毎日、ベトナム株に関するいろんな情報を教えてくれているブログ『 ベトナム株はどうでしょう』。その主宰者 Suzuhara さんにブログを始めた経緯や、ベトナムに来られたきっかけを聞きました。後半では昨年のベトナム株についても注目点を話していただきます。ご注目ください。
——では、Suzuhara さん、自己紹介をお願いします。
Suzuhara ：1980年生まれで、ベトナムに来て８年目になります。最初に来たのはハノイで、ハノイ２年→ホーチミン２年→ハノイ２年のあと、現在はホーチミン在住です。今は会社に属しておらず、個人的に投資や輸出等をやっております。
——出身地はどこですか？ なぜ、ハノイに最初来られたのでしょう？
Suzuhara ：出身は兵庫県です。大学を卒業してからスポーツウェアのメーカーに就職しましたが、仕事を辞めて以前から興味のあった海外へ。中国かベトナムか迷いましたが、最終的にベトナムに決めました。とりあえず１年間はベトナム語の勉強に集中しようと思っていました。最初にホーチミンではなくハノイへ来たのは、ハノイの言葉が標準語だと聞いたからです。
——じゃあ、最初からビジネスをすること前提でハノイに来られたんですね。学生時代にも旅行でアジアの国々を旅されていたのでしょうか？
Suzuhara ：学生時代には、ベトナム、カンボジア、台湾、タイ、インド、ネパール等をまわりました。その時のベトナムの印象は、食べ物が美味しいな、っていうことぐらいでしたね。
ベトナムに行こうと決めた2003年頃、ちょうど「３年後にベトナムの経済は大きく成長する」なんてことも言われていましたし、ベトナムで何かやってみようと思っていました。
——ちょうど中国株が騒がれてた頃ですよね。その頃でも、もうベトナムって話だったんですか。なるほど。
Suzuhara ：とりあえずはビジネスでも通用するくらいのベトナム語を勉強しようと思い、最初の１年は学校に通うだけにしました。発音の練習だけで１カ月以上かかった時にはどうしようかと思いましたけどね（笑）。
——発音は本当に厳しく言われますよね。私はそこで挫折しました。2003年のハノイからだと、ずいぶん変わったことでしょうね？ 来られた当初のことを教えてください。
Suzuhara ：まずはとにかく物価が安かったです。私が通っていた大学は中心地からかなり離れたところにあり、私はその大学の敷地内に住んでいました。
近くの路上では、フォーが一杯 5,000ドンくらいだったと思います。食堂でも、１万ドン以下でお腹いっぱい食べれましたね。場所が学生街ということもありましたが、今では考えられない値段ですね。
——それは安いw いま、安いところでもフォーは 13000ドンくらいかな。うちの近所のところは最近値上げして 18000ドン（１ドル弱）になりました。たしかに、2007年に来たときと、次の年に来たときでも、ホテルの値段が明らかに上がっていてびっくりした記憶があります。
Suzuhara ：あと、女の子が地味でした。まず服装が地味で、スカートをはいている人はほとんど見かけませんでしたね。髪型もみんな同じような感じで、時々パーマや茶髪の子を見るとみんな振り返るといった具合でした。
——それは今の方がいいのかなw みんな、韓国のアイドルやドラマのマネをして、おしゃれしていますからね。
Suzuhara ：今ではマンションやショッピングセンター、ホテル等ができて急速に発展している My Dinh という地区があります。通っていた大学がその近くだったんですが、あの頃は本当に何も無く、見渡す限り野原でした。
当時、「土地を買わないか」としつこく勧めてくれる友人がいたのですが、その頃は投資にほとんど興味が無かったので、無視していました。今ではあの辺の地価は数十倍に跳ね上がってるみたいです。
——「大丈夫なのか？」と思うくらいビルが建っていますよ。その頃のハノイと 今のハノイと どっちが好きですか？
Suzuhara ：どちらかというと、やはり今の方がいいですね。物価の上昇はしょうがないとして、当時と比べると格段に生活しやすくなっています。
ハノイの中心部から南に向かったところに、「Nga Tu So」という大きな交差点があります。あそこは当時、渋滞の名所でした。毎日、ラッシュ時には100％渋滞するんです。それもあの広い交差点が全部バイクで埋まるくらいに。それが今では立派な立体交差ができ、渋滞は無くなりました。あの立体交差ができた時には心から「グッジョブ！」と思いましたね。
——ああ、バイマウ湖の横あたりですね？ 線路もあるので、反対側に出るまで大変でした。
Suzuhara：また、当時と比べると食事のバラエティも広がりましたし、まともに買い物できるようにもなりました。当時はまだハノイには ロッテリア も KFC もありませんでした。出張でホーチミンに行く知人に「お土産にロッテリアのハンバーガーを買ってきて」と頼んだこともあります（笑）。
