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電気料金アップでベトナム株は全面安?

きのう、「ベトナム株情報」に電気料金9%アップのニュースが掲載されていました。「こんな不景気下に値上げなんておかしい!」と思った方も多いことでしょう。ですが、この値上げの話は昨年からずっと提案されていました。経済発展を目指すベトナムにとって、電力不足は深刻な問題です。そして、発電所を作るにはお金が必要です。しかし、インフレ懸念もあって値上げできなかったのです。今年の夏も計画停電が多発することでしょう。このままではいけないのです。ですから、政府としては積極的な景気対策を打った上で、やっと電気料金の値上げに踏み切りました。きょうのベトナム株のショック安状態は、「あんまりなんじゃないの?」と私は思います。


「アジアのエネルギー最前線」というサイトによると、ベトナムの電気料金は平均KWh当たり5セントで東南アジアで最安だったそうです。なぜ、安かったかと言うと、旧ソ連の造った馬鹿でかい水力発電施設によって、安価な電力供給がなされていたらしいです。ところが、このところの経済発展によって、電力が足りなくなりました。それで、新たに発電施設を作りたいのですが、いまの安い電気料金では赤字にするために設備を作ることになるそうです。石炭やガスの発電はこれまでよりもコストが高くなるそうで、そのためには値上げが必要なのだそうです。この値上げは妥当なものだと思います。


◉電気料金、3月1日からおよそ9%値上げ(ベトナム株情報)
http://www.viet-kabu.com/news/economy/090216022311.html
『政府首相は2月12日、2009年度の電気料金の調整及び2010年〜2012年までの市場メカニズムによる料金決定に関する決定第21号2009/QD-TTgを発行した』


ベトナムの電気料金値上げ,認められる可能性(アジアのエネルギー最前線、09年1月11日)
http://my.reset.jp/~adachihayao/index090112A.htm
『ブイシュアンク副大臣(注3)は,世界的な平均単価7セントから見て,この値上げ案は妥当だ,としている。また彼は,将来の電力不足を考えると,高い電気料金は避けられない,と言っている。水力発電所は利益を上げているが,火力の原価を相殺できるところまでは行っていない,と。現状では,投資意欲を刺激しないし,将来確実に再び停電が発生することになる,と。この値上げ案は,2008年12月15日に政府に上げられており,産業通商省MOIT(注2)は,値上げの遅れを望んでいない,と。政府は,経済情勢を見て決めるだろう。2009年のベトナム経済は複雑だ。計算を誤ると,経済への悪い影響を与えかねない。輸出が落ち込み,各企業とも生産を落としている。電気料金を決めるときに考えなければならない要素は,インフレ,為替レート,経済成長などである。原油価格落ち込みで,値上げ提案の見直しが必要かも知れない。原油は,2008年7月のバレル147ドルから,12月19日の33.87ドル,2004年2月10日のレベルまで落ちている』


フィリッピンのセブに200MW石炭火力(日刊アジアのエネルギー最前線、09年1月11日)
http://www.melma.com/backnumber_167974_4348682/
ベトナムは元々は,北の石炭火力と北のホアビン水力で,全国の電力需要を賄おうとして,北から南までの50万ボルト送電線を,1994年という早い時期に完成させている。石炭火力と旧ソ連の造った馬鹿でかい水力だから,元々の電気料金が安く,それが足かせとなって,電気料金を上げるのが非常に難しくなってきている。フーミー以来,新鋭のガス火力が南部に出現してからは,その高い原価に押されているわけだ』


2月17日(火)
ハノイ株式市場 88.01 -2.02(-2.24%) 

 売買高441万1400株/売買代金826億4200万ドン

  3営業日続落。上昇銘柄数は19、下落銘柄数は117。

ホーチミン株式市場 263.07 -9.24(-3.39%) *VN-index

 売買高1143万1791株/売買代金2151億6100万ドン

 6営業日続落。上昇銘柄数は17、下落銘柄数は133。海外投資家は売り越し。

 主な上昇銘柄は、DPRドンフーゴム、DRCダナンドム、PPCファーライ火力発電、REEリー冷蔵電気、SGTサイゴン通信技術、VNMビナミルク、VPLビンパール通商旅行、VSHヴィンソンーソンヒン水力発電、などでした。


ベトナム株情報
http://www.viet-kabu.com/news_d/general/090217040922.html