ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

日本企業が必要としている人材とは?

都内のコンビニ、外食産業が深刻な人材不足に陥っているという話は以前から聞いていました。実際、中野に住んでいたときも周囲の飲食店などでそのことは感じられたものです。そして、状況はさらに進んでいるようです。


◉日本人が採れない(タケルンバ卿日記)
http://d.hatena.ne.jp/takerunba/20081001/p1
『正直言って、どこも日本人が欲しいんです。長くやってくれる日本人が欲しい。しかし応募がないんです。求人誌に広告出したのに、電話一本来ないなんて話もよく聞きます。特に珍しいことでもありません。空振りは日常。となると、海外の人だろうがなんだろうが、採って戦力にするしかないのですよ。従来は直接客に接し、客と会話する職、つまりコンビニであるとか、外食のホールスタッフの採用は控えていた面があるのですが、そうも言ってられない。そこでまずは中国や韓国などの、見た目は日本人とさほど変わらない人を配置するようになった。しかしそれでも足りないということで、最近はフィリピンやバングラディシュ、インドにイランといった地域の方々も結構採用しているようです。外食だと、昔はキッチンスタッフにまわして、客との接触がないポジションにしていたんだけど、最近はそうも言ってられないのでね』


さて、私はベトナム日本語教師をしているわけです。生徒のなかには、お金さえあればいますぐ日本に行きたいという子たちもいます。ベトナムでは現在、数万人単位で日本語を習っている人たちがいるそうです。ですから、そういう声は他でもあるようで、すでにベトナムからの人材を受け入れようとする動きがあるそうです。例えば、某大手新聞社は奨学金を用意して、日本で新聞配達をしてくれる人材の確保を試みているようです。


きょうはお世話になっているN先生に連れられて、某行政法人の方に会いに行ってきました。ハノイで10年以上暮らしているというその方の話は、刺激に富んだものでした。例えば、以前なら、「日本企業はこのような人材を求めている」と言ってればよかったわけですが、現在はそのような状況には、すでにないとのこと。「どうやれば優秀な人材が確保できるか?」、そのことを日本企業は考えなければならなくなっているそうです。つまり、「優秀な人材が日本企業で働きたいと考えているかはわからない」ということです。たしかに、英語を習っている人の数を考えれば、その通りだろうと思います。


ですから、日本語を教えるときに、どういった人材を育てるのか? そのこともイメージしておいてくださいと言われました。せっかく、数ある中から日本語を選んでくれた人たちです。大事に育てなければなりません。外食チェーンで働く人も必要ですし、工場で管理職になる人も必要です。もしくは、商社などで日本人と同じように働く人も必要なのです。それぞれに必要な日本語であったり、マナーであったりが求められるということでしょう。


もちろん、いまの私にそこまでの力はありません。それは学校を新たに作るというような話ですから。しかし、現状を知っておくことは必要です。まずは、底辺の拡大。日本語を話せる人を増やすこと。いまやっていることを、しっかりやるしかありません。


また、ベトナム経済のことについても教えていただきました。その方の見解では、ベトナムの経済成長はまったく順調そのものとのことです。そのときにでてきた例え話が面白かったので紹介しておきます。中国が発展しているのは、広い国土の一部、海岸に沿った地域です。それは、ちょうどベトナムの形のようだとのことw なるほど、日本で言えば、太平洋ベルトのように海岸沿いが発展しているわけです。そして、ベトナムはその海岸沿いが国土の半分を占めているのです。


その他に、ベトナムを離れて海外で暮らす人々、越僑の存在についても聞きました。300万人とも言われる越僑からの外貨送金は、今年80億ドルに急増するという予想がでています。しかも、越僑が直接持ち込んだお金を含めると、100億ドルを超えると思われます。これらはベトナムにいる親族などに送金されるものですから、「海外に資金が流出」ということにはならないそうです。これらのお金がベトナムの経済成長に貢献しているそうです。ですから、金融危機の心配はないとのこと。なるほど。非常に有意義な時間でした。いつか、その方のインタビューを掲載したいと考えています。