山形浩生さんがハノイに来ているそうです。以下のような文章を書かれていました。
◉ベトナム新幹線、成功のカギ/山形浩生(評論家兼業サラリーマン)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100521-00000002-voice-pol
『いま来ているハノイでは、先週日本の新幹線採用について閣議決定が通り、なにやら話が進むようだ。じつは2年ほど前にこのベトナム新幹線の話が出ていたとき、関係者とあれこれ話をしているときには多くの人がかなり懐疑的ではあった。それがこんなに急に話が進むとは、かなり驚きではある。同時に、ベトナムに日本の原子力発電所を売り込む話もかなり本格化してきた。ちょうど今朝(4月17日)の現地新聞をみると、日本の原子力関連機関がハノイに事務所を開設したというアナウンスが載っていたし、日越の首相会談でもベトナムからはよい感触が得られてるようだ。いずれも、インフラプロジェクトとしてはかなり大規模になる。ベトナムが自国だけで資金調達できる話ではないので、実際に日本がやるなら、何らかの資金も日本が付けることになるだろう。べつに首相の営業トークだけで相手国が日本の技術を買ってくれるわけがない(ましてそれが鳩山首相では)。やり方としてはいろいろあるだろうが、いちばんわかりやすいのはODAによる公的な資金を付けて、きわめて低利子でベトナムに建設資金を融資したりとかいうことになるだろう(中略)こうしたひも付き援助といわれる方式は、じつに簡単に腐敗と汚職につながるのだ。インフラは大プロジェクトで大金が動く。すぐに想像がつくことだが、やがて地元の政治家と商社やゼネコンとの癒着が生じ、必要もないプロジェクトをでっちあげて、日本がそれに安易に金を付け、それが失敗して結局、途上国は累積債務にあえぐ。世界各地には、そうしたプロジェクトの廃墟が無数に点在しているのだ。そしていずれは、また債務放棄をせざるをえない。そうなると、数十年後にみんなが苦しむ結果になりかねない』