ハノイの日本人

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平田オリザ 作・演出『眠れない夜なんてない』を観た。

 

香川県善通寺にある四国学院のホールで、平田オリザ 作・演出『眠れない夜なんてない』を観てきました。演劇に慣れてない人でも観やすい感じで、とても面白かったです。私は1995年、就職で東京都中野区に住むことになり、区役所に住民票の手続きに行きました。区民会館の会議室で行われる、平田オリザさんの演劇の授業の告知を観たんです。平田さんの名前だけは知っていたので参加することにしました。それ以来、本などは読んでいたんですけど、演劇の方は初めてでした。

 

 

先月、上の記事をGoogle に薦められて読みました。「定年後の日本人が多数暮らす、マレーシアの保養地のラウンジで交わされる会話を見せていく群像劇」という説明を読んですぐに予約を入れました。実は私もマレーシアに移り住んだ日本人の高齢者と話したことがあります。ベトナムハノイに移り住んだとき、当時はまだ AirAsia が日本にきてなかったんです。ベトナム航空とか、少し安いチャイナエアーの台北経由で日本に帰るとかしてたんです。安くても5万円以上はしていました。数年後、AirAsia が関空に入ると同時に利用を開始。ハノイからマレーシアのクアラルンプールに飛び、そこからさらに関空へ飛ぶという方法で何度か日本に帰りました。時間はかかるけど半額くらいで飛べたんです。

 

その機内で隣にいた方と会話しました。それで貯金や、年金収入のチェックがあるものの、それさえクリアすれば、ビザなどは優遇されて長期滞在できるという話を聞きました。バンコクなどはいろいろ手続きがあると聞いてたので。劇内でも話されていましたが、1年中温暖な気候で過ごしやすいそうです。

 

タイトルが『眠れない夜なんてない』となっていますが、「夢」がテーマの一つなんです。最初は原住民の夢判断の話から雑談風に入って行くんですけど、舞台がリゾート地ですから、「夢の老後生活」とその実態を好奇心で覗き見するような感じでした。凄くゆるく入るんですけど、突然そこに「引きこもり」とか「いじめ」とか「日経平均3万円突破」とか「自粛」とか、今と繋がる強い言葉が会話中に挿入されるんです。いきなり自分と繋がるんです。ですから、日本から離れた地での「昭和が終わる」直前の1日の出来事なんですけど、それがいきなり戦中の話になったり、現代の日本の話になったり。3つの時代を横断するような劇になっています。

 

舞台には結構な人数の登場人物がいます。最後の挨拶ではずらっと舞台いっぱいに出演者が並びました。大きく分けて、シベリアに抑留されていた経験を持つ磯崎健一の家族、開発の立退のお金で古くから滞在してる三橋明と娘、現地でビジネスをやっている杉原幸三の夫妻、だいたいこの3つの家族のことが中心になってくるのですが、そこに短期で滞在する2組の夫妻や、リゾート施設のスタッフなどが登場します。夫婦関係、親子関係、そして、日本との関係などが、話されて行きます。外籠りの青年も登場します。日本ではまったく関係のなかった人々があることで突然繋がるというクライマックスも凄かったです。平田さんは四国学院で授業を持たれてるそうなので、また機会があれば演劇観に行きたいです。