NETFLIX のドラマ『イカゲーム』が外国語ドラマで初めて、アメリカのエイミー賞を獲ったと話題です。監督賞と主演男優賞のダブル受賞。素晴らしいですね。私も「韓流カルト」の件がなければ、心から祝福したいです。テロに屈するなという人もいますが、カルトに支配されている現状も明らかに問題です。まじでやばい国でしょう。
ドラマ『イカゲーム』について、ネット上の批判で一番多いのは、あんなの『カイジ』と『バトルロワイヤル』のパクリというものです。貧しい男たちを集めて命懸けのゲームをやらせ、生き残った者だけが賞金を山分けできる福本伸行の人気マンガ『博徒黙示録カイジ』(1996年連載開始)。かつて熱中して読みました。
そして、高見広春の小説『バトルロワイヤル』(1999年刊行)。深作欣二監督に映画化され、世界的にも知られています。極東の全体主義国で強制的に行われる「プログラム」。無作為に選ばれた中学校のひとクラスを無人島に連れて行き、最後の1人になるまでクラスメイト同士で殺し合いをさせる問題作です。
ドラマ『イカゲーム』という作品は、確かにそれらの作品をベースにしてストーリーが作られています。訴えれば勝訴する可能性がかなり高い。では権利者はなぜそれをしないのか?
例えば、ディズニー制作の大ヒット映画『ライオンキング』が手塚治虫のマンガ『ジャングル大帝』のパクリだと騒がれたことがありました。権利に関して非常にうるさいディズニーを訴えるチャンス。当時、世界中で注目されたのです。
しかし、その作品の権利を持つ虫プロはこの件を不問にしました。手塚自身がディズニー作品に触発されてマンガを書き始めたからです。作品というのは、影響を受け合いながら制作される。悪質でない限り不問にするのは、日本のコンテンツ産業において、暗黙の了解とされているのかもしれません。
もう一つ韓国ドラマを取り上げます。ここでも何度か紹介した NETFLIXのドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』です。今年を代表する作品だと思いますが、このドラマの主人公も日本の人気マンガをベースにして、キャラクター造形がされています。それは二ノ宮知子のマンガ『のだめカンタービレ』(2001年連載開始)です。全然違うと思いますか。
野田恵:ピアノの天才
汚部屋に住んでいる
食に異常なまでに執着
恋愛に積極的
ウ・ヨンウ:法律書を丸暗記する天才
病的に几帳面
のり巻きしか食べない
恋愛わからない
2人とも天才で、2人とも社会常識からは逸脱した存在となっています。上のリストを見ると、天才であることを除けば、反対の性質を持つようにしています。人気キャラクターから新しい主人公を作るは、かなり有効な手法です。もちろん、マンガやライトノベルなどでは、みんなやっていることでしょう。自分で物語を作ろうとしたことがある人なら、過去作からアイデアを持ってきて、それを作り替えるのは最初にやることです。映画や欧米のドラマから着想を得るのは、日本ドラマでも頻繁にあることです。
それをしても日本ドラマだと面白くないのはなぜか? そのことが問題です。ドラマ『イカゲーム』が評価された理由は、ストーリーだけではないのです。監督賞と主演男優賞を獲っているのですから。そろそろなんとかしたいとこですよね。ついでにウ・ヨンウ元ネタをあと2つ追加。
今週のシングル1位は、Sexy Zone でした。おお随分変わったね。一方、握手会チャートには、Kep1er、イケてるハーツ、PinkySpice、Natural Lag、大滝ひかる、などが登場しています。
◉9月14日付 CD シングルBEST 5。
1位 Trust Me, Trust You. / Sexy Zone(21.9万枚)
2位 THE POWER / THE RAMPAGE from EXILE TRIBE(3.3万枚)
3位 堕天/ Creepy Nuts(0.5万枚)
5位 あんさんぶるスターズ!! ESアイドルソング season3 夏鳥の詩(0.4万枚)
https://www.billboard-japan.com/charts/detaila=sales&year=2022&month=09&day=19