ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

マームとジプシー『cocoon』を観てきた。

 

やっと舞台で観れました。藤田貴大演出、今日マチ子原作の舞台『cocoon』です。ベトナムから帰ってきて実家で暮らしているとき、BS1 かな? 深夜に衛星放送でぼんやり観たのが最初でした。終わりの30分ほどを観たのかな。

 

当時は演劇に苦手意識がありました。でも『cocoon』は私がイメージする演劇と違ったんです。動きにも、セリフにも、リズムがありました。愛知県豊橋市にある穂の国とよはし芸術劇場PLAT へ行って観てきたんです。ごくごく簡単に説明。萌えアニメみたいな風景です。女子学生の日常が描かれています。今日もわちゃわちゃにぎやかに話しているのですが、よく聴いていると、その中に血生臭いワードが紛れ込んでいるんです。これは戦時中の沖縄の話なんですよ。

 

cocoon は蛾の繭のことですね。ここでは絹糸をつくるカイコ。コクーンはシェルター的な意味、日本的に言うと「箱入り娘」みたいな意味でも使われるわけです。外界から守られた繭の中。でもこの作品の最初に、絹糸を取るのに、その繭を熱湯で茹でる話が登場しています。少女マンガ的な世界がもうボロボロにされるんですよ。凄いです。

 

まだスケジュールは半分が過ぎたところです。埼玉や北海道はまだチケットあるみたい。ぜひ。

 

 

私の感想。大体のストーリーは知っていたけど、観てて感じたのは、この舞台の中での日本兵の異質感です。正直、私が苦手と思っているような演劇の登場人物のように、リズムもクソもない存在です。正直、もう殺せばいいのにと思ってしまうような。でもその兵士を本当に殺してしまうんです。どきっとしました。この世界に男はいらんのですよ。でもそこで最初のカイコの話に繋がるんだろうな。

 

あと映画『紀子の食卓』とのつながりですよね。日常の中に戦場が紛れ込んでいる世界。このタイミングで観れたのも不思議な感じがします。いろんな人たちがいろんな理屈を持ち出して改憲しようと言うだろうけど、もう理屈抜きで憲法9条守った方がいい気がするよね。なんでも起こる時代になってんだから。戦争だって普通に起きるよ。