「日本のアイドル業界の頂点に君臨しているのが嵐だ」とお茶の間にも浸透したのが2014年だったと市川さんは言われています。まあ、それはそうかも知れません。でも、<襲名披露の一年>という表現には引っかかるんですよ。つまり、嵐がこのままトップで居続けると市川さんは考えてるんですよね? それは困るんです。だってジャニーズのシステムが壊れるってことですから。
◉嵐が<崖っぷち>アイドルだった頃(前篇)+市川哲史がTOKIOへ“ごめんなさい”(市川哲史)
http://realsound.jp/2015/01/post-2229.html
『そして、いまやジャニーズ系のみならず日本のアイドル業界の頂点に君臨しているのが嵐だということが、ようやく日本人の共通認識として成立した年でもあった。実際、彼らはデビュー10年目の2008年に、国立霞ヶ丘陸上競技場ライヴをSMAP・ドリカムに次いで実現させると、2014年の競技場解体までに最多の15公演を開催した。セールス的にもその08年、『truth/風の向こうへ』『One Love』で年間シングルチャートの1位2位を独占すると、翌2009年にはシングル・アルバム・DVD・総売上金額と史上初の年間チャート4冠を達成。さらには同2009年から2013年の年間アルバムチャート1位を、2012年を除いて毎年獲得しているのだから、実績は問答無用だ。(中略)その交替劇はあまりにスムーズすぎて、印象的には未だSMAPがナンバーワンだと思い込んでるお茶の間がまだまだ多い、と推察できる。それだけに、「いやいや、実は嵐がトップアイドルなんですよSMAPじゃなくて」と説明・普及に努めるのに最適な機会が、この結成&デビュー15周年だったのだ。一度は通らねばならない手続きというか、まさに嵐にとってのラストピースである<ハクづけ>の一年。<襲名披露の一年>』
ジャニーズには「トップグループ制」というものがあります。1991年に光GENJI からトップを譲り受けた SMAPは人気絶頂期の2001年にトップから降りています。そして、その年 嵐のためのレコード会社 J-STORMがスタートしています。嵐がトップ就任をお披露目したのは2008年の国立でした。それまでの間に、SMAPは何度も何度も「終わった」宣言を自らしています。SMAP最大のヒットもそうです。No.1ではなくなったと歌っているのです。
じゃあ、なぜ SMAPが人気絶頂にありながらトップから降りると宣言しなければならなかったのか? それはジャニーズの繁栄を繋げるためでしょう。女子グループには、おニャン子から始まり モーニング娘。でシステム化された「卒業」があります。ジャニーズの場合、ジャニーさんが大人になっても続けられるグループを目指してメンバー選出をしていますから、「卒業」はありません。しかし、若いファンを獲得して行く必要があり、そのためトップグループ制が存在してるのだと私は推測しています。SMAP から まだ人気のなかった嵐へのトップ交代にはそんな意味があったわけです。そして、次のトップ交代はすでにスタートしているのです。