ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

怒りはぐるぐると回り続け、いつかドーナツになる。

アイドル北朝鮮でいま、異変が起こっていると話題です。外からはよくわからないその実体をきょうはお伝えします。現地からの情報によりますと、首領さまのアイドル・グループが昨年デビューし「ヲタ」と呼ばれる領民たちの間で大人気です。このほど発売された新しいCDでは、中央テレビを使っての大宣伝も行われました。


その番組を観たヲタは「マスゲームを超えた!」「鳥肌が止まらない!」「腕ぐるぐる回り過ぎ!」などと語っており、その熱狂が報道各紙で伝えられています。アイドル北朝鮮の領民はなぜそれほど熱狂しているのでしょう? 実は新しい曲の歌詞には「♪ 僕は Yes と言わない 最後の最後まで抵抗し続ける」という言葉がありました。通常であればそのような言葉を吐いた人間は直ちにガス室行きです。


それが情報統制されず大宣伝される理由はなにか? 首領さま自らが書いた歌詞ではないかと噂されているのです。たしかにプロが書いた歌詞にしては、リズムと歌詞があっておらず勢いで押し切るにも苦しさを感じます。しかし、抵抗する人間を次々に処刑してきた人物が少女たちを使って「最後まで抵抗しよう」と歌わせる衝撃はかなりのものです。


アイドル北朝鮮最大の権力者の寵愛を受け、何不自由なく暮らす彼女たち。彼女らが伝える怒りとは何なのでしょうか? それでも民主化への期待は高まっているのです。しかし、それはあまりにも呑気な発想と言えるでしょう。昨年末のアイドルソングBEST10で首領さまのグループを選ばなかったレコード店は、卑劣な営業妨害を受け、さらに中央テレビを使ってトラブルを喧伝されています。「最後まで抵抗」した人物がどうなるかは想像するまでもないのです。サイレント・マジョリティー耐えるしかない。アイドル北朝鮮の春はまだ遠いようです。