされなければですけどね。

 

このグループのライブだったら K-POP にも負けません。Juice=Juice 宮本佳林さんの卒業コンサートがもう一つの2位です。12月10日に武道館で行われました。久しぶりの Juice=Juice のライブが卒コン。宮本さんはコロナ禍でずっと卒業できなかったわけです。春から J-POPのバラードを歌う修行のようなハロコンがずっと行われていて、その中で歌唱力が一段とアップ。素晴らしいラスト公演になりました。3日間くらいライブして欲しかったですけどね。ソロコンも観に行きますよ。あと今年の Juice=Juice と言えば、名曲『ポップミュージック』です。そのことは後ほど。


 

3位は新潟のグループ RYUTist のアルバム『ファルセット』。そうなんです、新潟から Negiccoに続く楽曲派アイドルが台頭してきたのです。ここ数年、いい曲を出していました。それがアルバムになったわけです。

 

蓮沼執太フィル『Alive』、KIRINJIに参加していた弓木英梨乃の『きっと、はじまりの季節』、柴田聡子の『ナイスポーズ』、他にもシンリズム、kan sano、パソコン音楽クラブなどなど。豪華制作陣を起用して今年を代表するアルバムになっています。そして、10月24日に Youtube で無料配信されたライブ『ファルセットよ、響け。』が最高でした。北川勝利をバンマスに迎え沖井礼二らをバックにライブを披露しました。いい楽曲、いいサウンド、いいカメラワーク。現在タワレコで BD が販売中。私が先日注文したときは取り寄せになってたから、売れてるんでしょう。注目のグループです。

  

 

もう一つの3位はモーニング娘。'20『KOKORO&KARADA』です。この曲は つんく大久保薫のコンビ曲で、さすがという出来でした。しかし、ネット上ではパクリ騒動があったんです。大久保さんが自ら編曲の元ネタを明かしたという噂も。ですが、ラップを聴いてるものからすれば、どうでもいい話ですね。センスを競うジャンルですから。『Uptown Funk』みたいに巨額の請求が来たら困るけど。問題なし。

 

 

同じく3位は私立恵比寿中学の『大学芸会』。12月27日、東京ガーデンシアターでの最終日に行ってきました。素晴らしかった。それよりもお金のかかり方が凄かった。ハロプロでこんなライブやったら「事務所が潰れる」って心配するファンも出るはず。だってバンド、ホーン、ストリングスで13人。ゲストシンガーで、吉澤嘉代子たむらぱんなど。セットも凄かった。大きな布で朝顔とか、そんなレベルじゃない。綺麗な花もたくさん。帰り道にヲタが「この状況でこのライブだから、グループとしての格を見せられた」とか言ってました。「確かにな」って思ったよ。エビ中健在です。安本さん戻ったらまた観たい。

 

 

そう、忘れてはならない話。Juice=Juice『ポップミュージック』は KANさんの作品ですが、これエビ中オマージュなんです。こぶしファクトリー桜ナイトフィーバー』もエビ中『梅』へのアンサーソングでしたが、今度は『ナチュメロらんでぶー』だった。こうなったら絶対に3部作にしてほしいな。ハロプロファンも聴いてみて。この曲で12inch切らないかな? A面は砂原良徳さんにミキシングとリマスターを依頼、B面は砂原さんのリミックス。宮本佳林、鳩の着ぐるみジャケで5000円取ればいい。

 

私立恵比寿中学 『梅』 - YouTube

こぶしファクトリー『桜ナイトフィーバー』(Magnolia Factory [Cherry Blossom Night Fever]) (Promotion Edit) - YouTube

私立恵比寿中学 「そうだ FAMIEN、行こう。 (夏だぜジョニー&ナチュメロらんでぶーver.)」 - YouTube

KAN『ポップミュージック』 Short Version - YouTube


 

4位は Maison book girl です。今年のブクガは完全に区切りをつけてまして、1月5日にあった渋公ライブが集大成的なものでした。セットもメンバーのパフォーマンスも本当に素晴らしいライブでした。で夏にベスト盤『Fiction』が出ました。これまでの曲で描かれたことはフィクションだと言われてるような。まあそうなんでしょうけど。グループ名もそうですが、部屋は重要なモチーフでした。でも最近はそこから出る、そんな表現があったわけです。部屋から出て、他のアーチストたちとの関係から表現を作り上げていく。そういう成長物語だったように思います。来年からは新しいステージに入ると思うので、それを待ちたいですね。

 

 

もう一つの4位もコロナ禍前のライブです。SAKA-SAMAが2月22日に大阪の難波ベアーズでやったライブ。これはベアーズの音響さんのおかげもあって素晴らしいサウンドのライブが聴けました。『おやすみジュディー』のラスト痺れた。意識を持っていかれそうになった。いまアルバム『君が一番かっこいいじゃん』が出てまして、昨年からのいい曲がまとめて聴けます。boris とのコラボ曲も。

