ハノイの日本人

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森高千里 『勉強の歌』。



きのうはゲンロンカフェの『三浦瑠麗×津田大介×東浩紀』観てました。凄く面白かった。また、いつものように一部文字化しておきます。かなり刺激的な話ですよ。トランプの言ってることを理解すると、こういう話になるんですね。戦争か。タイムシフトで1週間観れます。


「トランプ時代」の新世界秩序(潮新書)

「トランプ時代」の新世界秩序(潮新書)


シビリアンの戦争――デモクラシーが攻撃的になるとき

シビリアンの戦争――デモクラシーが攻撃的になるとき


◉三浦瑠麗×津田大介×東浩紀「2017年、世界はどこへ向かうのか——…」(ニコ生)
http://live.nicovideo.jp/watch/lv287340344?ref=his


東浩紀:(前略)原理から話して行こう。中国は尖閣に対して領土的な野心を持っていると思いますか?
三浦瑠麗:思います。
東:はい。では、アメリカの影響力がなかったら中国は武力侵攻をすると思いますか?
三浦:ま、するでしょうね。
東:OK。じゃあ、それは同意取れてるわけね。じゃあ、その前提の上で、我々は考えないといけないですよね?
三浦:そうそうそう(笑)。
東:じゃあ、中国が尖閣を武力占領して、アメリカが何もやらなかったら、日本国民は日米安保に対して疑問を抱くと思いますか?
三浦:思いますね。疑問はね。
東:あ、疑問を抱くだけだと。なんとなく疑問かなーと思っただけで、なんにも行動はおこなさないってこと?(会場笑い)
三浦:いやいや、疑問を持った結果として、自前の核、ナショナリズムに基づく、ちょっと極端な憲法改正というのが出て来るわけですよ。
津田大介:つまり、日米安保が無意味だってことに気づいた国民っていうのは、自分でやらないといけないという方に振れるんじゃないかということ?
東:いやいや、憲法じゃなくて、どちらかと言うと核武装に直結する話じゃない? 憲法改正しなくたって核武装は出来るわけだからさ。
三浦:いやいや、あの、本当のいわゆる立派な軍隊にしたいという気持ちになると、憲法改正して、それからこんなのも入れろ、こんなのも入れろということになって、結果的に凄く愛国主義的な憲法になって、かつ、核武装をしますという宣言をして、保守政権が絶対的な支持率を集める・・・
東:だよね! 僕もそうだと思うんだよ。でさあ、それを阻止するにはさ、中国の尖閣占領を阻止したり、そういうものが大事だと思うんですけど・・・
三浦:そう。
東:でも、アメリカはもうやんないわけでしょ?
三浦:アメリカがやんなくたって、ある程度までだったら守れますよ。だけども、奇襲攻撃もあるし、我々がどこまで武力排除をするだけの国民の決意があるかわかんないので。
東:ないでしょう。国民の決意は。
三浦:向こうから、こちらの血を流していないのに、こちらが血を流す最初の側になるというのは、結構勇気のいることで。武装漁民だかなんだか知らないけど、どんどん占拠してきたときに、一滴も血が流れてないときに、最初に血を流す側になるかって言うと、難しいんです。イギリスはやっちゃったけど。で、だから私が言ってるのは、尖閣アメリカが守ってくれるなんて幻想を抱きさえしなければ、それは守ってくれないんだから・・・
東:俺もそう思います。
三浦:幻想がないんであれば民意の変な反動もないからいいんだけど。だけども、その前に(アメリカとの)核共有であるとか、憲法改正だとかを穏健な形でやっておくことがいいと思うけど。もちろん、それを嫌がる人たちからすると「三浦、悪魔への道を敷いてる」ってことになるからね。
東:僕は非常にシンプルに、まず憲法は改正し、自衛隊国防軍化するべきだよ。で、必要とあれば核武装もするべきです。そうじゃないと、さっき言ったように、すごく被害意識を持ったまま、すごく爆発し、日本の世論が制御出来なくなって、我々はなにか変な謎の戦争に行くからですよ。
津田:ちなみに、三浦さんが憲法を穏健に改正するとすれば、憲法9条はどういう風に変えるべきって感じですか?
三浦:9条は2項を削除する。
東:もちろんですね。それしかない!
三浦:つまり、交戦権の放棄というのは、やめる。それから、常備軍を廃止している項を、常備軍は持ってるということにするんで。別に、削除してしまえば、別になになにと呼ぶとかは、法律的にはいいんです。プラスして、軍事法廷を設ける。つまり、特別裁判所は憲法で禁止されているので。
東:その通り、その通り。
津田:なるほどね。たしかに、それは穏健な案ですね。ある種。
東:穏健って言うか、『シビリアンの戦争』という三浦さんの本がいいのは、つまり、市民と軍が、もしくは戦争と平和が、あまりにも別れていると、むしろ攻撃的な戦争が起こる可能性があるという話だと思うんだよね。非常にシンプルに言うと。
三浦:うん。
東:それはいまの日本でも現実的に起きてることで、僕たちはあまりにも戦争と距離を取って来てるので、むしろ何が起きるかわからない状態なんですよ。これはとてもよくない。だから、いまの僕たちの、ある種の、免疫がまったくない状態で、尖閣がいきなり中国に占領されたりしたら、僕たち何やるかわかんないからね。で、そういう状態をいかにして正常化しておくかということは、長期的に観れば平和に帰するわけですよ。そういうような現実的な知恵が求められていると思うんですよね。
三浦:はい。ただ、核武装に関しては、自民党の重鎮たちも凄く恐れているように、実は、パブリックが観るよりも、自民党というのはもの凄く米国を恐れており、しかも裏で凄く駆け引きをしていると。これは自公の平和安全法制って言うんですかね。正式には。それの成立を巡る自公の駆け引きについて、オーラルヒストリーを高村さんと作りましたので。それは来月、新潮新書から発売します。『国家の矛盾』という名前で。これは凄く貴重なヒストリーで、つまり、自公でどういう風に擦り合わせをしたか。現行の憲法下で何まで可能かっていうことは、自民党公明党ではもちろん違うと。自民党の中にも異論がある。石破さんは根っこから変える派と呼ばれている。そんな中で調整役を担った高村さんの聞き取りをしてるわけですよ。


