ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

ハチミツとクローバーはサンドイッチのことです。

台北にいたとき、フジテレビ・ドラマ版の「ハチミツとクローバー」を3話ほど見ました。原作マンガは新作が出る度に買っていました。私が住んでいた鍋横商店街の名前も登場したりして、少しくらいの思い入れはあると思います。それでも、熱心なファンと言うほどではありません。だから、別にこのドラマを見て、腹が立つとかそういうことはありません。ただ、、、



ドラマ版DVD、やっと全部見ました。最後まで見続けるのがツラかったです。最大の失敗の理由は瀬戸朝香でしょう。そう言えば、映画版「デスノート」を見たときも、瀬戸朝香がでてきた時点で、がっくり萎えたのを覚えています。案外、この人の女優としての存在感は大きいのかも知れません。それは愚鈍さ故であるのかも知れませんが…


瀬戸朝香が演じた理花さんは、原作では非常に重要な役割を持った人でした。儚さそのものといった存在で、その透明感はいつ死んでもおかしくないように感じさせるほどでした。生きることにさえ欲を持たない人だったのです。瀬戸朝香瀬戸朝香でしかない存在感ではぶち壊しです。瀬戸朝香を殺すなら、そりゃ飛行機でも落とすしかないでしょう。いや、言い過ぎました。瀬戸朝香が悪いのではありません。彼女はタレントとしての自分を確立しているのだと思います。私が言いたいのは「誰がどういうつもりで配役したのか?」ってことです(答:もちろん、化粧品の販売のためです)。そのせいで理花さんに片思いをしている真山は、「年上のきれいな女性に恋している大学生」という凡庸な存在に貶められました。花本先生も最後まで、はぐちゃんの保護者以外の何者でもありませんでした。


「花本先生は、竹本の大人版ではないか?」と私は思っていました。もしかしたら、ある時は森田であったり、真山でもあったのかも知れません。はぐちゃんに対する竹本のように、花本先生もじたばたしながら理花さんに片思いしていたのかも知れないと思っていたのです。なんにしろ、原作では花本先生が5人と一緒にいることで、物語に奥行きが出来ていたのです。しかし、ドラマでは花本先生と理花さんの関係にそのような微妙な物はこれっぽっちも感じられませんでした。花本先生を学生5人から切り離してもいました。そうすることで物語を絞り込もうとしたのかも知れません。ですが、単に物語が薄っぺらくなっただけでした。もちろん、結末を変更するためにもそうしたのでしょうけど。


ドラマ版最終回には驚かされました。「ハチミツとクローバー」がサンドイッチのことだと明かされるのです! いや、たしかに原作にもこのエピソードはありました。しかし、はぐちゃんと竹本くんの関係は、恋愛にこそならなかったけれども、たしかにあった絆を見て来たからこそ感動できたのでした。しかし、このドラマで見ると、『最終回なんだし、「ハチミツとクローバー」ってハンコでも押しとくか!』って感じでサンドイッチが登場したんですよ。少しフォローするなら、リハビリを手伝ってくれたお礼のサンドイッチですよ。たぶん、ドラマではじめてこの物語に接した人は、「ハチミツとクローバー」は生田斗真がもらったサンドイッチのことだって言うと思いますよ。


それでも、山田あゆみ役の原田夏希は素晴らしかったです。この人が大林監督の「その日のまえに」に出演しているだなんて、見たい過ぎる! パンツ一丁で走るのとか、似合うと思うけどなあw