ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

中国資本を入れて映画を作ると・・・

銀行に用事があって行った後、出町座で映画を観てきました。『ファントム・スレッド』を観るつもりだったんですが、時間が違いました。16時台はアニメ2本。『この世界の片隅に』は3回観たので『詩季織々』を。新海誠監督作品で知られるアニメーション制作スタジオのコミックス・ウェーブ・フィルムが手がけ、日本・中国の3人の若手クリエイターが監督を務めたオムニバスアニメなんだそうです。クレジットにはNETFLIXもありました。




普段、小麦より米粉スィーツとか言ってる私に、奇跡が舞い降りたような映画でした。ビーフン・ポエム映画。主人公のビーフン(米粉)に対する熱い想いを全編ナレーションにして語り続けて行く。ちょっと経験したことない映画でした。最初の1本がそれで、オムニバス形式で『詩季織々』というタイトルであれば、4つの映画を観るのかと思ったんですけど、3つプラスOUTROって感じでした。なんて言うか中国資本が入ると、思っても見ないものが映画になるんだなって。だってビーフンだよ? まあ『タンポポ』もあるけど。


中国監督2人は、急激な経済発展という背景はあるにしても、ごく個人的な体験をもとに映画を作ろうとしてるんだなーと感じました。でも、それを見せるにはもう少し工夫が必要なのでは。これで『犬ヶ島』よりもお客が入ってるのは納得できない。やっぱりもっと嫌な奴が出てくる『ファントム・スレッド』観るべきだったな。


先ほどまで批評再生塾の中継をニコ生で観てました。このまえ課題に挑戦して、その先生の出演回だったんです。いろいろ考えました。まず私の個人的な体験をもっと他者にわかるように説明しないといけない。それはそうなんです。しかし、あまり説明したくなかった。と言うのは、説明すればするほど読んだ人がわからなくなると思ったからです。音響に対して興味がある人ほど。だから文章で理解しようとするよりも体験してほしいんです。でも、自分のためにもう少し丁寧に書きます。


◉アイドル舐めてんじゃねーぞ。
http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20180804/1533324356


今回のワールドカップで、日本のサッカーファンが痛切に感じたことがありました。「やっぱり欧州で試合に出てる選手は違う」と言うものです。10分間パス回しをして非難された試合を除いて、残りの3試合でスタメン11人に選ばれた選手は全て同じでした。その中で Jリーガーは1人しかいなかったのです。鹿島アントラーズ昌子源選手です。彼は第2戦でセネガルから徹底して狙われます。彼が日本の弱点だと分析されたからです。しかし、試合の中で成長し、互角にやりあえるようになったことで、日本は劣勢から息を吹き返すことができました。


フィジカルで劣る日本人選手はそれを補うための方法を学ぶ必要があります。そして、欧州のクラブで活躍してる選手はそれを取得できているのです。自分の得意技や高いテクニックを披露するためにも、まずは当たり負けしないであるとか、相手のスピードに対応する方法だとか、そのようなことが必要となります。


でこの前の音響の文章ですが、実のこところ、アイドルであろうが、ロックであろうが関係ありません。世界標準の音響であるかどうかという問題です。前にも書きましたが PSY『GANGNAM STYLE』の世界的ヒットが参考になります。これがヒットしてるとき、いろんな分析があったと思います。ダンスが面白くてBUZZった。空耳的に話題になった。MVの再生回数を操作した。などなど、なぜこの曲が世界でヒットしたかが分析されましたよね。でも一番大事なことは音が世界標準をクリアしていたことです。


アニメであればわかりやすいんじゃないでしょうか? 上の世代から『ガンダム』くらいは観ろよと言われて試しに観てみたが、絵柄が古くてどうにも観る気がしなかった。そんな経験はありませんか? これですよ。ほとんどのアジアの曲は聴いた感じ、音が古臭いから聴く気がしない。メロディーの音楽でなく、EDMのようなリズムとサウンドの音楽が主流になったことで余計にその古さは際立ちました。


先日も防弾少年団ビルボードのアルバムチャートで1位になりましたよね。またもや K-POPが快挙を成し遂げたわけです。いろいろ分析は可能かもしれませんが、これもK-POPサウンドが世界標準に達しているから起こることなのです。そうでないと競い合うステージにすら立てません。もちろん日本のグループである BABYMETALのヒットもそうです(日本の芸能界的事情で潰されかかってますけど)。それと同じでライブの音響も世界標準から比べてどうかという視点があると私は思っています。


まあ私が書いてるようなことは、批評というよりフィギュア・スケートの採点に近いかもしれません。フィジカルで劣っていても、強度が足りなかったとしても、批評で評価する。そういうことはあるのだと思います。私の言ってることはあまりにも快楽を中心に据えて考えていることではあるので。でも sora tob sakana は海外で成功することを念頭において活動している・・・ 例えばメジャーとの契約はアニソンの主題歌を取るためでしょう。それが世界に出るための近道という判断があったのだと思います。


「音に溺れる」をもっと言葉にしてもいいかもしれません。HIPHOP、ハウス、テクノ、音響系とかを交えて、サウンドの音楽について考えた文章で。もちろん技術的なこともあるわけだし。でも先入観が邪魔することもありますよね? こういう感覚的なことであればあるほど。みんな Maison Book Girl を観に行けばいいと思うけどな。多分、あれは偶然起こったことではないはずだから。すぐにわからなくてもその体験がどこかで生きてくると思うんですよ。まずは音に浸かってください。