昨日書いた通り、私がジャニーズ事務所の継続を願う理由について書きます(社名変更はOK)。その前に、ジャニーズ性加害問題追求で活躍中のジャーナリスト松谷創一郎が、ジャニーズファンと揉めてますね。そこからスタートします。
ジャニーズ事務所
— MATSUTANI Soichiro (@TRiCKPuSH) 2023年9月14日
=Johnny & Associates
=ジャニーと仲間たち
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=鬼畜と仲間たち
アホなんか。いや多分、Jファンからの誹謗中傷が酷く、怒りのあまりって感じ? 静かにブロックでいいでしょ。こんなことあったら、私も松谷について書きたいのに、書きづらくなるじゃん。もちろん書くけど。
「日本のファンは、好きなアイドルを守るためにはアイドルの所属する会社を守らなければならないと考える人が多いのですが、韓国のファンは『自分たちのアイドルを事務所から守る』というスタンスなので、会社に対して強く意見を言います」
— MATSUTANI Soichiro (@TRiCKPuSH) 2023年9月14日
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ジャニーズ問題 ファンは「推し」文化を改善できる…
こんなリツイートもあった。実は、ジャニーズファンも昔は「ジャニーからタレントを守る」と言ってる人が多かった。でも90年代半ばに SMAP や KinKi Kids が大ブレイクし、ライブチケットが取りにくくなる。ファミリークラブで抽選が行われるが、批判する者はチケットが当たらなくなるという話が出始める。このあたりから従順なファンが増えた印象がある。今はもっと洗練されて、ファン同士で管理しあう感じか?
松谷創一郎「日本テレビは渡辺プロとの関係悪化を受け『スター誕生』を始めた。これによりナベプロ寡占状態だったアイドルの世界は活性化した。逆にジャニーズ事務所による男性アイドル寡占は同分野の停滞を招き、世界進出を果たしたBTSなど韓国の男性アイドルに大きく遅れを取ることとなった」#ss954
— 白鯨 (@white198305) 2023年9月11日
ラジオ番組での発言。ジャニーズのせいで K-POPに遅れを取った。半分本当だけど、綺麗にまとめ過ぎ。私は 2010年からジャニーズが K-POP に遅れを取っていると批判してきましたが、それはジャニーズが J-POP のトップに君臨しているからこその批判。2010年代 J-POP 全般で、K-POP より遅れていると自覚する空気はなかった。
だから LDH も宇多田ヒカルも、みんなサウンド的には遅れていた。それどころか握手会や、シティポップブームを仕掛ける小手先の対応もあった。ジャニーズに全てを押し付けるのは卑怯だろう。そう言えば、世界的にチャートで唯一存在感を示した BABYMETAL も全盛期は Mステから締め出されてた。松谷さん、これはなぜ?
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まあトレンドの問題でもある。K-POP は HIPHOP を通過したラップ、R&B に対応した楽曲を制作した。あくまでもグローバルトレンドをキャッチアップしたものだ。ジャニーズがそのトレンドで遅れを取ったのは事実。だが独自性によって、新たな演出を生み出しエンタメに貢献してきた事務所でもある。ジュニアマンションやムービングステージなど。歌のディズニーランド化を推し進めた。
これらはタレントのアイデアと言われるが、ジャニー喜多川は自分のアイデアを、タレントの名前で出すことも多い人だった。また、これらは AKB や K-POP にも真似されている。ポップス界に新たなアイデアを加えたという点で、K-POP に圧勝しているとも言える。続いて、記者会見での松谷さんの質問。
1:38:20 ジャーナリスト・松谷創一郎の質問。
松谷:先日の特別チームの報告書では、メディアの沈黙が挙げられていました。が、こうしたことを招いた根源には、ジャニーズ事務所のメディア・コントロールにあったと考えられます。例えばですね、現在もジャニーズのグループがレギュラー出演する、テレビ朝日の『ミュージックステーション』では、ジャニーズと競合するグループが出演しにくい状況がいまだに続いています。
過去には DA PUMP や w-inds. 、現在であれば JO1、INI、BE:FIRST 、Da-iCE などが出演できていません。これらのグループの出演がかなわないのは、過去にジャニーズ事務所がかけたプレッシャーに起因すると考えられます。実際に2019年にジャニーズ事務所が公正取引委員会に意見されたり、Mステの皇達也プロデューサーが、ジャニー氏が亡くなったときに『週刊新潮』で、ジャニー喜多川氏からタレント引き上げを仄めかされたことを証言しています。
もちろん、現在はテレビ朝日がジャニーズ事務所にビビり上げてるだけの忖度だと推察されます。こうした構造は、タレントがジャニーズを退所すれば、芸能界で干されるんだと、厳しい状況に置かれるんだとなかなか離れられず、結果として性加害を受けなければならないという事態を招いたと思います。テレビ局が共犯と言えるのは、まさにこうした理由にあります。(以降も具体例が続く、中略)
ここで質問です。東山さん、ジュリーさん、こうした忖度はまだ続いた方がいいとお考えになるでしょうか。もし続ける必要がないとお考えになるのであれば、ここで JO1 (吉本)や BE:FIRST(エイベックス) などの競合グループが『ミュージック・ステーション』に出ることや、平野さんや神宮寺さん(TOBE)がこれまで通りテレビ出演できること、元SMAPの3人、何よりカウワンさん、橋田さんの活動を妨害しないと、ここで明言していただけないでしょうか?
