ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

人の生死に関わる仕事。

きょう母が死にました。私は知らせを聞き、直接遺体の運ばれた葬儀場へ向かいました。そして、湯灌、納棺などお別れの儀式的なあれこれに立ち会ったのです。凄いですね。見ず知らずの人たちに母の遺体をきれいにしてもらう。何か不思議な光景でした。


私も介護の仕事で見ず知らずの人々をお世話してきました。正直、最初はSFみたいと思ったんですよ。老人ばかりが暮らす国で、その方々をお世話する仕事みたいに。「介護」って言葉ではわかるんですけど、どうにも現実感がなかったんです。シュールなんです。しかし、もちろん現実です。人間は老いるのです。そして、人の生死に関わる仕事ですから、そういうプレッシャーは確実にありました。そうだった。私が鬱病になりかけているのも、そのことと関係してる。あれは・・・


就職してひと月が経った頃。事件があったんです。利用者さんの一人が夕方からお腹の調子が悪く家族さんが付き添われていました。夜中に意識が朦朧としてきたようだと家族さんから事務所へ連絡があり、夜勤の私が部屋にかけつけ救急車を呼びました。そして、脱水症状の可能性もあるかと水を飲んでもらいました。幸い飲んでくれたので安心しました。その後、救急車が到着して無事病院へ搬送されたんです。


朝8時に家族さんから「病院に任せて私も一旦家に帰ります」と電話がありました。なので9時に出勤した上司にも大丈夫だと思いますと報告を入れて帰宅しました。経験の乏しい私でしたが、なんとか仕事をやり遂げたと満足感があったのです。


しかし、次の出勤日にその利用者さんが亡くなられたと知らされました。驚きました。それだけではなく、上司の書いた情報共有のノートには、その利用者さんが吐血や下血をしているのに、私が放置したと書かれていたのです。「お前が殺したんだ」と言わんばかりに・・・ 怖かったです。家族さんが付き添っているんだから絶対そんなことあり得ないのに。


夜勤の仕事で、利用者さんの生死に関わる出来事と遭遇する可能性があることはわかっていました。それに対応することもなんとか可能だと感じていました。ですが、このときみたいに上司から責任追及される可能性があることを知り、私は怖くなってしまったのです。このときから徐々に心をやられていたんだと今思います。幸い、この事件のときは家族さんが「何を言ってるんですか!」と私を庇ってくれました。


本当は、母との思い出を書こうと思ってたのに。なんか違う方向で書いてしまいました。母と仲が悪かった私が、なぜ半年以上もリハビリに付き添うことになったかという話を書こうと思っていたんです。結構いい話なんですよ。でも、きょうは疲れました。また書きます。お母ちゃん、今までありがとうございました。