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ジャニコノ53. 嵐『One Love』その2。

前回、嵐『One Love』は『感謝カンゲキ雨嵐』以来となるジャニーさんがタイトルをつけた曲と書きました。その『One Love』というタイトルは、ボブ・マーリーの代表曲のひとつ『One Love(People Get Ready)』から取られているからです。この後ろについた『People Get Ready』にその秘密が隠されている・・・というところまで書きました。



ボブ・マーリーは1965年に全米ヒットした『People Get Ready』という曲を元にして、『One Love』をつくったのです。ちゃんと、嵐の話につながるので、最後まで読んでくださいね。



◉ジャニコノ53. 嵐『One Love』その1。
http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20131117/1384655304



『People Get Ready』を歌った THE IMPRESSIONS は50年代後半から70年代前半に活躍した黒人コーラス・グループです。そのグループには70年代にマーヴィン・ゲイスティービー・ワンダーなどと並びニューソウルの旗手として人気を呼んだカーティス・メイフィールドが在籍していました。『People Get Ready』は多くのカヴァー曲も出されておりロック史に残る名曲と言われています。


『People Get Ready』はどんな曲だったか? 神に感謝を捧げ約束の地へ向かう列車に乗り込もうと歌われています。ゴスペルを元にしたその曲は時代背景から公民権運動とも関連づけて聴かれました。公民権運動のピークとも言える出来事 1963年の「ワシントン大行進」において、全米各地から人種差別の撤廃を訴え民衆がワシントンに集まったのです。


そのことを考えると、ボブ・マーリーがこの曲を元にしてつくった『One Love』を歌った理由もわかります。ジャマイカ人も苦難から解放されるべきだと考えたのでした。



ワシントン大行進においては キング牧師の「 I have a dream.」で知られる有名な演説が行われています。松潤のファンは「 I have a dream.」という言葉を覚えていますよね?



松本潤は『花より男子』での道明寺役が成功したあと、久しぶりの主演ドラマ『バンビ〜ノ!』に出演します。そして、その次が2009年4月の『スマイル』でした。このドラマで松潤は差別により犯していない罪で鑑別所に入ります。そして、多国籍料理の店を出すという夢を持ちます。監獄暮らしの彼を支えたのがキング牧師の言葉「 I have a dream.」でした。


そして、2009年の国立の前に 嵐は『Everything』というシングルを発売しています。私は思うんですよ。『One Love』の最初のタイトルは『Everything』だったのではないか?と。だって「百年先も愛を誓うよ君は僕の全てさ」と歌われているわけですから。でも、2つの意味をこめた『One Love』というタイトルにしたわけです。


そして、この「百年先」という言葉も気になりました。ジャニーズ事務所が誕生したのは 1962年です。つまり、アメリカで公民権運動が激しく行われていた時代です。そして、初代ジャニーズが誕生したきっかけがミュージカル映画『ウエストサイド物語』でした。


映画『ウエストサイド物語』は『ロミオとジュリエット』のストーリーを元にしてつくられています。舞台をニューヨークに移し、人種間抗争を描いた作品だったのです。敗戦後にアメリカで暮らしたジャニーさんにとっても、人種差別は外せないテーマとなっているのかもしれません。そう言えば『台風ジェネレーション』の PV の最初が『ウエストサイド物語』でしたね。



ジャニーズ事務所が50周年を迎える2012年にトップに君臨しているグループを想定して 嵐はデビューしています。そして、2008年に 嵐が初めて国立に立つ前に『One Love』というタイトルを用意したわけです。日本中から聖地「国立」を目指してファンが集まりました。さらに、50周年にあたる 2012年の国立にも 嵐が立ちました。次の50年もジャニーズはファンへの愛を誓った訳です。


次回はいよいよアルバム『LOVE』の分析をするつもりです。でも、ちょっと時間がかかるかな? 『One Love』から『One』が取れるとどういう意味となるのか? 難しそうだなー