ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

あしぎんエッジくんの冒険。第6回

幸いなことに、ソニー株はその後7月くらいには利益がでるくらいに戻っていた。失敗は失敗だったが、ストップ安でも買ったことで利益をだすことができたのだ。悪い状況で買うのも立派な株の戦略であることを知った。しかし、有名企業はもういい。さあ、新興市場の株を買おう。

ラジオNIKKEI の人たちや番組出演者の人たちに、新興市場のIT関連企業について聞いてみた。みんな、顔をしかめるような感じだった。2003年の夏、市場においてITバブル崩壊の傷は、まだ癒えていないようだった。
ITバブル当時はヤフーや光通信などで、株主が億万長者になるなどの盛り上がりを見せていたようだ。ソニーも1万6000円を超えていたようだ。しかし、当時はインターネットで収益が上がる状態ではなく株価は急落、バブル崩壊は期待だけが先行した結果だった。しかし、それから3年が過ぎ、時代はどんどん動いていた。

例えば、2000年あたりからインターネットでの株式売買サービスを主要証券会社も開始していたが、手数料競争が起きて、ネット証券といわれる会社が活躍するのは2003年からだ。そのときなにが起こったか? そう、孫正義の英断により、yahooBB のADSLモデム無料配布があった。当時は「ウザい!」としか思わなかったが、これが社会に与えた影響は非常に大きなものだった。それによりネット環境が飛躍的に良化したのが2003年春だったのだ。これによりネット人口は爆発的に増加した。そして、株式のネット売買の手数料が下がり、私のようなネットトレーダーも増えた。私たちにとって身近かな企業は、ネット関連企業だった。そして、夏あたりからネット関連株が動き始めた。

◉ヤフーの月足チャート
http://quote.yahoo.co.jp/q?s=4689.t&d=c&k=c3&a=v&p=m130,m260,s&t=5y&l=off&z=m&q=c&h=on
これを見ると、2003年の夏あたりから上昇をはじめ、2006年の1月から急落しているのがわかる。

私は8月あたりからネット関連株で儲けるようになっていた。天海さんに借りていたお金も全額返済したのが8月だった(このあたりのことは、次回に書く)。その8月にエッジという会社に出会った。きっかけはEDコントライブという会社の株を買っていて、Yahoo! ファイナンス掲示板で同じようにストップ高しているエッジが話題になっているのを読んだからだった。そして、エッジはこのとき面白いニュースをリリースした。

Windowsに対抗して、LindowsというOSを販売するというニュースだ。そして、Lindowsがエッジの業績に与えるインパクトを聞かれた堀江社長は「例えば、Lindows が現在の90%以上あるWindowsのシェアを5%でも奪った場合、うちのような小さな会社にとってのインパクトは非常に大きい」というような発言をした。そして、それは可能だとも言った。Lindows OSを搭載したパソコンは非常に安く、パソコンの価格破壊を起こせると言ったのだ。このインタビューを見て、エッジに惚れた。小さくても有望な会社をついに見つけたと思った。ここなら10倍、いや、それ以上すら狙えるかもしれない。私はエッジ株を購入した。

◉【WPC EXPO】エッジ堀江社長、「LindowsでOSを選べる時代がついに訪れた」
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/event/2003/09/18/495.html
「LindowsOSは、8月29日にエッジが発売したLinuxベースのクライアント用OS」「9月17日から千葉・幕張メッセで開催されているアジア最大級のデジタル展示会「WPC EXPO 2003」。2日目の18日、エッジ代表取締役社長の堀江貴文氏が「Lindowsが世界を変える」と題した講演を行なった」

堀江社長が面白い人だということはわかったが、口だけではないのか?という疑念もあった。それどころか、うさん臭さも感じていた。だって、Lindows という名前はうさん臭い以外のなにものでもないでしょう。やはり、一度は本人が話すのを直接見ておこうと思った。そして、上の「WPC EXPO」に私は出かけた。

堀江社長はなんの飾り気もなく、淡々と会社の業績や先行きについて話していた。特に新しい情報も得られなかった。しかし、エッジに対する興味は増々高まった。堀江社長がメディアで語る言葉はメディアへのサービスでもあることがわかったからだ。それとは別に冷静にビジネスを展開する別の顔をこの講演会で見ることができた。後に会社の知名度を上げるために、広告宣伝するのではなく、インタビューなどで話題をつくるという戦略を堀江社長は語った。このとき、「WPC EXPO」のおみやげとして、エッジからは「Lindows うまい棒」が配られた。その包装紙にはタコにタコ殴りされるビルゲイツが描かれていた。
Lindows うまい棒
http://www.itmedia.co.jp/news/0309/19/nj00_wpcfree.html

そして、エッジは2003年11月に1株を100分割することを発表。その頃には私が5万円ほどで買っていたエッジ株は20万円を超えていた。また、2004年2月には社名をライブドアに変更。この頃にはマザーズ市場を代表する企業となっていた。そして、極めつけは、オリックスとの合併が発表されていたプロ野球球団・大阪近鉄バッファローズの買収に名乗りを上げたことだった。私はいつものように見ていたテレビ東京WBS のオープニングで、このニュースがスクープされたのを見て、ひっくり返るくらいに驚いた。これで堀江社長は一気に全国区の知名度を獲得した。そして、この頃には私の運用資産も優に1000万を超えていた。

◉エッジが1株を100株に:超大型株式分割を巡る様々な思惑
http://japan.cnet.com/column/market/story/0,2000055915,20062277,00.htm
ライブドア近鉄球団買収騒動、市場はどう受け止める
http://japan.cnet.com/column/market/story/0,2000055915,20069661,00.htm


これまでの「あしぎんエッジくんの冒険」
第1回 http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20080701/1214930659
第2回 http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20080702/1214999335
第3回 http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20080702/1215022465
第4回 http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20080711/1215809586
第5回 http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20080725/1217004470