——５万ドンほど（2.5ドル）でセットが食べられるので、ありがたいです。
Suzuhara：あとは、そのような街の発展ぶりを間近で見ることができたというのが何より面白かったですね。「こここに道路を通して、ここにビルを建てて・・・」と、まるでシュミレーションゲームをしているような感じですよ。今の日本ではまず経験できないことだと思います。
——私もそれは思います。東京でも新しいビルは建つのですが、何もなかったところに建つわけではありません。日々、風景が変わって行くのは、いいことだけではないかもしれないですけど、他所者として興味深く観ています。
で、昨年このブログにコメントをいただいて、Suzuhara さんのベトナム株のブログのことを知り、インタビューさせてくださいとお願いしました。
Suzuhara ：私自身は、2007年からベトナム株に投資しています。ちょうどベトナム株ブームの後くらいなので、あまり美味しい思いはしていません（笑）。それ以降、ベトナム株はかなり下火になり、日本人で口座開設した人もほとんどが放置している状態だと思います。
——その頃が VN指数で1000ほど。現在がその半分の500ですからね。ベトナム株ブームの頃にスタートした人はほとんど放置でしょうね。
Suzuhara ：そうだと思います。そういう人たちも含め、もう一度多くの人にベトナム株に関心を持ってもらえるよう、ブログを始めました。
◉ ベトナム株はどうでしょう
http://vietnamkabuhelp.blog22.fc2.com/
Suzuhara ：ブログの内容は、よくありがちな「ベトナム株に投資すべき！」というスタンスではなく、良い点も悪い点も含め、できるだけベトナム株の現状を知ってもらえればと思っています。なので、日頃からベトナム株をチェックしている人にとっては物足りない内容になっているかも知れません。
——いえいえ。かなり詳しく説明されていますし、喜んでいる人も多いと思いますよ。やはり現地からの情報は有益だと思います。ベトナム株についての話は後半で話そうと思います。このブログに来てくれたのもベトナム株の関係ですか？
Suzuhara：wakita-Aさんのブログは、実はベトナム株のブログを始める2年以上前から拝見しています。ベトナム株の他に、ベトナムで実業への投資もしておりまして、その店のことをインターネットで検索しているうちに、そのお店にwakita-Aさんがいらっしゃったという記事を見つけました。それ以来、wakita-Aさんのブログを拝見してます。かれこれ2008年の6月くらいからですね。
——えっ、どのお店だろう？（メールでやりとり）なるほど。それは本当に私がハノイに来た当初ですね。
Suzuhara：そうですね。最初の方は、そのお店に何度も足を運んでいただけるのではないかと思いブログを拝見していましたが、結局そのお店に関する記事は一回きりでした（笑）。
——このブログでは普段の生活について、あまり書いていないんですよ。どこのお店で食事したとか。カラオケに行ったとか。そうですか。あのお店だと投資は成功ですね。いいお店だと思います。
Suzuhara：ありがとうございます。でもそれだけではなく、wakita-Aさんのブログは、サッカー、ベトナム株など自分との共通の話題もあり、他にもハノイでの大家とのトラブルであったり、小沢健二の話題であったり（私が初めて買った CD が『 LIFE 』でした！）、何かと興味のある話題が多く、それからもかなりの頻度で拝見しています。
——ありがとうございます。サッカーも好きなんですね。
Suzuhara：はい。サッカーはするのも観るのも好きで、ワールドカップに関しては、日本代表の試合は 1998年フランス、2002年日本とスタジアムで観戦しました。
——フランスも行ったんですか？ それは凄い。いや、私も行ったんですけど、なんか岡田さんのサッカーに興味が持てず、不完全燃焼でした。もっとも、大会を観た経験自体が素晴らしい財産になったと思っていますけど。
Suzuhara：ワールドカップの前にもいろいろありましたからね。私がフランスで観戦したのは、日本対ジャマイカ と ブラジル対チリ の試合でした。
——私はジャマイカ戦、ダフ屋から定価で買いました。試合２日前にディズニーランドに遊びに行ってたジャマイカ代表に負けた屈辱の経験でした。あの頃から岡田監督に不信感を持つようになったんだよな。
Suzuhara：そういう話もありましたね。初めてのワールドカップなので、あんなものなのかなとも思いましたが・・・。私は試合の内容はあまり覚えていませんが、とにかく大声で君が代を歌ったのを覚えています。それまで特に思い入れは無かったんですが、その時に初めて君が代がカッコイイと思いましたね。当時の日本代表はアシックスの炎デザインのユニフォームでしたが、今でもちゃんと家にあります。
——いいですね、炎のユニホーム。今でもあれで応援してる人を見かけますよ。ブラジル VS チリ はどうでしたか？
