ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

アイドル楽曲派・冬季講習会。2

 

ご飯を炊くの忘れていて、お腹を空かして書いています。サッカーの話は明日にでも。残念でしたね、東山高校。それでいま空腹を誤魔化すために「ひがしやま」を3つ食べました。さつまいもの羊羹みたいなお菓子です。画像探してたら作り方があった。

 

 

私がスーパーで買ったのは、紅ハヤト(さつまいも)と水だけで作ったものでした。小さいの5個入りで600円ほどだった。結構します。でも美味しい。空港とかでも個別包装のが売ってますよね。バターたっぷりの時々食べたくなります。よく文学フリマに持って行き、周囲の人たちにあげてました。そうだ、今週末が文学フリマ京都です。「ひがしやま」を食べて思い出すとは。来年は『アイドル楽曲派・講習会』を作品化して売ろうかな。

 

 

 

前回、音楽が開いている、閉じている、という表現を書きました。でもそれを説明するのに、具体例が必要で、選曲に苦しんでいました。いいこと思いついた。取り上げたのは、全ていい曲です。下の2曲を聴いて、違いを感じてください。どちらが開いているかわかりますか?

 

 

 

 

私はこの曲に思い入れがあるんです。2009年1月。まだ LCC がなくて、台湾のチャイナエアーでハノイと日本を往復していました。台北で乗り換える時に1泊するんですけど、レコ屋の店内にあったアルバム『SUPERMARKET FANTASY』のデジパックのジャケットに強く惹かれました。キラキラしてて。これから経済発展するベトナムに持っていくのに、ぴったりのアルバムだと思ったのです。その中に収録されてたのが『HANABI』です。30周年でライブ映像が上がっています。

 

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両方ともいい音です。でも私は圧倒的に下のライブ映像の方が良く感じます。ライブで開放的な音だからというのではありません。ライブでも平坦なサウンドの映像はいくらでもあります。そう、この映像はサウンドが「開いている」のです。この音を聴き、各楽器がどこで鳴っているかを感じるのです。

 

では、2つのサウンドは一番どこが違うか? わかりやすいのはボーカルですね。ライブの方が桜井さんの声の輪郭がよりはっきりしている。上の MV の方は、サウンドの中に声が溶け込んでいます。滑らかな平面からはみださないようにサウンドがデザインされている。

 

これは言ってみれば、サウンド・デザインのトレンドの違いではあります。ミュージシャンがどちらを選ぶかは好みですが、聞き分けは出来る必要がある。つまりはそういうことです。

 

 

 

 

現在の R&BK-POPサウンドは、それぞれの音が干渉し合わない。分離がはっきりしており、ボーカルはサウンド・デザインの中でド真ん中に来ることが多い。そのサウンドが主流となったことで、ロックのサウンドにも変化が求められました。

 

私がよく例に出すのは、BABYMETAL『KARATE』です。2016年の曲なので、いまの耳で聴くともう少しボーカルが前に出てほしい。この路線で新曲出るといいな。ループ感がある曲。もっとシンプルでもいい。

 

 

 

 

「開いている」サウンドを作るために、演奏を小さな音にしてしまうミュージシャンがいます。確かにそれでボーカルは前に出ますが、これは間違いです。そんなことをすると、その曲の迫力が減退します。ロックでそれは違うでしょう。だから「開いている」サウンドを感覚的に掴む必要がある。そのうち Youtube が勝手にその音にしてくれるかもだけど。この曲はどうでしょう?

 

 

 

 

D.A.N.『Take Your Time』の原曲と、細野晴臣 Remix です。両方いい音ですよね。でも私が聴いて「おや」っと耳を集中させるのは、下の細野さんの方です。やはりサウンド・デザインの意識が高い。ボーカルひとつを取っても、いろんな場所で鳴っている。前に出てきたり、小さくなって上の方に行ったり。あと響きにテクノ感がありますね。私はこれを「照りがある」とか「テカリ」と表現しています。まずはボーカルに集中して聴き比べてください。

 

 

 

女王蜂『バイオレンス』。アニメ『チェンソーマン』を先ほどまで観ていたので、これも取り上げます。私は映画『犬王』を観て、ボーカルのアヴちゃんに興味を持ちました。演奏をシンプルにして、ボーカルを真ん中に据える。サウンド・デザインで印象も変わるものです。ですから、現在のサウンドにハマるボーカリストだと思います。その方向で作られた『バイオレンス』。

 

 

 

冒頭のギターもいいですね。それぞれの音にテカリもあって、いい感じです。やはりこれくらいボーカルが前に出てた方が、グループの強みがはっきり出る。ただ、もう少し各楽器のデザイン、配置を意識して欲しい。基本的にみんな中央に寄っている。そのため同じデザインでずっと聴かせることになる。ボーカルを出したり引いたり、演奏を横に広げたり、もっと遊んでいいと思います。

 

 

 

前回のリストに入れた曲で言えば、これはどうでしょう? ラップですが、色々面白いことをやっています。次回はリストを公開して、具体的な曲を提示します。