ハノイの日本人

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町山さんはなぜ キムタク版『ヤマト』を擁護したのか?

きのう書いた通り『 HIHOはくさい映画アワード 』に『 Space Battleship ヤマト』が選ばれてしまいました。昨年の最低映画に認定されたわけです。もちろん、ヤマトのファンが多く、期待が大きかったという理由もあります。ですが、映画評論家 の 町山智浩さんはポッドキャストでこの映画に合格点を出されていました。「キムタク演技」にも意味があると言われていました。ジャニーズ のファンにも全部聞いてもらえばいいのですが、いろんな固有名詞が登場するので少しハードルが高いかもしれません。なので、木村拓哉 に関連した部分だけを抜粋して紹介したいと思います。その前に 『 HIHOはくさい映画賞 』を立ち上げたメンバーのひとり 柳下毅一郎さんが、どういう基準で選んでいるかを語られていました。そこから行きましょう。


映画秘宝 2011年 03月号 [雑誌]

映画秘宝 2011年 03月号 [雑誌]


◉最低映画賞を選んでいる人の思いに迫ってみた!
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110122-00000000-rnijugo-ent
『邦画の年間ワースト作を決めるHIHOはくさい映画賞の選考にかかわった、映画評論家の柳下毅一郎さんに聞いてみた。「ダメな映画は“失敗作”と“駄作”に分けられます。失敗作は、作り手の思いや情熱はあるけど、それに監督や役者の才能が追いついていない映画。(中略)「駄作というのは、話題性だけで儲けようした作品。こういう作品は『人気アイドルを起用』『テレビとタイアップ』といった企画ありきで制作される傾向が強いため、作り手の思いも情熱も失われがちなんです。同時に、芸能事務所やテレビ局などが口出しすることが増え、しばしば監督はその調整役になってしまう。結果、作品の出来に責任を負う人がいなくなり、支離滅裂な映画が生まれやすくなるわけです。はくさい映画賞で選考しているのも、こういった『何を伝えたいのかわからない作品』『映画への情熱がない作品』が多いですね」(中略)そういった駄作を選ぶことにどんな意図が?「個人的意見ですが、“仕分け”する気持ちで選考しています。駄作は、いわば無駄な公共事業。企業のプロジェクトがきっかけで生まれるので、制作側では『仕方ないから撮る』という雰囲気になりやすいんです。だから正直、駄作はなくなってほしいですね。ただ、受賞作にかかわった関係者は、最低作品に選ばれたことをほとんど気にしていないかもしれませんが…」


◉キムタク版ヤマトを観て思ったこと(町山智浩
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20101230
ポッドキャスト町山智浩の映画特電」、今回は、キムタク版「Space Battleship ヤマト」を観て思ったことを例によってダラダラ話してます』
 

柳下さんの言われていることはよくわかります。でも、それが『 Space Battleship ヤマト』にも当てはまるかはわかりません。町山さんの話を聞くと、違うような気もします。柳下さんは『ヤマト』を選ばれたんですかね? なんで、「トホホ映画」と「はくさい」を一緒にしたんだろう? 上のリンク先からポッドキャストに飛んで町山さんの話を聞くことができます。21:00 ぐらいからネタバレ含みで『 Space Battleship ヤマト』自体の話になります。この映画のダメな部分を修正しながら語られています。おもしろいですよ。21分以前は 町山さんの映画評論のスタンスを語られています。この映画の主な酷評箇所は以下のようなものです。


◉ キムタク演技 の 古代守
◉ パクリのシーンが多い
◉ セックスした


町山さんが語られた内容をあくまでも簡略化して要約してみます。酷評された点について。まず「キムタク演技 の 古代守」について、これには一応の意味があった。任務遂行のために部下を犠牲にするシーンがあり、その中で古代は成長し、「キムタクしゃべり」もなくなった。これは成長の物語だ。「パクリのシーンが多い」について、そもそも映画は過去のかっこいい映像の寄せ集めだ。その使い方もそこそこ頑張っていた。「ワープ中のセックスについて」人間、敵地に赴き 死にに行くときはセックスをするものだ。『日本沈没』でセックスしなかった草なぎくんの方が問題だ。


映画にはアダルトビデオにおける「抜きどころ」にあたるシーンが必要だ。それは観客が「これが見たかった!」と喝采するようなシーンだ。それがひとつでもあれば、その映画には価値がある。もちろん、そのシーンが映画の中でバランスのよい位置にあればなおよい。そして、この映画にはそれがあった。ギバちゃんの真田さんが素晴らしかった。ヤマトへの リスペクト にあふれていた。アナライザーとキムタクのシーンがよかった。泣けた。でも、子供を連れて来たお父さんへのサービス、お色気シーンがなかったのがダメ。森雪 のつなぎのスーツは絶対に必要だ。(以上)
 

◉『月の恋人』解読本(現在、無料で読めます!)
http://p.booklog.jp/users/wakita-a
『裏ストーリーのテーマはずばり「 SMAP から 嵐 へ」というジャニーズ事務所の現在の状況を語ったものでした。木村拓哉 は初主演作『ロングバケーション』(フジテレビ、1996年)で名実ともに人気 No.1タレントとなり、そこから快進撃をつづけてきました。しかし、それから15年が経ち、ついに世代交代の時期がやってきたというものです。ドラマにでてきた出来事のほとんどは現実に起こったことを、家具業界に置き換えたものになっています。みなさんは気づかれたでしょうか? 誤解しないでくださいね。私は SMAP がトップから転落したと言いたいわけではありません。ジャニーズの戦略上、看板を据え替えたと言っているのです。いま、嵐 が ジャニーズ の看板タレントであるとしても、SMAP の価値が損なわれたとは思いません。そもそも SMAP なしには 嵐 も存在しなかったのです。本当です。そのあたりは第2章の「そもそも 嵐 を生んだのは 木村拓哉だ」で詳しく説明します』