ハノイの日本人

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ジャニーズの教科書。第1章「トップグループ制」⑤

ドラマ『お兄ちゃん、ガチャ』。いよいよ次が最終回です。なんとジェシーが登場しましたw 今年デビューするのは岸優太のグループなのか? ジェシーのグループなのか? 次週それがわかるわけです。それにしても・・・ジェシーは最高ランクの「SS」でした。でもジャニーさんは本当に好きなタレントはトップグループに入れないと思うんですよ。どんな最終回になるか楽しみです。



◉ジャニーズの教科書。第1章「トップグループ制」
http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20150302/1425298187
http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20150309/1425863357
http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20150316/1426497971
http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20150323/1427104930



5. 嵐主要シングル紹介、ヒーロー誕生の物語

嵐の初期のシングルでは、「夢」という言葉が頻繁に登場している。その夢とはなにか? もちろん、SMAP のいるトップに自分たちが立つことだ。しかし、嵐のトップへの道は険しいものだった。デビュー曲こそジャニーズJr. ブームに乗って100万枚近いセールスを記録している。だが、それ以降は下降線を辿る。「♪ 悩んだ理由は忘れてしまった 僕の憂鬱を誰か止めてくれないか」と歌った通過儀礼ソング『PIKA★★NCHI DOUBLE』では、セールスも13万枚まで落ち込んでいる。主要曲を以下に紹介して行く。



◎1stシングル『A・RA・SHI』(1999.11、PC)97.3万枚
SMAPの次のトップ候補デビュー。Jr.ブームの追い風で100万枚近い大ヒット。悲惨な時代とテレビは言うが、ARASHI for dream、嵐は夢のために歌う。自己紹介ソング。


◎2ndシングル『SUNRISE日本』(2000.4、PC)40.6万枚
日出処の天子(王の血筋)として生まれた嵐は、みんなと一緒に時代を変えて行く。


◎3rdシングル『台風ジェネレーション』(2000.4、PC)36.1万枚
⇒ジャニーズでは珍しく彼女を振って旅立つ曲。英雄になるため少年は旅立つ。


◎4thシングル『感謝カンゲキ雨嵐』(2000.11、PC)36.2万枚。
⇒泣きながら生まれて来た嵐。ファンへの感謝を歌う。ありがとうソング。


◎5thシングル『君のため僕がいる』(2001.4、PC)32.3万枚。
⇒目標までの道はわからないけど、君と僕がいれば大丈夫。君僕ソング。


◎6thシングル『時代』(2001.8、PC)38.4万枚
⇒この時期に嵐にしては珍しく時代にあわせた編曲がされた曲。デビュー曲と同じく時代をテーマに歌い、嵐の成長を表現。売上枚数上昇。


◎7thシングル『a Day in Our Life』(2002.2、JS)37.8万枚
⇒嵐のためのレーベルJ-STORM第1号作品。少年隊『ABC』をサンプリング。ワンコインシングル(500円+税)


◎8thシングル『ナイスな心意気』(2002.4、JS)24.9万枚
⇒ストリート路線から一転スーツ姿でPVに登場。売上枚数激減。ワンコインシングル。


◎9thシングル『PIKA☆NCHI』(2002.10、JS)18.7万枚
⇒今は何も持っていない僕だが、君と逢う日を思って旅をする。ストリート回帰もさらに売上枚数減。


◎10thシングル『とまどいながら』(2003.2、JS)17.6万枚。
⇒売上の低迷に戸惑う。それでも忘れかけていた夢を手に入れるため、もう一度動き出す。初めて夢の中身について歌った曲。特別じゃない僕たち、でもこの手にある自由でトップを目指す。


◎11thシングル『言葉より大切なもの』(2003.9、JS)22.3万枚
⇒初体験をテーマにしたドラマ『Stand up!!』主題歌。櫻井のRAP詞がドラマの内容にあわせて通過儀礼予告になっている? 


