ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

日本のアニメが世界に売れない。

私のようにアニメのマニアでない者の場合、ハノイにいる方が気軽にアニメを見ることができます。それはベトナムにおいて著作権がしっかりと確立されていないからです。ある程度有名な作品であれば、中国経由で海賊版が手に入ります。ハノイの旧市街に行けば、長編のアニメでも全話収録されたDVD が数百円で買えるのです。しかし、ベトナム人オタクたちに「アニメのDVD を貸そうか?」と聞くと、「ネットでタダで見れるからいいです」と言われたりします。そして、以下のようなサイトを教えてもらいました。


◉crunchyroll  http://www.crunchyroll.com/


このサイトだけでなく、いろんなサイトでアニメは見放題です。それはもちろん、日本のアニメ業界に打撃を与えているようです。下の記事には、その状況が深刻であること、そして、その対策として上の「crunchyroll 」を使った新たな試みが紹介されています。


◉日本のアニメが世界に「売れない」
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0901/28/news115.html
『日本のアニメが世界で熱狂的に受け入れられる——そんな時代が、過去の物になりつつあるようだ。「2010年以降、日本アニメの世界市場は縮小する」と、テレビ東京傘下のアニメ専門チャンネルエー・ティー・エックスAT-X)取締役で、テレ東アニメ事業部長の経験もある岩田圭介さんは予測する。日本アニメは世界市場ですでに「飽和状態」で、成長の余地が見えないという。世界同時不況やネットの違法配信の影響などで、北米市場は「ぼろぼろ」、欧州市場も厳しく、中東やアジアなど新市場も期待薄。「このままでは、日本のアニメを日本の市場だけで売る一昔前に戻るかもしれない」ほど事態は深刻だ』
『日本アニメの海外進出は、「新世紀エヴァンゲリオン」(1996〜97年)を機に急拡大したという。それまでは「金髪のジェニー」や「ムーミン」といった、海外を舞台にした“無国籍アニメ”が受け入れられていたが、エヴァは日本のアニメとして歓迎され、市場を一気に広げた。97年ごろから「ポケットモンスター」が海外でメジャー作品化。02年には「遊戯王」がさらに市場を拡大し、日本のアニメは売り手市場に。「こんなものでも買うんだ、と思うようなアニメがセットで売れていった」。02年以降、「NARUTO」も世界的にヒットし、海外のティーンエイジャーや「OTAKU」層の心をとらえた。その後は「ケロロ軍曹」「ブルードラゴン」といったタイトルが海外展開を開始・準備しており、09年までは、NARUTOまでの作品が広げてきた海外ファンからのニーズを、複数のタイトルで支えている状況が続くと岩田さんはみる。だが市場はすでに飽和状態。「10年以降、世界市場が縮小するというシナリオが、容易に想像できる」。市場の飽和に加え、世界同時不況や各国の事情、動画共有サイトの違法配信が、日本アニメ輸出に暗い影を落としている』
『「危機はチャンス」——テレビ東京は今後もアニメを積極展開する方針で、ネットを活用した新たなビジネスにチャレンジしている。1月から、米国のアニメ専門動画共有サイト「Crunchyroll」で、「NARUTO」「銀魂」など「テレビ東京の最強コンテンツ」を、日本での放送の1時間後に有料配信。月額7ドルで、会員数は1万人を超えたという。日本のアニメチャンネル「AT-X」(月額1575円、4月から1890円に値上げ)の会員数は「10年かけて10万人になった」というから、1カ月弱で1万人を達成した意味は大きい。(中略)海外向けネット配信の狙いは、課金や広告からの収入だけではない。日本での放送直後に字幕付きで配信することで、「日本で放送されたアニメに1番に字幕(ファンサブ)を付けてネット配信することに命を賭けている人たち」のやる気をそぎ、違法配信の抑制することも大きな目的だ』