ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

ニコ生でゲンロンCafe『アイドル論の臨界点』を観たよ。

きのうの続き。『アイドル国富論』の感想として、勝ち組マッチョである著者がヘタレ(労働者階級)を厳しいグローバル市場経済に参加させるための餌として、アイドルは有用と言ってる本なんだと思っていました。引用した文章を見たらそう思うよね? でも、ゲンロンCafeの録画中継を観たら、ちょっと違った感想を持ちました。2時間00分あたりから観ればいいと思うんですけど、アイドルで格差を隠蔽するではなく、中産階級を維持したいと境真良さんははっきり語っています。3人とも誠実に語られていて面白かったです。


◉境真良×斎藤環×松井孝治「アイドル論の臨界点」(ニコニコ生放送
http://live.nicovideo.jp/watch/lv197506030



◉『アイドル国富論』という本を読んだよ。
http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20141106/1415281461
『格差の時代とも言われるグローバル市場経済の時代に、大きな夢を見ることなしに、それでも目の前の手の届く挑戦を諦めずに続けようとしている人々。この、ヘタレているのだけど懸命にマッチョに日々を生きる態度をもつ「ヘタレマッチョ」が支えるこの「アイドルの国」において、現代アイドルはもはや社会的インフラと言っても過言ではないでしょう。そこには、崖っぷちで頑張るヘタレマッチョたちにとって必要な精神的サポートが詰め込まれています。』P202から引用


東浩紀さんも登場されて、平田オリザさんとの対話で「芸術の機能は包摂することなんですか?」と質問したと言われていました。逸脱する方に機能する場合もあるが、そういう場合、公の支援を得られなくなることもあると。芸術の2面性について。それと、アイドルの2面性で言えば、性があることでパワーがあるのに、それを隠蔽して話すという欺瞞。そんなことを話されていました。というわけで、平田オリザさんの回も観ないといけなくなりました。


平田オリザ×東浩紀 司会:内野儀「日本は『芸術立国』になれるか(ニコニコ生放送
http://live.nicovideo.jp/watch/lv197505723



そう言えば、最初に松井孝治さんが『あまちゃん』の話をされていました。私も大ファンですが、女三代記になっていたのは大林宣彦監督、原田知世主演の映画『天国に一番近い島』からのアイデアだと思ったんです。音羽信子、赤座美代子という世代の違う女性と話すことで、原田知世がある決断に導かれるというストーリーでした。きょうwikipediaで調べたら、朝ドラでも同じ原作が使われていたんですね。そう言えば、過去の朝ドラから引用したシーンもいくつか確認できました。