 

 

5位は元アンジュルム田村芽実のアルバム『無花果』です。ハロプロから卒業して、ここまでの作品を作った人はいないのでは? 素晴らしい曲が揃っています。まだライブを観てないので、来年は必ず観たいと思っています。

 

 

同じく5位は MELLOW MELLOW『最高傑作』。この前も書きましたが、恐らくここの A&R の方が「渋谷系の最高傑作『東京は夜の七時』のような曲」と言って小西康陽さんに依頼した曲ではないでしょうか? 小西さん自らが『東京は夜の七時』にオマージュを捧げたような曲になっています。福富幸宏さんがプログラミング、窪田晴男さんがギターを弾いています。これは Spotify で聴くよりCDで聴いた方が気持ちいいと思う。Youtubeでもいいか。昨年でた『WANING MOON』も大好き。

 

 

6位は、アイドル界にとってシンボリックな存在の2グループ。ついにメンバー全員が既婚者になった Negicco から。まあ変わりなく活動するようなので。ソロも相変わらずいい曲ばかりでした。

 

 

でんぱ組.inc はアルバムが出ました。いろんなアーチストに出会えていいですよね。先月、えいたそが来年2月の卒業を発表。結構、驚きました。でんぱ組.incの歌唱を支えてるのは彼女ですもんね。ライブも観たいんですけど、サウンドはどうなんだろう? それが心配で足が重い感じなんですけど。あと、今年は ねもぺろのシングルを2枚買った。特典映像で2人にゲームをやらせて延々胸元を観せるのが凄かった。

 


疲れた。後半に続く。下のリンクをクリック。

 

 

クリスマスだから MELLOW MELLOW『最高傑作』を絶賛するよ。

 

危なかった。MELLOW MELLOW『最高傑作』は『東京は夜の七時』のことを言ってたのか。ぜんぜん気づいてなかった。だから小西康陽さんプロデュースを依頼して、福富幸宏さんがプログラミングで参加してるのか。ギターで窪田晴男さんが参加してたり、他にもトランペット2人、トロンボーン1人、サックス1人って、最高制作費の曲とか思ってた。そうか、南波さんはそれを教えてくれてた? 歌詞が完全にそうなってるもんな。ぎりぎりクリスマスに間に合った。

 

 

以前にこの曲の歌唱について書いたけど、そうか、この歌唱は『東京は夜の七時』と同じく言葉でリズムを作っていく歌唱になってたんだね。CDのクレジットには、仮歌のシンガーの名前まで入ってる。それに忠実に歌ったんでしょう。この曲素晴らしいよ。何度聴いても飽きない。福富さんの作った音に窪田さんのギターのカッティングが絡むのとか、ずっと聴いてられる。そういえば、宮野弦士さんプロデュースのカップリング曲のタイトルが『メインストリートは朝7時』になってる。ピチカートの『夜の七時』にかかってるのと『陽の当たる大通り』あたりかな。それともちろん Cornelius『太陽は僕の敵』ですよね。こっちは朝に寝る人の歌かw

 

 

クリスマスでピチカートのオマージュといえば、何度もここに書いてるけど、Tomato n' Pine『ジングルガール上位時代』がありますよね。動画は AIS のカヴァーしか出てこない。これは Spotify のリスト『アイドル楽曲派宣言5』に入れときます。

 

12月20日付 CD シングルBEST 5。

 

やっと動画が埋め込めるようになりました。クリスマスということで、ねもぺろのクリスマスソングから。

 

今週はモーニング娘。'20のシングルが発売されています。相変わらずいいサウンドなんですけど、いまいち盛り上がらない。やっぱりライブで聴けないと。年末のハロコンは映画館で観ますけど。来年まで待つしかないですよね。

 

 

今週のアルバム1位は、Hey! Say! JUMPでした。ジャニーズもMV公開するのが普通になってきましたね。2位が嵐のベスト、3位が NCT の輸入盤です。他に、ポール・マッカートニー、amazarashi、ポルカドットスティングレイ、CY8ERのベスト、DECO*27、えなこ、などが登場しています。

 

 

 

今週のシングル1位は、King & Prince でした。一方、握手会チャートには、モーニング娘。'20、MONSTA X、超特急、WAggとPARADISES、MyDearDarlin'、ねもぺろ、寺嶋由芙、SOMOSOMO、などが登場しています。

 

 

◉12月20日付 CD シングルBEST 5。

1位 I promise / King & Prince(56.7万枚)

2位 SUNSHINE / EXILE(4.2万枚)

3位 silent / SEKAI NO OWARI(3.7万枚)

4位 ラブライブ!虹ヶ咲学園「Butterfly/Solitude Rain/VIVID WORLD」(1.5万枚)

5位 Dear My Friend feat.Pentatonix Little Glee Monster(1.2万枚)