ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

「夢をありがとう!」とは一体なんのことなのか?

試合がない日が来るとなんかホッとします。でもあと4試合で終わるのか。そろそろなんで日本代表を追いかけて来たのかについても書かなければなりません。思えば、いろんなところに連れて行ってもらいました。ハノイに最初に行ったのもオシム監督時代のアジアカップだったし。


でもね「夢をありがとう!」って言葉があるじゃないですか? 私は使わないんですよ。正直違和感がある。「夢をありがとう! 次は夏フェスだ」とか。そこまで軽くないのかもしれないけど「なんの夢を見たの?」とは思うんですよ。だってみんな3連敗予想してたじゃないですか? 夢なんてなかった。コロンビア戦に勝って初めて明るいストーリーってことが判明したわけです。視聴率も跳ね上がりました。実際、絶対に暗い旅になると覚悟していた私の旅も、飛躍的に楽しいものに変わりました。楽しい旅をありがとう。日本代表にはほんと感謝しています。


「日本代表は白馬の王子さまのヴァリエーションではないか?」と考えました。王子さまは言います。「今度ワールドカップに出るからロシアまで応援に来ないか? 最高の夢を見せるぜ」。しかし、優勝を目指すとまで言った2014年のブラジル大会では1勝もできず、最後のコロンビア戦では一方的に殴られまくり。王子さまが乗っていたのは白馬ではなくロバだとバレてしまいました。怖い話です。行って戦うまでそのことはわからない。アイドルを追いかけるのとはそこが違う。数字として結果が出る。地球の裏側まで連れ出されて、この惨事(私はブラジル行ってない)。


しかし、それでも行くのです。国をも動かすこの世界最大のお祭りに行くこと自体が、試合とは別のゲームに参加することだからです。例えば名前も知らなかった街のスーパーに行くと、そこですら声をかけられます。「日本を応援しています!」「昨日の試合よかったな!」などなど。私が何をしに来た人物か、街の人たちはしっているのです。自分がゲームの参加者であることが実感できるのです。正直面倒臭いときもある。ちゃんと登場人物らしく代表ユニ着ろやなんて絡まれたりもする。


では日本が負けると本気でショックを受けるのはなぜなのか? なぜなんでしょうね? 選手は当然ショックでしょう。彼らは普段から「ジャップにフットボールができるのか?」って目に晒されています。体格の違う相手と慣れない言語を使って戦っているのです。ワールドカップという舞台で日本が強いとこを証明するチャンスです。でも応援しに来てる私たちはなんなのか? なぜショックを受けるのか? ゲームが終わってしまった喪失感なのか? 


ショック自体もエンタテインメントですよね。それを引きずって次の大会に向かう。國分功一郎さんだったら、そっちこそが本質だと言われるかもしれない。ロシアでの日本代表の戦いは歴史に刻まれた。日本の首相が誰か知らなくても、ベルギーを追い詰めた日本代表のことは知っている。世界的にはそんな感じだと思います。3年後(チケットは1年前に取らないといけない)、またワールドカップに行きたいと思うだろうか?