ハノイの日本人

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音楽ニュースサイト『リアルサウンド』Negiccoが評価されるのはさらに10年後。

音楽ニュースサイト『リアルサウンド』が話題になっていますね。音楽雑誌を読まなくなった私としては、ネットメディアで音楽批評を読めるのはありがたいことです。サイトの編集長は『ホンネで音楽の良し悪しを語り合える「批評の場」を生み出すこと』と頼もしい発言をされています。でも、実際に個別の記事を読んでみると、早くも残念な雰囲気が漂っているのでした。



◉「Real Sound - リアルサウンド - 」創刊のご挨拶(リアルサウンド編集長/神谷弘一)
http://realsound.jp/2013/07/post-13.html
『これまでのように広告収入には頼れない。ネット上では提灯記事はすぐに見破られてしまう。その一方、リスナーの間では、SNSなどを通したコミュニケーションが盛り上がっている――。そんな時代に、どのような音楽メディアが可能なのでしょうか。私たちが考えたのは、徹底して音楽ユーザー=リスナーのタメになる情報を発信し、かつ、ホンネで音楽の良し悪しを語り合える「批評の場」を生み出すことにしか突破口はない、ということです。具体的には、「リアルサウンド」では作品レビューに点数制を導入し、各レビュアーが採点根拠を明示した上でズバリ採点します。掲載されるニュースやコラムについても、時にはミュージシャンにとって耳の痛い記事が出てくる可能性もあります。記事の掲載基準はひとつ。それがリスナーにとって有益かどうかです』


Melody Palette

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◉【レビュー】Negicco結成10周年のアルバムは、良質なシティ・ポップ(柴 那典)
http://realsound.jp/review/name/negicco/negicco10.html
『完成したアルバムは、様々な方向性のグループがひしめく今のアイドルシーンでも実は競争相手が少ない「良質なシティ・ポップ」路線。小西康陽のプロデュースによる「アイドルばかり聴かないで」、西寺郷太が手掛けた「愛のタワー・オブ・ラブ」などのシングル曲を筆頭に、ピチカート・ファイヴ(=小西康陽)から筒美京平を経て、70'sフィリー・ソウルモータウン・ポップに至るラグジュアリーなポップスが展開される。(中略)ただし、昨年には同じく「良質なシティポップ」路線を展開し、アルバム『PS4U』がミュージックマガジン』誌のJ-POP部門ベストアルバムに選ばれるなど玄人筋の評価を集めたTomato n' Pineは、年末で"散開"、活動を終了している。曲中にコールを入れる「MIX」やオタ芸に対応し、ライブでのコミュニケーションを主軸に独自の進化を遂げる今のアイドルポップ・シーンにおいて、NegiccoやTomato n' Pineのような音楽性は苦戦を強いられるのかもしれない。そういう意味では、本作はいわば10年後に再評価されるタイプのアルバムと言えるかも』



この Negicco 評はかなり残念なものです。編集長は「各レビュアーが採点根拠を明示した上でズバリ採点します」と宣言していますが、この音楽ジャーナリストの方は、「10年後に再評価されるタイプのアルバムと言えるかも」というまったく根拠に乏しい文章を示した上で、5段階評価の3点をつけていました。特に評価を示したわけでもないのに「再評価」って、どういう意味なのでしょう?


「玄人筋の評価を集めたTomato n' Pineは、年末で"散開"、活動を終了している」とあり、コミュニケーションを主軸にした今のアイドル・シーンにクオリティの高い音楽なんて求められていないというのが低評価の理由のようです。だとすると、これは Negicco のアルバムに対する評価ではなく、「良質なシティ・ポップ」路線を展開する Negicco 自身へのダメ出しってことになりますよね? なんだか、かなり不自然なアルバム評ですよね? こういう不自然なことが起きた場合には、あの人物の影をいつも感じるわけです。


◉「秋元康=音楽プロデューサー」という大いなる誤解(さやわか)
http://realsound.jp/2013/07/post-16.html
『秋元はその後アイドルプロデュースを繰り返していくが、やはり1986年の息っ子クラブ、1993年のねずみっ子クラブ、2001年の推定少女など、いずれのグループもAKBやおニャン子クラブほどに大成功したとは言い難い。日本の音楽シーンでは90年代後半に小室哲哉小林武史つんく♂など花形プロデューサーによるヒット作量産のブームが訪れたが、秋元康はこの流れにも乗っておらず、映画制作などに勤しんでいた。要するに秋元康は音楽プロデューサーとして、AKB以前にそこまで大きな成功を収めていたわけではなかった』


上の「さやわか」という人の文章にたいした意味はありません。ただ「AKB現象」を皮肉ったNegicco『アイドルばかり聴かないで』が収録されたアルバムに、不自然な評価が下された。そして、それと同じサイトに秋元康を持ち上げる文章が掲載された。それだけのことです。秋元康がいなくなる10年後まではNegiccoは評価されないって意味かもしれませんね。


しかし、秋元康がなにをしたかを語っても「AKB現象」の本質を説明することは不可能でしょう。最低でも「スポンサー付きのアイドル」「電通」の2つは外せないはずです。ブームが終わってもそのことだけは解明しておきたいものですよね?