ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

映画『私をくいとめて』を観てきた。

 

今年は映画『私をくいとめて』から始めました。のんさんの主演映画です。原作が綿矢りさの小説なんですね。竹内力さんの事務所が制作してる。そして、タイトルを観てもわかるように、私がいま書いてる文章と同じく「孤独と暴走」がテーマでした。これは観てよかった! 面白かったよ。

 

 

昨年京都での文学フリマで私が発表したのは、映画『エヴァンゲリオン劇場版』『未来のミライ』『天気の子』に、それぞれ何が描かれているかを解読した文章でした。そして、そこに「孤独と暴走」というテーマをあるのを見つけたのです。しかし、それは2007年に起きた秋葉原無差別殺傷事件について語った書籍『「孤独」から考える秋葉原無差別殺傷事件』でも中心に据えられたテーマでした。犯人の加藤智大は「人と関わりすぎると怨恨で殺すし、孤独だと無差別に殺すし」「誰でもよかった、わかる気がする」という言葉を事件の3日前、ネット上に残しました。優れたアニメ作品は「現実」とも激しく関係しているのです。

 

 

映画『私をくいとめて』は、のんさんが主演ですから、私が取り上げたアニメのように孤独な男が暴走する映画ではありません。孤独な女が暴走する映画です。まだ探していませんが、珍しいんじゃないですか? シリアスなテーマと、のんさんのコミカルな演技がいいバランスでした。映画自体はすごく楽しめたのですが、ただこの結末で救われるのは、オタクではない気がしました。もちろん、人類皆オタクってわけではないので、それでいいのですが。(アイドルファンはコロッケ屋のオヤジに注目)。

 

アニメ作品に描かれた「孤独と暴走」については、また改めて作品を発表するつもりですが、1月17日に開催される文学フリマ京都では『「孤独と暴走」マーダーケイスブック』というタイトルで、過去の動機不明瞭な殺人事件がどのように語られたか? そして、アニメファンが悲嘆にくれた京都アニメーションの放火殺傷事件はなぜ語られないか?をまとめたいと思っています。