佐藤優の『自壊する帝国』がハノイのマンガ定食屋「カフェMot 」にあったので借りて来ました。この本の序章を読んで少し驚きました。2006年5月に出版された本には、以下のような記述があるのです。
- 作者: 佐藤優
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2008/10/28
- メディア: 文庫
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『ソ連が自壊しても、ロシアという復興の核となる原理があった。六十一年前、戦争に敗れた大日本帝国は崩壊した。国土はほとんど廃墟と化したが、日本という国民国家を形成する共通意識は残り、戦後それを発展させて日本人は国家と社会を再建し、世界第二位の経済大国となった。
しかし、もし国民国家として純化した今の日本がガラガラと崩れていったとしても、もはや内側から復興の核となる原理は見つからないだろう。おそらく日本人の大部分は、日本が崩壊するはずはないと思っているだろうが、国家というのはある日、突然に崩壊することもあるのだ。
(中略)
ソ連崩壊の過程で、あの地に生きたロシア人、リトアニア人、ラトビア人などが発見した「国民的生命のうちに潜む偉大なるもの・高貴なるもの・堅実なるもの」から、現下日本人が学び取っていけるものがたくさんあると私は考えている。私が見たもの、聞いたことを、可能な限り正確に記録したいと思う』
日本はまもなく内側から崩壊するだろう。その後、新たな国家を形成するために必要なものを探す。そのためにこの本を記したと、ここには書かれています。2006年の前半というと、まだ小泉内閣のときですよね。その当時だったら「日本が崩壊する」と言われても、たしかにピンと来なかっただろうと思います。中国の発展によって、日本も景気回復途中でもありましたから。しかし、今だったらニブい私にもわかります。日本の今の現状はまさに「自壊」そのものですよね。勝手に崩れて行ってます。ぐずぐずです。どうしましょうね?