◎12thシングル『PIKA★★NCHI DOUBLE』(2004.2、JS)13.9万枚
⇒嵐が残したダウナーな名曲。ひび割れたプライド(自尊心)という歌詞が登場する通過儀礼ソング。過去最低の売上枚数。


◎13thシングル『Hero』(2004.8、JS)25.6万枚
⇒大人になってからの1曲目で嵐が次のヒーローであることを宣言。少年から大人への物語が完成。


◎15thシングル『WISH』(2005.11、JS)30.8万枚。
⇒ドラマ『花より男子』の主題歌。ターニングポイント。握手会も開催。


◎16thシングル『きっと大丈夫』(2006.5.JS)20.5万枚
⇒嵐はライブの盛り上がりで頭角を現す。それを象徴する一曲。何度倒れても夢を諦めないと明るく歌う。


◎18thシングル『Love so sweet』(2007.2.JS)43.1万枚
⇒ドラマ『花より男子2』主題歌。


◎19thシングル『We can make it!』(2007.5.JS)20.5万枚
⇒夢と書いて「目標」と読む。トップはすぐそこにある!


◎21thシングル『Step and Go』(2008.2、JS)37.4万枚
⇒嵐の勢いを証明した曲。売上枚数もこれ以降高位安定。


◎22thシングル『One Love』(2008.6、JS)53.2万枚
⇒トップ襲名を祝う国立を前に、王として人類愛を歌う。嵐が王になるまでの物語が完成。君がすべてと歌うオンリーユー・ソングでもある。ダブルミーニング


◎27thシングル『EVERYTHING』(2009.7、JS)42.7万枚
⇒嵐が名実ともにトップに立った後で、現在の心境を歌った曲。


2004年8月、アテネオリンピック中継番組用のシングルが発売される。通過儀礼を終え、大人になって最初の曲は『HERO』だった。SMAP の位置まで登って行くことを目標に頑張って来た嵐は、ついに、自分たちがヒーローになると宣言したのだ。

 
その夏行われた日テレ『24時間テレビ』の総合司会として出演した嵐は、そこで初めてトップを取ると宣言する。番組終盤でメンバーの相葉雅紀が泣きながら読み上げた手紙には「俺らがいつも口を揃えて言ってる、トップになりたいっていう夢、絶対叶えようね」という一文があった。その手紙が読まれた次の年、メンバーの松本潤が出演するドラマ『花より男子』がヒットする。そして、そのドラマがシリーズ化し、また、二宮和也が出演した映画『硫黄島からの手紙』(2006年、クリント・イーストウッド監督)がヒットする中で嵐の存在感が高まって行ったのはご存知の通りである。



2008年9月、ついに嵐は国立でのライブを開催した。その年には、嵐初の5大ドームツアーも行われている。そのとき発売されたシングル『One Love』には「♪ 百年先も 愛を誓うよ 君は僕の全てさ」という歌詞があった。映画の主題歌とは言え、やはりこの歌詞には違和感があった。百年先も生きている人間はいない。あまりにも絵空事であるからだ。


この歌詞は国立を前にして、嵐が「王」として歌った曲ではないか? そんなことを考えた。トップ就任をお披露目する国立で、国民(ファン)を前にして百年の愛を誓う。人類愛としての「One Love」だ。例えば「君が代」にある「千代に八千代に」は、千年も八千年もという意味だ。ジャニーズ事務所は2012年で50周年だったが、その先50年、100年の繁栄の願いも歌に込めたのだろう。恐らく、最初のタイトルは『Everything』だったのではないか?

 
それから1年後の2009年7月、嵐2回目の国立を前に発売されたシングル『Everything』には、以下のような歌詞があった。

 ♪ この長い坂を越えるとき その先に何が見えたとしても
   後悔はしたくない 光灯し続け 明日を照らして


トップに立った以上、いつかは下降局面がやって来る。それがわかっていたとしても、この道を行くという宣言になっている。この歌詞を『とまどいながら』の「不確かな道探して」や『PIKA★★NCHI DOUBLE』の歌詞と比べれば、嵐の成長度合いがわかる。嵐はライブや歌詞を通してファンとの間に関係を築いて来た。嵐は現在のジャニーズ事務所のトップグループであり、現在日本で一番人気のあるアイドル・グループである。(つづく)