ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

まだまだ頑張る K-POP  最終回。

 

 

最近、よくこの金成玟という人が K-POPの専門家として登場します。リアルサウンドが「J-POPのグローバル化に必要なもの」を教えてもらおうとしていますよ。やれやれ。日本では人気グループが登場すると、そのグループがいかに新しいかを誇張するファン向けの本が発売されます。金氏の本も「その手の本」ですよね。韓国人がNEW KIDS ON THE BLOCKに熱狂した話は面白かったけど。日本の音楽の影響は受けつつも、それとは別にアメリカの影響でK-POPは発展したという方向付けがされています。歴史修正ですね。この人は大学の先生でメディア文化の研究者なのに。

 

例えば、K-POPの独自性を語るのに「ファンダム」というファン・コミュニティについて語られていますが、少なくともジャニーズ・ファンを無視して語れないでしょう。日本には親衛隊と呼ばれるファン組織が70年代からあったわけですし。

 

「K」についても本で熱く語られていますが、そもそも「K」は「J」を真似した物ですよね? JRに始まり、Jリーグのブームを経て大衆化された「J」。それを1998年にKリーグとして真似し、K-POPにも繋げてきたはず。しかし、金氏の本では「J-POPの相対概念として(日本で)つくられた」と書かれています。真似したものではなく、他者によって規定されたジャンルだと書かれているんです。

 

証拠としてあげているのが2001年に日本で創刊された『K-popstar』という雑誌です。これは取材が必要なのでは? 雑誌ってスポンサーありきでつくられるものでしょう。2001年にK-POPファンはそこまでいなかったのだから。浅田彰さんの「J回帰」をヒントに内向きの「J」と外向きの「K」として書かれた文章かもしれないけど。マーケティングという意味では同じでしょう。

 

批判されているチャートのハッキングについても語らない。本当に人気があるのか? いい加減にやめるべきと提言すべきでしょう。サッカーファンはいまでも2002年のこと忘れてないよ。クオリティの高さにリスペクトはしつつも、K-POPに独自性があるかについては、私はずっと疑問を持っています。「K-POPには常に媒介するメディアとしての性格があり、それこそが大きな特徴です」と金氏は語ります。ですが、そんなの今の音楽すべてに言えることです。HIPHOPだってアイドルだって、どんな音でなにを歌ってもいいわけですから。今の音楽がわかっていない人なのでは?