ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

中国経済は本当に外需依存型か?

中国の経済状況について、いつも詳しく紹介されている津上俊哉先生のブログに「中国経済は外需依存型か」という興味深い文章がアップされていました。「えっ、違うの?」って感じです。これは気になるでしょう! リンク先に飛んで全文読んでみてください。


中国経済は外需依存型か ( 津上のブログ )
http://www.tsugami-workshop.jp/blog/index.php?year=2005&month=6&categ=
帝京平成大学の叶芳和 (かのうよしかず) 教授が最近書かれた論文を送ってくださった。(中略)送ってくださった論文は季刊 「現代の理論」 誌2009年春号掲載の 「世界同時不況の突破口」 であり、既に世界経済成長の主要エンジンとなった中国経済が今年第2四半期以降V字型回復を遂げ、日本はその恩恵で輸出主導型回復を遂げる可能性があることを指摘している。いま日本経済界が期待して已まないシナリオだが、論文の随所に啓発があった。先生のお許しをいただいたので、一部を抜粋して掲載させていただく』
発展途上国は、為替レート換算のGDPは過小評価の可能性が大きい。為替レートは必ずしも各国間の財・サービスの価格水準を調整できていない。仮に貿易によって製造業製品の価格が均一化しても、労働の価格が均一化しないからである。結果的に、途上国では労働集約的サービスは相対的に価格が低くなり、GDPは過小評価になる。そのため、国と国の所得水準の比較を適切に行うには購買力平価 ( PPP : purchasing power parity) が使われる。中国は物価が安いと、誰しもが認める。為替レートは各国間の財・サービスの価格水準を調整するための道具であるから、本来なら、○○国は物価が安いと言うことはない。為替レートが物価水準の違いを十分に調整できていないから、そういうことが起きるのである。つまり、中国 (人民元) の為替レートは割安になっていると言えよう。したがって、中国のGDPは、国際価格で評価した場合より過小に評価されている。実態はもっと大きいのである。輸出入はもともと国際価格であるから、内需部門がもっと大きいといえよう』