ハノイの日本人

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園子温監督『愛なき森で叫べ』を観た。

 

新しい地図の映画『クソ野郎と美しき世界』以降、多作の園子温監督がなかなか映画を発表しないので気になっていました。いろいろあったようです。今年2月には心筋梗塞で死にかけたとのこと。回復されてよかったです。園さんは「全部この映画のストレスのせい」と言われてます。撮影自体には時間をかけられたようですが、企画自体は結構急ごしらえな部分があったのかもしれません。いろんな事柄が盛られすぎくらい盛られてます。ジュリーとか、島田紳助とか、でんでんと九十九一とかw

 

 

面白かったです。謎解きが大好きな私ですが、さすがに公開翌日に書くわけには行かないかな。でもいいか。自分勝手にしか生きられないって映画だった気がするし。先月、Netflixで園監督の作品『アンチポルノ』(2017年)を観たんです。これは描きたいものがはっきりあって撮った作品に見えました。で、最後が気になったんです。もがいても醜くなるだけだと言ってるように見えた。でも主演女優はボトルの中に閉じ込められてもいた。もがくのが当然。そこでモヤモヤした。でも今回の映画を観てわかりました。

 

この『アンチポルノ』という映画と今回の『愛なき森で叫べ』は対になってる。『アンチポルノ』は、撮られる対象の女優をテーマにした作品(だからスクリーンに閉じ込められてる)。『愛なき森で叫べ』は撮る側の監督自身をテーマにした作品。町山さんだったら『82/1』と関連させて話されるかもしれない。でも監督をテーマにするというところで、現在の園さんの立ち位置まで盛り込まれることになった。だから、現在の日本映画の監督であるところの園監督という感じです。というわけで、村田丈がするするっと逃げていくのは、まだまだ園さんが映画を撮って行くという宣言でもあったと思います。はっぴいえんどですねw