今回は実際に10曲リストを作ってもらいます。前回も同じ課題を出しました。挑戦された方はいるでしょうか? もし挑戦されていたら、いくつか発見があったと思います。自分の聴く力が少し上がったと思う人は、曲数を増やしてください。私も20曲のリストを作ったので、あとで公開します。前回『復習編』の文章を読んでない人は、まずそれを読んでください。「アイドル楽曲派」を名乗るのであれば、すべてのジャンルを聴かねばならない。そのことを解説しています。
新しい曲を見つけるために、いろんなリストをチェックします。例えば、Spotify では毎週水曜日と金曜日におすすめの新曲リストが公開されます。すべてチェックする。気になるアーチストがいたら、アーチストページに飛んで、他の曲もチェックする。月一回くらいはグローバルチャートや K-POP チャートもチェックする。
集中して100曲とかを一気にチェックする。そのうちどれがいい曲で、どれがイマイチな曲なのか、わからなくなってくるはず。自分の中に基準ができるまでは、100曲のうちから一番気になるサウンドのものを1曲とか2曲とか選んでください。そのくらい楽な気持ちで大丈夫です。
目標として、まずは音の質感がわかるようになる。声も含めてですが、ドラムの音、ベースの音を聴き取り、その質感を感じる。次に、ループの気持ちよさがわかるようになる。繰り返し鳴っている音を見つけ、そのリズムにあわせて頭を動かすとか、手でリズムを取るとかしてください。とにかく、この2つは絶対に身につける。それだけでも飛躍的に聴く力は向上します。
例えば Perfume『Spinning World』。素晴らしいサウンドだと私は思いました。「中田ヤスタカが作ってるんだから当然いいに決まってる」と言う人がいるかもしれませんが、でも違うのです。今回のサウンドはこれまでよりもずっといい。もし納得行かないなら、自分のリストに過去曲と今回のアルバム曲を並べて聴いてください。かなり質感が違うはずです。
もう一つ大事なこと。なるべく「いい曲」「悪い曲」の判断を早くする。私は通常2秒くらいで判断します。迷った場合にはもう少し聴く。ミュージシャンにすれば「音楽への冒涜だ!」ってことになるかもしれませんが、チェックする曲を増やすために必要です。1曲につき1分聴いた場合、100曲で100分です。1時間以上かかってしまう。それでは続けるのが難しい。
なので最初は1曲 10秒を目指しましょう。とりあえずは「いい!」と思えばリストに入れる。そして、あとでじっくり聴きながら判断します。この数秒で判断する技術が「新しい音像」を感じるのにも役立ちます。少ない音の情報で判断する訓練です。
「2秒で判断する」をもう少し詳しく書きます。まず新曲のリストを観てください。1曲目を聴きます。最初から聴きますが、そのまま聴いてると時間が経ちます。なので、すぐに30秒後くらいにクリックして飛びます。つまむ感じで1秒ずつとか聴くのです。それで判断がつかない場合は、もう少し聴きます。でも自分の好みがはっきりしてくると飛ばせるのです。
名前では判断しません。とにかく聴く。例えば、歌い方が好みではないとか、メロディ中心の曲だなとか。そうやって選別するのです。音の質感で判断できるようになれば、ばんばん飛ばせます。自分が好きなサウンドをはっきりさせるのです。私も20曲リストをつくりました。Spotify でリスト『夏期講習』を公開します。検索して聴いてください。サブスクを使っていない人は、YouTube動画で聴いてください。
リスト『夏期講習』
1. リルネード『恋愛ちゅー』
2. メトロミュー『アンチグラビティーズ』
3. Tomggg、Vira Talisa『Turn The Lights On』
4. Hinako Oomori, 食品まつり『Levitation - Foodman Rimix』
6. New Jeans『Attention』
7. 冨田ラボ『夜汽車 feat. BASI & kojikoji』
8. Leellamarz, TOIL『Don’t do That』
9. ピューパ!!『maboroshi』
10. Portishead『Numb』
11. The Velvet Undergroud『Sunday Morning』
12. 水曜日のカンパネラ『アリス』
13. 安藤鶴紗(CV紡木吏佐)『パラライザ』
14. ミームトーキョー『アニモア』
15. MY BLOODY BALENTINE『when you sleep』
16. SHOW-GO『Silver』
17. SAKA-SAMA『ライラック・ランデブー』
18. DOMi & JD BECK
『PiLOT ft. Snoop Dogg, Busta Rhymes, Anderson .Paak』
19. 坂本慎太郎『物語のように』
20. lyrical school『LAST SCEAN』
「20曲 全部わかるよ」という人は卒業です。好きなようにリストを作ってください。でも「この曲の良さがわからない」と言う人は、その曲にこだわってください。自分のリストに入れるのです。例えばミームトーキョー『アニモア』はどうですか? もっとアニメを、くらいの意味でしょうか。一番上に動画を貼りました。今年を代表する名曲だと断言します。作詞・作曲:ウ山あまね。何度も聴いて良さがわかるようになりましょう。
課題:連続100回聴いても飽きない10曲リストを作れ。
- 日本語の曲は4曲まで、最低3か国語入れる
- ロックは3曲まで、バラードも2曲まで
- 歌のない曲を最低2曲入れる
- 70年代、80年代の曲は3曲までにする
- 歌い手の男女比はなるべく半々にする
- 新曲や名曲リストをチェックし、曲を入れ替えて行く
次回、私がどのようにリストを作ったか、具体的に説明します。それまでに1度はリスト作りにチャレンジしてください。