ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

映画『えんとつ町のプペル』を観た。

普段であれば絶対に観ない映画ですよ。私はディズニー映画とかも映画館では観ないですし。客電がついた後、一つ向こうのカップルが「私、少し泣いちゃった」とか言ってるような映画は絶対に観ないんですよ。でも観てよかった。いろいろ面白いポイントがあった。サービス過剰な部分とか、サウンドが過剰な冒頭10分とかはきつかったけど。結構あっという間に終わった感じでした。ネタバレとか言う人は読まないでね。

 

 

むかし、お父さんから聞いた話。煙で真っ黒の空の向こう側には、綺麗な星が輝いている。その話を信じている男の子が主人公です。でも、その話を誰も信じてくれないし、それどころか「異端」として逮捕されてしまう世界。そこでの友情だったり、人間関係が描かれています。

 

ですが、そこで気になるのは「煙の向こうに星が輝いてるなんて当たり前」だってことです。少なくとも観客はみんな知ってることですよね? これがこの映画の弱点だと最初は思ってました。でもそうではないんです。真実を知っていても、誰もそのことを言わずに、騙されていることを良しとしている世界の話だったのです。まあ日本の現実ですよ。そんな世界で希望を語れるのかって話です。

 

あと、コメディアンの映画の系譜ってあるじゃないですか? チャップリンはもちろんですし、たぶん西野さんが影響を受けたジム・キャリーの『トゥルーマンショー』とか。日本でも北野武松本人志がいるわけです。その中で、感動させようと映画を撮った人は珍しいのかなと思いました。普通、コメディアンは照れがあるので。じゃあ、どうして西野さんはこの映画をつくれたか? あっ映画の監督は別にいますけど。

 

ポイントはこの映画に立派な父親が登場してることです。珍しいですよね? 最初は西野さんが少年マンガで育ったからかとも思ったんですけど、たぶん違いますよね。自分が父親になれるかどうかシミュレーションしたんじゃんないですか? 周りのみんなは家族は最高だ。子供かわいくて仕方ない。などと言っているが、自分がそんなふうに家族を持てるのか? 子供にゴミクズのように言われたらどうしよう? そもそもこんな酷い世の中で、子供に希望を語ってもいいのだろうか? それは無責任なんじゃないか? 絵本を使うことでやっと表現として自分の思う「正しさ」を伝えることができた。そんな感じだったのではないでしょうか?