日本では「アイドル戦国時代」という言葉と共に2010年５月からアイドルブームが仕掛けられました。しかし、広告代理店主導で進められたそのブームには不可侵領域が存在したのです。その頂点はあらかじめ決められていました。メディア上でそれは絶対的なルールだったのです。ところが、ある２つのグループがファンの熱狂的支持を集め、その領域に近づきはじめました。一つ目のグループは ももいろクローバーZです。ライブ動員で圧勝し、「私たちがNo.1だ」と宣言すればトップに立てる状態にありました。
しかし、ももクロがそれをすることはありませんでした。その代わり「AKBやももクロに代表されるアイドルブーム」というテンプレがメディアに配布されています。２つ目のグループは BABYMETAL です。このグループは「アイドル戦国時代」に少し遅れて登場しました。さくら学院という学校をテーマにしたアイドルグループの部活動として誕生しています。
BABYMETAL はシングルを出すごとに注目を集めて行き、2012年には人気海外アーチストが多数出演する国内ロックフェス『サマーソニック』に出演しています。さらには「神バンド」という凄腕ミュージシャンをバックバンドに活動しだしたことで、別格のグループとして存在感を強めて行きました。2013年からは部活としてではなく、本格的な活動を開始し、ついには海外メタルフェスにも出演するようになりました。
BABYMETALは日本国内でしか通じない「アイドル戦国時代」を完全に飛び越えてしまったのです。面白くないのは広告代理店です。アイドルブームの中で誕生したグループなのに、自分たちのコントロールが利かない存在だからです。しかし、本当にそうなのでしょうか？ BABYMETALはアイドルブームがなければ誕生しなかったのでしょうか？
モーニング娘。のブームが去って以来、しばらく人気アイドルは誕生しませんでした。しかし、2007年になって状況は変わってきます。Perfume『ポリリズム』がヒットしたからです。Perfume はサザンオールスターズ、福山雅治などが所属する大手芸能事務所アミューズに所属するグループでした。アミューズは設立当初からアイドルとアーチストの中間に存在するようなタレントを売り出して来ました。Perfume もその流れに沿ったグループです。そして、その妹分と言ってもいい存在が今回話題のグループBABYMETALでした。
広告代理店は BABYMETALブームを阻止するためネガキャンを繰り広げました。そこには残念なことに、ももクロまでが動員されたのです。70年代に世界的人気を博したKISSとのコラボでは、BABYMETALがよくやるような童謡を挟み込む楽曲が発売されています。クオリティでは完全に落ちるものの、BABYMETALと同じくメタルをコンセプトにしたグループ仮面女子も不自然な大量メディア露出がありました。しかし、そんなネガキャンの影響はまったくなかったようです。BABYMETALは今年も快調です。アルバムの世界発売とレディングフェスへの出演が決定しています。凄いなー 一番下は伝説とも言われるニルヴァーナのレディングフェスでのライブです。
◉BABYMETAL欧州最大級フェスに日本人唯一＆史上最年少メインステージ出演
http://natalie.mu/music/news/144710
『「Reading & Leeds Festivals」は毎年8月下旬にイギリスのレディングとリーズという2都市で同時開催されるヨーロッパ最大級のロックフェス。BABYMETALは今回唯一の日本人アーティストにして同フェスティバル史上最年少のメイン野外ステージ出演者となり、8月29日にレディング公演、30日にリーズ公演に登場する。彼女たちの出演日程ではMetallicaやBring Me The Horizonらが名を連ねている』
◉BABYMETALが遂に海外デビュー US＆EU盤のリリースが決定で更なる飛躍なるか？
http://news.ameba.jp/20150415-553/
『BABYMETALが1stアルバム『BABYMETAL』のUS盤とEU盤のリリースを発表し、遂に海外デビューを果たすことが明らかとなった。EU盤はearMUSICから、US盤はSony Music EntertainmentのRALからリリース。それぞれ昨年リリースされた国内盤の収録曲に加え、ボーナストラックが2曲収録されるとのこと。EU盤の発売は5月29日にドイツ、スウェーデン、フィンランド、スペイン、6月1日にイングランド、フランス、ベルギー、オランダ、ポーランド、スイス、ノルウェー、デンマーク、6月2日にイタリアを予定。US盤は6月16日にアメリカの他、カナダ、メキシコでのリリースも決定している』
