ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

ジャニーズの研究論文。

宮台さんのツイートでジャニーズ関連の情報がありました。サントリー文化財団科研費でジャニーズの研究した人がいるようです。論壇誌アステイオン』85号に掲載されたものの一部が、ニューズウィークのサイトにあがってます。うーん、これはさすがに買わないといけないか。いま、SMAP解散に便乗した本がいっぱい出てて「これ全部読むべき?」とか考えながら1冊も読んでません。どこか私の本出してよ! 書き直しててかなり面白くなってるんだけどな。


アステイオン85 【特集】科学論の挑戦

アステイオン85 【特集】科学論の挑戦


◉ジャニーズと戦後日本のメディア・家族(前編)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/12/post-6633.php
論壇誌アステイオン」85号(公益財団法人サントリー文化財団アステイオン編集委員会編、CCCメディアハウス、11月29日発行)から、周東美材・東京大学大学院情報学環特任助教による論考「いつも見ていた『ジャニーズ』――戦後日本のメディアと家族」の一部を、2回に分けて抜粋・転載する』


◉ジャニーズと戦後日本のメディア・家族(後編)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2016/12/post-6644_1.php
『家庭空間へと受容されたテレビは、「近代家族」によって視聴されるようになっていった。ここでいう「近代家族」とは、男女が恋愛をつうじて出会い、夫が外で働いて妻が家を守り、血縁者のみで構成された家庭のなかで、子どもを愛情深く育てる、というような諸特徴を備えた家族のことである(落合一九八九:一八)。このような家族のありようは、人類に普遍的なものでもなければ、自然なものでもなく、近代国家の基礎単位となるべく生み出されたものだった(西川二〇〇〇:一五‐一六)。近代家族は、一家団欒を理想とする。テレビは、この理想を実践し、体現する装置だった。家族たちはテレビに媒介されることで、ナショナルな基礎単位としての実像を具体化していた(小林二〇〇三:七九)。すなわち、家電としてのテレビは、デペンデント・ハウスがもたらしたような新しいアメリカ式生活を実現しながら、国家の単位としての近代家族を具体化し、ナショナルな自意識を生み出す装置となったのである。家庭の団欒で視聴されるテレビ番組には、子どもにもその親にも気楽に親しめる人気者が求められた。人気者であるためには、歌唱力や演奏技術の高さは必ずしも絶対の条件ではなく、肩の凝る芸術性も不要だった。テレビ番組の人気者となるのに必要なのは、歌やダンス、芝居、司会、笑いなど幅広い仕事をこなせる器用さや機転、さらには容姿の印象の好感や清潔さだった。ナベプロ渡辺晋・美佐夫妻は、こうしたテレビ時代を予見し、すでにザ・ピーナッツスクールメイツなどの人材養成に着手していた。ナベプロが指導した後続の〈ジャニーズ〉もまた、テレビ時代が本格的に幕を開けていくなかで、茶の間の人気者となることを目指していった』