昨日の続きです。マイクロ波攻撃で頭が痛いです。ジャニーズ事務所、新体制での記者会見。一つずつ語って行こうと思います。CMが入らないビデオニュースで観ます。
28:15 ジャニーズ事務所の名称変更はあるか?
東山社長:そのことに関しましても、議論は致しました。どうすべきなのかという。やはりこれだけの、犯罪ですから。これを引き続き名乗るべきなのか。いろんな解釈がみんなの中にもありましたし。ただ僕が思いましたのは、「ジャニーズ」というのは、もちろん創業者の名前でもあり、初代グループの名前でもありますが、何より大事なのはやはり、これまでタレントさんが、培ってきたエネルギーであるとか、プライドだと思って、その表現の一つでもいいんじゃないかと思っています。
そして、喜多川氏に関しては・・・エンターテイメントというのは、人を幸せにするためにあるもので、それがそうじゃなかったと。でもやっぱりその力を信じたいですし。たくさんの人を巻き込んで、迷惑をかけて、結果、あの方は誰も幸せにしなかったなと。なので喜多川氏と呼ばせてもらうことになりました。
30:22からは、Youtubeメディア『一月万冊』から元博報堂の本間龍が社名問題を変えないことについて、さらに厳しく質問を投げています。それに対し東山社長は、おっしゃる通りだと思いますと同意し、自分もそれを考えたと言います。しかし、ファンも含めたみんなが一丸となることを考え、いまの判断では社名を変えないとなっていると回答。こちらも興味がある方はご覧ください。
まず会社名の継続について。私は昨日の会見以降、ジャニーズ事務所を擁護することにすると決めました。ただし、昨日の会見を全て認めるというわけではありません。今後継続して問題を考えて行く上で、見守ることを決めたということです。その中で問題だと思うことがあれば書いて行きます。東山社長も対話すると言っています。
会社名継続についての上の東山社長の回答。ジャニー喜多川は犯罪者であるにしても、「ジャニーズ」の名の下に活動してきたプライドが、自分たちタレントにはあると言っています。
昼のジャニーズと夜のジャニーズがある。夜のジャニーズについては断罪するが、昼のジャニーズについて、自分たちタレントの活動にはプライドを持っている。そんなところでしょうか。だったら昼と夜を切り離せないか? ジャニーズのタレントやファンが、その継続を望む抽象概念を言語化した社名。それを考えてみてはどうか?
ジャニー喜多川は60年代後半から90年代くらいまでは、エンターテイメント業界で天才的な能力を発揮しました。しかし、私が書いた『SMAP 王の物語』では、ジャニー喜多川が一番優れていたのは、少年時代にタレントの資質を見極める能力(これが問題と関わっている可能性大)と、外部の優秀な人材を登用するセンスだと指摘しました。引き継ぐべき後者について書きます。
例えば、ジャニーズ事務所の最初の大成功例、郷ひろみ。先輩グループ、フォーリーブスのバックでダンスをさせながら露出を増やして行き、1972年に CBSソニーからデビューします。プロデューサーは酒井政利で、フォーリーブスのプロデューサーでもある彼を認めての起用です。酒井は最初のアイドルとも言われる南沙織において、少女から大人の女性への成長物語を、シングルレコードで連載する手法を、劇作家の寺山修司と考案します。これが私小説路線です。
先輩アイドル南沙織と同じ手法を使ってデビューしたのが、郷ひろみです。デビューシングル『男の子女の子』は、まさにボーイ・ミーツ・ガール。作詞は岩谷時子、作曲は筒美京平です。レコードの枚数を重ねるごとに、歌詞の中で ひろみは成長して行き、ついに『よろしく哀愁』でセックスを経験、大人のシンガーになりました。そのレコードが、70年代までのジャニーズ事務所の最大のヒット曲となっています。
このようにジャニー喜多川は、才能ある人材を登用する目利きでもありました。あとメロディ重視の日本の歌謡界において、リズム重視だったのも彼の能力の高さでした。しかし、その彼もラップ、HIPHOP は理解できなかったようです。海外チャートが HIPHOP を通過したラップ、R&B で埋め尽くされる2000年代には、ジャニーズの遅れが見えてきます。それがアジアで表出するのは2008年あたり。Wonder Girls『NOBODY』がタイなどでも大ヒットしました。K-POP快進撃の始まりです。
結局、K-POP というのは、ジャニーズ事務所のタレントを中心とした J-POP を、時代に合わせてアップデイトしたものと私は理解しています。だから現在のジャニーズ・タレントが K-POP のように見えるのも当然です。まあ堂本剛のようなタレントもいます。実はこちらの方がジャニーズの王道のようにも見えるw とにかく「ジャニーズ」という言葉を使わずに、自分たちが継続したい何かを言葉にする。それを考えてみるのはいかがでしょう?