国家の矛盾 (新潮新書)

国家の矛盾 (新潮新書)


津田:その中でアメリカはどう関わって来るわけですか?
三浦:オーラルヒストリーの中では、アメリカというのは、実はほとんど背景にいて。つまり、自民党はいまだから出来ると思ってやってるわけです。安倍政権の強固な支持率があり、しかも、いま世界情勢としては、8年間のオバマ政権の間に、相当・・・口約束としての「世界の警察」が低下したし、実際の介入としても、アフガニスタン戦争ばかりしていた。だからこそ不安も生じたし、同時に中国の台頭というのもあった。で、恐らく中国の台頭とオバマ政権の存在が、たぶん外部要因としては、最も政権を安保法制に押しやったものであると。それは正しい判断であったということが2016年の大統領選を通じてわかったわけで。これは神奈川新聞の対談で言ったんですけど、倉持さんという弁護士との対談で。これは本当に日本の左派が負けた瞬間なんですよ。トランプ大統領が出て来て、自民党の政権が言わなかった、「アメリカは日本から引くよ」みたいなことを言われちゃった。そうしたときに、「いや、引くわけないじゃん!」というロジックは、アメリカが言ってるわけだし成立するわけない。しかも、中国に対して、脅威感を持たない大統領が登場することによって、我々が怖がってる感じと、アメリカが怖がってる感じの落差も、ぜんぜん見える化されてしまった。しかも、もっと駐留経費を負担しろみたいなことも言って来た。
さらに言うと、これから日本がどういう方向に行くのかって言ったときに、安保法制に反対してた人は、いま現状は集団的自衛権行使を前提に行われている訓練をまったく報道していないし。で、それは中国も参加している訓練なんです。つまり、初めて集団的自衛権の行使を想定した各国の、多国間の訓練を行うときに、わざわざ政権は中国を入れたものを選んだわけですよ。これは要は、中国の人民解放軍と、日本の自衛隊との間に、それなりに交流がないと平和って生まれないので、交流増大のためなんですよね。これもいいことだってなると、中国に敵対しすぎってロジックも崩れてしまう。で、南スーダンに対する派遣に関しても、みんな感心がない。だから、オーラルヒストリーやってわかったことは、自民党は本当に抑制的だったということ。それはもっと公明党が抑制的だったからこそ実現したことかも知れないけど。安倍政権というタカ派に観られがちな人たちが、実はかなり抑制的で。そして、アメリカのことを怖いと思いながら、アメリカから受けてるプレッシャーについては、ほとんど国民に話して来なかった。なぜなら、従米政権だって言われるのが怖いから。だから、従米とか言っちゃいけないんですよ。従米って言えば言うほど、「いや、アメリカから何も言われてないから」って情報隠しが行われて、我々は何をアメリカから求められてるかわからないまま、なんとなく例えば(アメリカが許さない)核武装をしちゃいかねない。
津田:でも、そこまでアメリカが怖くて、現実を観ている自民党が、なんで稲田朋美防衛大臣に据えるんですか?
三浦:それは基本的には、総理に気のゆるみがあるからですよ。(会場笑い)(その理由などを語って行く。あと、東さんによる経済はグローバルだけど、政治もあわせる? いやでーすというトランプの話など。)