東山社長:はい。もちろんです。
松谷:忖度の解除を求めるのは変なことだと思います。ですが(さらに続く、後略)
松谷さんのこの指摘の意味はわかります。歌番組で公正な競争が行われてこなかった。それが性加害を許す一因にもなっていた。それがジャニーズ関係だけでも是正されたのは素晴らしいこと。他にも波及するといいですね。文字起こしで私は意地悪く「JO1 (吉本)や BE:FIRST(エイベックス)」と書いた。吉本興業やエイベックスは、これまで何らかの独占を狙ってきた会社ではないか? 結局 Mステ自体がそういう番組なのでは?
Mステとジャニーズ事務所の関係は、スタート時に遡る。1986年10月。Mステは音楽番組として後発だった。存在感は薄かったのです。しかしジャニー喜多川は、音楽番組を非常に大事に扱った。人気絶頂の光GENJI を中心に、番組が軌道に乗るまで後押しをしたわけです。司会者のタモリが、ジャニーズタレントを大事にするのは、その辺の理由があるかもしれない。
だから許されるという話ではないですよ。ジャニーは犯罪者ですが、音楽文化を大事にしなかったわけではないという話です。
そろそろ今日の本題。私がジャニーズ事務所の存続を願う理由です。実は「アイドル」を最初に考案したのがジャニー喜多川なのです。アイドルを大事に思う私がジャニーズ事務所を擁護するのは当然でしょう。
私はこの結論に達したのですが、それに反論する人もいるでしょう。結論に至った理由を書きます。ひとつは1962年に結成されたジャニーズが、歌って踊れる最初のグループだったことです。その珍しさゆえ、最初からテレビに出演できました。1964年には東京オリンピック開催、テレビが一気に普及。ジャニーズのデビュー曲も発売。テレビ時代の歌手が誕生したのです。
そして2つ目、和泉ヒロシ著『ジャニーズ・ファミリー』(1976年)に書かれていました。ジャニーズの時点で、メンバーカラーが既にあったこと。それどころか、キャラ設定まで書かれていました。例えば「あおい輝彦は青、清々しい純粋な意味を表し、ちょっぴりスローなのを目覚めさせてやる意味で」と書かれています。前半部分が青である理由、後半部分がメンバー間の関係です。
1966年発売のシングルレコード『泣いてたジェニー/涙くんさよなら』では、メンバーがそれぞれのカラーを身に付けています。現代アイドルでは、キャラ設定や、メンバーカラーは定番ですよね。
3つ目。ジャニーズの結成で有名なエピソード。1962年、当時の最先端エンターテイメント、日本初の本格的ミュージカルをやるグループを目指して、ジャニーズは誕生しています。つまり、ジャニーズは「目標を設定し、そこに至るまでの成長過程を見せるグループ」だったのです。これはアイドルですね。
武道館を目指すとか、ミリオンを達成するとか、このような目標設定は、現在のアイドルにおいて定番です。ジャニーズ事務所はそれを60年代からやっていました。
アイドルに賛否あれど、日本を代表するカルチャーです。K-POP の躍進もあって、少しずつ変化を伴いながら世界に広がっています。ジャニーズがなくなれば K-POPは最初から韓国の文化だと言われるかもしれません。世界における力関係では向こうの方が上なので。それは悔しいですね。
あとジャニーズ事務所が重要なのは、その規模を維持できることです。先ほども紹介した「ジュニアマンション」は観たことあるでしょうか? 2007年あたりに KAT-TUN のライブで初登場。私も NHK BS で観て驚きました。4角の金属の格子が縦4段、横20段とか? 要するに80人とかいるジャニーズJr. のメンバーが、ステージ両サイドに設置されたそのセットで、同じ振り付けで踊るのです。早着替えなどは、マスゲームのよう。すごい演出です。
例えば今年25周年のハロプロも、育成システムを持っています。ハロプロ研修生です。しかし、そのメンバーを増やし過ぎると、新しいグループをデビューさせる必要が生じ、グループ数はそろそろ限界に来ています。ジャニーズのようにシビアに、デビューできるのは一握りと普通は切り捨てできない。多くても20人まででしょう。
しかもジャニーズ事務所には、半世紀以上に渡るクオリティの高い楽曲の遺産があるわけです。ちょっとした戦後史ですよ。少年時代からそれらの楽曲をずっと練習させている。これはすごいことです。そうやってステージに立ち続けたメンバーから、スターが生まれるシステムです。他の事務所に移籍するということは、これらの遺産を放棄することでもあるのです。
簡単に「潰せ!」と言わないでほしい。世界のどこにもないエンターテイメントがジャニーズなのです。もちろん、何度も言っていますが、社名変更はありだと思います。藤島100%景子は「ジャニーズ」をファミリーの名字と考えているのかもしれません。家族に犯罪者が出ても、名字を変えることはないですから。でも変えないと、存続は難しい状況です。ファミリーの皆さんで説得してほしい。