Suzuhara：この試合では、ちょうどチリのサポーターの隣に座ることになりました。チリのユニフォームを着た若者が、胸に手を当てて目を閉じて国家を歌っていたのを良く覚えています。本気でサッカーを愛しているんだなと思いましたね。その時は日本の試合もそうでしたが、プレーを楽しむというより、雰囲気を楽しむといった感じでした。試合とは関係ありませんが、その試合前にパリで迷子になり、集合時間に間に合わず、雨の降るシャンゼリゼ通りを泣きそうになりながら走ったのを覚えています。
——どうなったんですか？
Suzuhara：ちょっと遅れて集合場所に着いた時には、みんな揃っていました。その後の観戦には間に合ったので、皆さんのお怒りを受けずに済みました・・。
でも、ちょうどパリではカメラの電池も切れてしまい、結局パリで買い物をしたのはカメラの電池とビニール傘だけという、散々なものでした。本当はシャンゼリゼ通りを軽快に歩きたかったんですけど、その夢はかないませんでした。どんな街だったかはほとんど記憶に残っていません（笑）。
——サッカー以外のことも、いろいろ思い出になるんですよね。
Suzuhara：2002年のW杯は、長居スタジアムで観戦しました。ちょうどその一年前に大学のサークルでキャプテンをしていました。かなり末端ですが、いちおう社会人リーグに属していたんです。そのおかげで、チームに２枚、W杯のチケットが回ってきたんです。もちろんみんなには内緒で私が頂きました（笑）。
——それは問題発言だw 部員の人たちの代わりに私が突っ込みましょう。彼女と一緒に行ったとか？
Suzuhara：時効ということで許して下さい（笑）。少し言い訳をしますと、当時、サークルの中にはスタジアムにサッカー観戦に行くような人はいませんでした。私はＪ１に昇格した時からずっとジュビロが好きで、地元（関西）にジュビロが来る試合はほとんど全部観に行ってました。一度だけ磐田まで観戦に行ったこともあります。ジュビロと鹿島が争っていた頃が私の中でＪリーグのピークですね。
——磐田のスタジアムはいいですよね。私もスタジアム観戦の素晴らしさに目覚めたのが磐田のスタジアムでした。京都のサポーターだったので、開幕戦を観に行ったのですけど、高原のデビューゴールを見せつけられました。ハノイに来る前も、磐田サポの友人と一緒に観戦して来ましたよ。
Suzuhara ：そうなんですか！私ももちろん西京極は行ったことあります。神戸ユニバー、万博、長居と、関西のスタジアムはほとんど行きました。あのスタジアムに中に入ってピッチと観客がワッと目に飛び込んでくる瞬間は、今でもゾクッとします。
ということで、どちらにしてもワールドカップのチケットは私がもらっていたと思います（笑）。この時は長居スタジアムでのチュニジア戦でした。同じくサッカー好きの兄と一緒に行きました。もちろん、炎のユニフォームです。
——中田英のだめ押しゴールがあった試合。完勝でした。
Suzuhara：決勝トーナメント出場も決り、あの試合はかなり盛り上がりました。
その後はスタジアムは遠ざかっていますが、もちろん2007年のハノイでのアジアカップはミーディンに行きました。試合が終わってから、バスに乗り込む選手を出待ちしましたね。日本ではあんな近くに選手や監督を見る機会がほとんどないので、かなり興奮しました。さすがにバスまでは追いかけませんでしたが（笑）。
——あのときは、楽しかったなー。オーストラリア戦勝利の後、選手とサポーターで一緒に「バンザイジャンプ」をしたのは一生の思い出ですよ。
Suzuhara：その時初めて、ハノイに住んでて良かったなと思いましたね。
ハノイに住んでいて良かったといえば、スカパラがハノイに来た時のことを思い出しました。ハノイ駅の近くの文化宮殿でのライブです。文化交流か何かのイベントで他にも KEMURI とか何組か来ていて、トリが スカパラ でした。
——えっ！ そんなイベントがあったんですか？ 初めて聞きました。
Suzuhara：スカパラが演奏してるのに、盛り上がりすぎたベトナム人が勝手にステージに上がって一緒に踊りだすんですよ。それにつられて日本人も何人かステージに上がって、もうお祭り騒ぎでした。日本だと普通、警備員に取り押さえられますよね。あんなステージ、見たこと無かったですね（笑）。
——いいなー。スカは踊りやすくて楽しいんですよね。（ネットで検索）2006年の８月ですか。
Suzuhara：はい。私はおとなしく客席で踊ってました（笑）。でもそれ以来有名なアーティストがベトナムに来ないのは、あの一件があったからではないかと勝手に心配しています。
——いやいや、2008年５月に 杉さまの呼びかけで W-inds や 夏川りみ が来たイベントがありましたよ。私が来る直前でした。でも、また来て欲しいですね。アジアカップ中ということもあり、ついついサッカーの話が長くなりました。後半は Suzuhara さんに昨年のベトナム株について聞こうと思います。しばらくお待ちください。
