これはいろいろ語りたくなる曲でしょ? タイトルからしてピチカート・ファイブのアルバム『女性上位時代』を連想させますし。他にも『東京の夜は7時』とか、小沢健二『いちょう並木のセレナーデ』とか思い出すんだよね。山下達郎『クリスマスイヴ』も当然関係して来ますけど、まずは「多幸感」について。なにしろ、この曲はJ-POP三大・多幸感ソングの一つだからです。
曲の感想をネットで見てると、「多幸感」という言葉を使っている人が結構いました。特にポエトリーリーディングのとこですよね。もちろん小沢健二『愛し愛されて生きるのさ』を連想するわけですが、多幸感という意味では『ドアをノックするのは誰だ?』(1994)のテンションに近いと思うんです。でその曲を語るにはドリカムを語る必要があるんですよ。
Dreams come true『うれしい! たのしい! 大好き』(1989)は凄い曲です。この一曲で当時恋愛の教祖と呼ばれ、ミリオンセラーを連発してたユーミンを過去の人にしてしまったんですから。この曲の「多幸感」に当時大学生だった私も衝撃を受けました。そして、それ以上の「多幸感」をつくりだそうとしたのが「♪ 爆発する僕のアムール」という歌詞が登場する『ドアをノックするのは誰だ?』(1994年)だったと思うんです。その曲が収録されたアルバム『LIFE』は80万枚近い売上を記録しています。
それから15年以上が経って、まさか、それらを超える「多幸感」を持つアイドルソングが登場するなんて、想像もできませんでした。『ジングルガール上位時代』(2011)はagehaspringsの制作で、作詞は jane su と玉井健二、作曲は田中秀典です。アイドル史に残る名曲です。しかし!
最初にも書いた通り、この曲が山下達郎『クリスマスイヴ』を意識して作られたことも無視できないことなのです。しかも、タイトルはシングルガールを意識させるものなっています。嫌な予感がするじゃないですか? きっと君は来ない・・・の逆バージョン。女子がすっぽかされるストーリーかもしれないのです。なのに、めちゃくちゃハイテンション。自分の計画に自画自賛。で先程のポエトリーリーディングです。これが読まれるのは、待ち合わせ時間から1時間半近くが経過した頃です。
(WADA)クリスマスなんてばかばかしいと思った夏が過ぎて
(HINA)今すぐ会いたい気持ちが抑えられない夜を越えて
(YUI)頭をくしゃくしゃーってなでてもらえれば私は
いつでもご機嫌で
(WADA)こんなにも会いたい人がいる幸せを知ったことを
(HINA)「このまま時が止まってくれればいいな」と願いながら
(YUI)ずっとずっと隣で笑ったり泣いたり、怒ったりしていたいと思う マル♪
怖いw とことんポジティブ。自分一人で完結しています。たぶん彼氏は来ないんでしょう。と言うか、彼氏は実在するのでしょうか? いると信じたとして、彼女は何時まで待つのでしょうか? 羽海野チカ先生のマンガであれば、誰か助けに来てくれるんだろうけど。心配です。みなさんもこの曲を聴いて異常な多幸感に包まれて下さい、マル♪