毎日 NHK朝ドラ『あまちゃん』を楽しんでいます。ももクロの夏菜子ちゃんもそうですけど、その子が笑ってるだけで周りの人たちを幸せな気持ちにするのがアイドルってもんですよね。下の記事は『あまちゃん』の感想を作家さんが書いたものです。こういう視点もあるのかと思いつつ、クドカンドラマのファンである私は擁護する文章を書きたいと思います。
訂正! アキちゃんのお母さんは春子ですね。書き換えます。
◉「あまちゃん」前のめり気味のクドカン脚本を女性作家が憂慮(山下柚実)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130502-00000015-pseven-ent
『岩手県を舞台に、能年玲奈演じる女子高生・天野アキが海女を目指す。やがて地元のアイドルへと成長していく物語。と、舞台も素材もクドカン的でユニークですが、『あまちゃん』には従来のNHK朝ドラには見られなかったある要素、これまでには無かった味付けがたしかに存在しています。それは、サブカルチャーを取り込んだドラマの仕掛け。もっと言えば、「インターネット」というツールを物語の軸にきっちり組み込んだ、初めての朝ドラ。そう言えるのではないでしょうか?(中略)ただし。私自身、毎朝欠かさず『あまちゃん』を観てパワーをもらっているファンだけに、あえて辛口の意見を言わせてもらうとすれば……。『あまちゃん』の中で描かれるドラマの柱は、あくまで人と人との関係。古典的なテーマです。もちろん、クドカンもそのことを強く自覚しているはず。なのにサブカルチャー的仕掛けが、それよりも目立ち過ぎたら本末転倒。(中略)たとえば、先週のこのシーン。長い間、春子を好きになれなかった、と告白する安部ちゃん。でも、春子の娘のアキを媒介にして、遠く心が離れていた二人がもう一度、心を通わす。実に感慨深いシーンです。なのに、たった1、2分間程度のセリフのやりとりで済ませてしまったのは、まことにもって残念無念。こういうシーンにこそ、時間と手間を投入するのが朝ドラの真骨頂。(中略)クドカンの脚本は、やや前のめりの速度で次々に面白エピソードを追いかけて展開している気配があります。1980年代のアイドル話、聖子ちゃんカット、なめネコといったお得意のサブカル道具を使って笑わせるシーンならば、それでいい。でも、「ここ」という重要なシーンに、ネット的な速度感はそぐわない。急ぎすぎは、思わぬ事故のもと。「前のめり」気味の速度に、ここではしっかりとブレーキをかけてほしい』
まず私の感想から。オープニングの音楽が最高ですよね。大友良英さんのイメージを覆す軽快な音楽w ノイズとかフリージャズをやってる人には思えないですよね。この音楽が間違いなくドラマのテンポに影響を与えていることでしょう。いや、もともとアキちゃんの直進的なキャラにあわせてつくられた楽曲ではあったでしょうけど。
でも、東北を舞台にしたこのドラマは、まだ震災前なんですよ。当然、その日はやってくるはずです。それ以前以後でテンポが大きく変わるはずです。それまではサクサク進んで行くでしょう。福島での復興プロジェクトを行われている大友さんが起用された理由でもあるでしょう。そのときの喪失と復興がどのように描かれるのか? そして、オープニングはそのままなのか? 非常に気になります。
さて、この作家さんはクドカンが前のめりで、朝ドラらしい人と人との関係をじっくり描く ができていないと書かれています。ネット的速度で急ぎ過ぎだと。それはすでに書いた「震災前」が理由だと思いますが、作家さんがその例としてあげられたのは、アンベちゃんとアキの母である夏子のエピソードです。街を離れるアンベちゃんは夏子をこれまで好きになれなかったと告白、そして和解するシーンが1、2分で片付けられたと指摘されました。
しかし、夏子はあくまでもアキの母親です。ドラマの中心は娘のアキのストーリーです。ですから、じっくり描かれるのは、娘のアキを中心にした話のはずです。夏子とアンベちゃんの話を見ながら、アキと親友であるユイとの関係に奥行きを与えるのが脚本家の仕掛けではなかったでしょうか?
もちろん、夏子の視点は重要です。夏子が娘のアキを見ながら、もう取り戻せないはずの過去を考え直す。それがこのドラマにとってとても重要な要素となっているのは間違いありません。それでも、2人の関係をじっくり描く必要は感じなかったですけどね。アンベちゃんの元旦那である大吉が夏子をずっと好きだったことを考えても重くなるだろうし。サブカル好きの私は、1、2分で十分と思いましたよ。
って言うか、テレビドラマってそもそもメインカルチャーなんですかね? テレビも音楽もすべてサブカルチャーでしょ? サブカルって言っただけで、なにかを指摘したような気にさせる風潮に嫌な物を感じます。みなさん、メインとサブの線引きをどこでされてるんですか?