ハノイの日本人

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ベトナム株は大商いなのに…

きょうのベトナム株は大活況でした。不動産投資に向かっていた資金が、ついに株式市場に戻ってきたようです。投資家が買う気になれば、どの株もすごく安くなっています。ずっと放って置かれていたからです。それで、きのうから早い物勝ちみたいな雰囲気になっているのでしょう。ところが、海外では以下のような嫌なニュースも流れています。


ベトナム・ドンは「極度のトラブル」、切り下げの恐れも−モルガンS
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920008&sid=agiuEPOGzwKM
『12月9日(ブルームバーグ):ベトナムの通貨ドンが「極度のトラブル」を抱え、切り下げリスクがあると、米モルガン・スタンレーはみている。国際通貨基金IMF)は今週に入って、ベトナムの対外準備が低水準だと警告した。(中略)ベトナム国家銀行(中央銀行)はウェブサイトに9日掲載した声明で、同国の外国為替市場は11月に「緊張の兆候」があったが、12月に入り「前向き」な変化を示しているとコメントした。ドンは対ドルで年初来5.2%下落。ブルームバーグのデータによれば、9日の取引では1ドル=1万9498ドンとなっている。ニューナム氏は、2011年にドンが同2万3000ドンに値下がりすることは「極めてあり得る」ことだとしている』


でもねー、ポジショントークとは言わないですけど、ちょっと誇張した発言だと思うんです。「極度のトラブル」は言い過ぎでしょう。たしかに、ベトナムドンが安くなっていたのは事実です。現在、街の両替屋では上の記事よりも悪いレートで取引されています。1ドル=21000ドンより悪いと思います。ですが、それは1ヶ月ほど前から起こっていたことです。もっと言えば、もともとベトナムドンは現地の人たちに信用されていません。2011年にドンが1ドル=2万3000ドンになっても、誰も驚きませんよ。


例えば、こんなことがありました。ちょうど1年前、私は某銀行で日本語を教えていましたが、そこで生徒たちから「いま、買ったらいいベトナム株はありますか?」と聞かれました。正直、そのとき株を薦められる状況ではなかったので、今は預金でもした方がいいんじゃない?」と応えました。ですが、ベトナムドンは切り下げられる可能性が高いと彼女たちは嫌がりました。私としては預金金利が 10数%もあるのだし、切り下げとインフレがあっても、損することはないと説明しました。でも、彼女たちの考えはよく理解できました。


現在、ベトナム中央銀行には日銀から出向されてる方が2人おられます。今月号の『 SKETCH 』46ページにも 鉢村健さんという方が登場されています。2008年の通貨危機のようなことは、もう起こらないと思ってるんですけどね。通貨安は石油や電力の輸入を解消するまでは、持病として付き合って行くしかないのでは?


12月10日(金)
ハノイ株式市場 116.39  +4.26(+3.80%) 

  売買高6020万5994株/売買代金1兆1688億4000万ドン

  2営業日続伸。上昇銘柄数は294、下落銘柄数は38。

ホーチミン株式市場 473.06  +12.61(2.74%) *VN-index

 売買高9410万6570株/売買代金3兆3694億7000万ドン

 2営業日続伸。上昇銘柄数は233、下落銘柄数は26。海外投資家は大幅買い越し。


ホーチミン証券取引所は3兆ドンを超える大商い、先行性銘柄の証券株を筆頭に大幅上昇(ベトナム株情報)
http://www.viet-kabu.com/news_d/general/101210021204.html
ホーチミン証券取引所は昨日の流れを引き継ぎ前日比プラスで寄り付く。その後も証券市場への資金流入が加速し、幅広い銘柄が買われたことで上げ幅を加速していく。直近高値466ポイント付近では若干の戻り売りを受ける場面もあり、上昇ペースが鈍化したが、引けにかけては再び上昇に入る。470ポイントラインも意識されること無く、高値引け、前日比プラスで取引が終了した。売買代金は3兆ドンを超える大商いとなった』
 

IMFベトナムの外貨準備高は輸入額の1.8ヶ月分に相当(ニュース証券)
http://www.news-sec.co.jp/files/2010121019001705.pdf
『国際基金IMF)によると、2010年9月末まで、ベトナムの外貨準備高は輸入額の1.8カ月分に相当と低水準にとどまっている。また、ベトナムの2010年外貨準備高は約154億ドルと予測されている。インフレ高騰、信用成長過剰、貿易赤字、ドン安がベトナムの外貨準備高に対する大きな減少圧力となっている』