ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

ももクロ、日産6万人の大岡裁き。

そろそろ 2013年を振り返る時期に来ていますよね? まずは女子アイドルから。8月に行われた ももいろクローバーZ 日産スタジアムでの単独ライブについて書こうと思います。物語は元日の UST中継から始まったんですよね。石丸電気、代々木公園など、これまでの道のりをバスで回りながら終点の国立競技場に到着。NHK紅白の次の目標として国立競技場ライブが設定されました。



これは東京ドームを経てからスタジアム・ライブというこれまでのスゴロク的な順番とは違っています。5万人収容の東京ドームを飛ばしたのには意味があったのです。東京ドームは AKB が女子アイドル No.1 であることを象徴する場所でした。ももクロの元日発表では 嵐の DVD を観て国立に憧れたという言葉がありました。つまり、女子の No.1 になるよりも、No.1 アイドル 嵐 と肩を並べる存在になりたいと宣言したわけです。しかし、国立はやりたいと言ってすぐにライブを開催できる会場ではありませんでした。


2011年までは毎年1組しかライブを行えない会場でした。そして、2008年から毎年 嵐 がライブを行っている会場だったのです。ももクロ は勝負を急がず数年先の目標を掲げたと感じられたわけです。でも、その予想は間違っていました。2月2日にサプライズ発表があったのです。


ももクロ、夏のライブ会場は日産スタジアムに決定(ナタリー、2月2日)
http://natalie.mu/music/news/84198
『元日に今後の目標として東京・国立競技場でのライブを掲げていたももクロへ向けて、日産スタジアムの担当課長・甲斐啓太氏がVTRで「実はももクロさんが国立競技場さんを目指してるって伺ったんですね。ちょっとその前にもうひと会場忘れてる所がないかなぁーと思ってるんですよ実は。私ども日産スタジアムは国内最大の72327席のお客様を収容できるスタジアムです。ももクロさん『国立競技場』さんっておっしゃる前にまずウチ埋められるんでしょうかねぇ?」と発言。それに対して5人は悔しがる様子を見せながらも、母親と「日産スタジアムでやりたいね」と話していたばかりだという高城れには涙ながらに喜びをあらわにした』


◉ジャニーズにとって「国立」が特別な理由。(2月2日)
http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20130202/1359803554


収容人数で国立を超える 日産スタジアム がライブ会場として発表されたのです。そこは 2002年のワールドカップ決勝を行うために建設されたスタジアムでした。収容人数は7万人です。B'z、矢沢永吉SMAPミスチルなど人気アーチストが単独ライブを行っている会場ですが、女子グループとしては初の快挙でした。しかし、それをなんとか阻止しようとしたグループがありました。


◉「ももクロよりも先に!」AKB48選抜総選挙が“日産スタジアム”で開催された内情(日刊サイゾー
http://www.cyzo.com/2013/06/akb48_8.html
『これについて、関係者からある内情が漏れ聞こえてきた。「実は、今年の総選挙もこれまで通り、平日に日本武道館で行われる予定でした。しかし、ももいろクローバーZ(以下、ももクロ)が、8月に日産スタジアムで単独コンサートを行うという情報を聞きつけ、慌てて会場を変更したんです。もともと押さえていた6月5日の日本武道館には、“AKB48グループ研究生コンサート”をねじ込みました」(AKB48関係者)』


姑息。いかにも秋元康のやりそうなことです。ソースはサイゾーですが、この記事がなくても事情を察する人は多かったようです。しかし、AKB の方は単独ライブどころか、総選挙イベント&48グループ総出演(260人ほど)での開催となりました。イベントで言えば、LOVE PSYCHEDELICO や ミッシェル・ブランチ も同会場でライブを行っているので女性初にはなりません。やはり、ももクロが女性初の単独ライブという記録が正しいはずです。


そういうことも考慮されたのでしょうか? ももクロの日産は不可思議な配慮が観られました。当日、私はライブビューイング、映画館での中継を観ていました。中継がスタートして驚きました。サッカーのピッチの部分に観客席が配置されていなかったのです。会場のど真ん中はサッカーのときと同じように緑の芝が広がっていたのです。



これはライブ中盤に行われた演出に関係していました。実際にピッチを使ってサッカーが行われたのです。ももクロ VS 元日本代表 でサッカーがありました。それはそれで楽しかったのですが、それでも不思議な印象を受けました。だって、ももクロのライブはチケットが取れないことで有名なのです。このライブもファンクラブ会員すら抽選で落選するプラチナチケット化していました。そこに席を入れれば観れる人は数千人増えたはずなのです。


私はまず、家に帰って横浜Fマリノスの試合日程を調べました。後日、日産で試合があり、芝を痛めないように配慮がされたかと考えたのです。芝にも優しい ももクロ とか。しかし、その次にこの会場で試合が行われるのは3週間以上先でした。やはり、純粋に演出のためだったのでしょうか?


そうではないでしょう。もしあのとき7万人動員していたらどうなっていたかを考えればわかることです。そのことを考えれば、この6万人という策がいかに巧妙なものかを理解出来るはずです。ももクロの運営は6万人にすることで、ある事態を回避しました。それは ももクロ がアイドル戦国時代の勝者になることでした。


勝者になることは簡単だったはずです。なんなら日産ライブ2日間だって出来たことでしょう。しかし、そこで勝者になった場合、ももクロがアイドル・ブームを牽引しなければなりません。AKB を倒すことで下克上を果たし「ももクロブーム」をつくることは得策なのか? ももクロはスターダストという大きな事務所のタレントですが、AKB のように電通がついてるわけではありません。



以下は私の憶測ですが、なんらかの取引があったと考えます。これ以降、アイドル・ブームについて語られるとき「AKB48ももいろクローバーZ などのアイドル」という並記がテンプレのように見られるようになりました。そして、AKBライターを中心にして「アイドル戦国時代は終わった」と語られるようになったのです。


勝負をつけないことでアイドル・ブームは継続決定となりました。ももクロ今年唯一のシングルは『GOUNN』です。仏教の世界と通じるその歌詞に「仏心」という言葉を連想するのは、さすがにこじつけでしょうか? 私はアイドル・ブームが継続したことを喜ぶできなのでしょうか? 来年は6万人が正解だったと思える出来事があることを願っています。