ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

音楽の聴き方を教える、教わる。

 


 

音楽の聴き方を教えます。これは普通に音楽を聴くだけなら必要のない技術です。自分の好きな音楽を好きなだけ聴けばいい。そして、ミュージシャンの人も、自分の信じる道を進んでください。説教臭くなるのも嫌なので、なるべくうまく書いてみたい。

 

 

なぜ音楽の聴き方が必要だと思ったのか? いまの時代のサウンドについていけない人があまりにも多くなったから。例えば私の場合は、最初にアイドルから入って、のちにシティポップと言われる音楽を聴いたり、MTVで洋楽を聴いたり、そこでRUN DMCに衝撃を受けたり。徐々に音楽の聴き方を身につけて行くことができました。当時は音楽の良し悪しを評価して教えてくれる雑誌もあった。でも若い人たちは違うでしょ? いきなりどかーんと莫大な量の音楽があり、好きな音楽を無料で聴ける環境がある。新しい音楽にも出会いたいが、どこから始めていいかもわからない。その良し悪しを判断することもできない。

 

音楽の文章を書いてるプロの人たちにも多いんです。いまの音楽について行けてない人が。特にロック専門で聴いてきて、その価値観だけで他のジャンルも語ってしまうとか。ラップの壁を越えられなかった人は日本で本当に多いです。レコード会社の偉い人たちもそうでしょう。メロディ中心でしか聴いて来なかったので、リズムが少しでも複雑になると拒絶反応を示したり。じゃあ、どうすれば現在のポップスがわかるようになるか? ひたすら聴けばそのうちわかるようになります。でも10年それやれと言っても、ねえ? 目安となる指標のようなものを3つ用意しました。

 

 



 

◉まずは洋楽を聴きましょう。

➡︎これは歌詞の意味がわからない曲を聴くという意味です。J-POPだと言葉の意味を考えてしまう。その歌詞に共感するかしないかが重要になる。K-POPでもいいです。K-POPだったら「独島は我が領土」と歌っていてもわからない。音楽に政治を持ち込むなではなくて、お前が意味を無視できるようになれって話です。一旦言葉の意味を無視することで、バックに流れているサウンドに注目でき、歌い手の声質、リズム感に注目できたりします。意識して注目するのです。

 

しかし、K-POPだけだとそこに流れてるサウンドは割と均質です。古い英米の音楽なども聴いてください。特にラップや その影響を受けた現在の R&B を聴きましょう。特に繰り返し聴こえるループに乗ることを意識する。最近ではループのないラップも多いですが、その感覚は大切です。

 

 

 

◉歌のない曲を聴きましょう。

➡︎最初から歌がない音楽を聴いてください。そんなものを聴いて、何が楽しいのかわからないという人もいるでしょう。しかし、歌がないことで、楽器の演奏で感情表現をしてたり、リズムが複雑だったりするのです。歌がある場合には、歌の邪魔になる、制約になりそうなことも自由にできる。これがわかるようになれば、ラップの面白さがわかるようになるはずです。ラップというのは声を楽器のように使う音楽なので。歌のない曲で楽器の音を聴き分ける訓練をしましょう。

 

例えば、少ない音数の JAZZだとやりやすい。映画音楽にも色々ある。それぞれの楽器の音を聴き分ける。それぞれの音の質感を感じる。リズムの連なり、不連続を意識する。それらのことが瞬時に、自然にできるようになれば、音楽が立体的に見えて来ます。そうなれば「新しい音像」にも近づいてきます。

 

 


 

◉「新しい音像」にチャレンジしましょう。

➡︎「音像」という言葉は私が考えた言葉ではありません。現代音楽を中心に60年代あたりから語られた言葉です。音が脳内でイメージ(像)に化けるのです。「ピンクのモーツァルト」とかね。クラシックの楽器は「音像」が感じやすい。例えば、ヴァイオリンは空気の振動が目に見える感じがしませんか? コントラバスとか。はっきり振動がある音をまず感じる。それが空間のどのあたりで鳴っているかを意識する。音の実態があるように感じる。それが「音像」です。

 

そして次に来るのが「新しい音像」です。今度は振動がほとんど感じれないにも関わらず、頭の中にイメージとして「音像」が現れる。テクノロジーによって可能になった「音像」が「新しい音像」です。

 

 

次回は実践編です。課題を用意しました。チャレンジしてください。