ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

日本代表の人気がなくなったのは識字率の低下のせい。

 

元日本代表、内田篤人さんが、長友選手がされたような厳しい批判について「素人の言うことなんて、どうでもいい」と発言されたと聞き、カチンと来たんです。実際にスタジアムに足を運んでサッカー観戦してるファンはみんな素人ですよ。海外組にとっては、サッカー知らん奴らが偉そうにって感じでしょうけど。批判の言葉の酷さには、もちろん問題はあります。それを選手が怒っても仕方ない。でもそれ以前に監督の起用法に問題があったと思います。今回の予選では6−0で勝ったモンゴル戦も、10-0で勝ったミャンマー戦もフルメンバーで戦ったわけでしょ? ヨーロッパから呼ぶなよ。そういうことをしてたから、監督の信用がなくなったんだよ。その皺寄せが選手に行ってんだよ。

 

こっちだってな! ワールドカップ予選で盛り上がるの、そろそろ限界なんだよ! 次からはもっとゆるい予選になるのに! ふざけんな!

 

正直、私も日本代表への関心が薄れています。今回のワールドカップも行きません。そこでしか会えない友達もいるのですが。もう本気で批判しようとも思わないです。サウジ戦ではそこそこ盛り上がれましたが「ここで盛り上がっておかないと!」って思ったのも事実です。Jリーグもあるし、WEリーグもあるからね。日本代表でなくてもいいんです。いまの代表選手たちは本当に素晴らしいと思っていますけど。メディアとスポンサーに向けて勝手にやってもらったらいい。

 

実際にそのDAZNの番組を観てみると、そこまで嫌な感じはなかったです。今季、関東1部の南葛SC に加入した今野泰幸選手がゲストの回で、彼は批判に対して凄く落ち込むそうです。そういう選手は批判を無視したらいいと思います。ただ「素人」云々は観客を育てるべきポジションにいる人の発言としてどうなのか? でね、観客を育てるってことを考えたときに、識字率のことを考えたんです。これは選手も知っておいていい話です。

 

 

新井紀子著『AI vs. 教科書が読めない子供』という書籍が以前話題になりました。新井さんは AI (人口知能)が人間の脳を上回る、いわゆる「シンギュラリティ」について研究していました。しかし、それは無理だという結論に達しておられます。文章の読解をさせるのが難しいようです。AI は東大にすら合格できない。それでも AI が普通に使われるようになれば、ホワイトカラーの仕事の50%は AI やロボットに置き換わるそうです。ではそこで仕事を得るためにはどんな能力が必要か? 読解力ですよね。AIを使う側になって、足りない部分を補ってあげる。そこで先生はリーディングスキルテスト(RST)を考案されます。そのテストの結果、教科書を読めてない子供の多いことに気づかれます。それどころか識字率の問題が浮かび上がるのです。

 

 

日本の識字率は99%ということになっています。義務教育を終了した者は、識字能力があると見做されているからです。識字率の調査はしていないのです。でも教育の現場では漢字が読めない子や、自分の家の住所すら書けない子が少なからず確認されています。実際に識字率を調査したら、その数値はどの程度になるのか? 政府はまずそこから始めるべきですよね。

 

教育の崩壊は、当然サッカーにも影響してきます。これまでのサッカーファンは専門誌の記事や、SNSの文章を読んである程度知識を得てから発言して来ました。しかし漢字が読めない若者も増えているのです。批判にはそういう人たちの発言もあると思ってください。5ちゃんねるには中年しか書き込んでいないと言われます。もしかしたらその理由は、間違った文章を書くと、馬鹿にされるからかもしれません。状況は今後ますます無茶苦茶になる。まあ漢字が読めない国会議員も既にいます。それはある程度国民の現状を反映してるんです。

 

一生懸命サッカーファンを増やそうと文章を書いても、読めない人たちがいっぱいいるんです。だから、地上波テレビだけを観て、その場だけ盛り上がる人と、ある程度お金を出してでもサッカーを観たいファンとの二極化が進むのは仕方ないのです。後者を「素人」と言って切り捨てるのはやめてもらいたい。既にサッカーファンという資源は減少に転じているのだから。私もそうですが、サッカー戦術を理解しようと努力するファンも増えています。だから戦術を理解してない日本代表監督が馬鹿にされるのも仕方ない。勉強しましょう。