ハノイの日本人

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関ジャニ∞ がくれたパズルを解け! 中編。

隔月連載の『ジャニーズ生涯学習』。Vol.2は「関ジャニ∞ がくれたパズルを解け!」です。今年4月に発売された関ジャニ∞ のアルバムは素晴らしい曲が満載。売上も好調だったようです。しかし、このアルバムに隠された「謎」の重要性については、いまのところ誰も気づいていないようです。そこで wakita-A はジャニ友 O さんの協力を仰ぎ、このアルバムに隠された「謎」を解き明かすとともに、ジャニーズファンすべてにとって重大なある事実をここに提示したいと考えています。前後2回で終わるはずだったのですが、1曲づつ語ってるうちにめちゃめちゃ長くなってしまいました。



——関ジャニ∞『 PUZZLE 』5曲目『ゴリゴリ』は、THE イナズマ戦隊の2人による曲、作詞 上中丈弥、作曲 久保裕行。そして、編曲はムーンライダース白井良明さん。これは、、、なにかありますか? テーマとしては「 My Way 」ですよね。SMAP俺たちに明日はある』かなと私は思ったのですが。
O さん:個人的にとても好きな曲です。「 My Way 」、、、テーマから攻めると、そうかそんな感じですね。私はイントロ聞いたときに、嵐『Happiness 』みたいだなあと思いました。思いだせないのだけれど、KAT-TUNの曲で近いものがあったような気がするのです。



——ああ、イントロが完全に『 Happiness 』ですね。シンプルなリズムで押す感じもそうですね。ライブで盛り上がりそうです。
次、6曲目『イッツ マイ ソウル (KJ3 MIX)』も作詞は上中丈弥、作曲は林田健司、編曲が CHOKKAKU です。07年10月発売のシングルをリミックスしたものです。というわけで、この曲は『パズル』のコンセプトより前に出来た曲ですね。
O さん:この曲のプロモ見ると、SMAP俺たちに明日はある』っぽいですね。どうだろう、『 KANSHAして』でどうですか? でもよーく聞くと違うか。



——同じく林田健司 作曲ですもんね。たしかに、『 KANSHAして』も彼女に振り回される曲です。関ジャニの方がマゾっぽいですけどw 
7曲目『ローリング・コースター』は、作詞 田中秀典、作曲 野間康介、編曲 大西省吾という3人です。これはお手上げです。曲調はとてもかっこよくキンキっぽいかと思うのですが、、、
O さん:この曲も好きですねえ。Wakita-Aさんにお送りするという重要な使命を頂戴し、実は関ジャニ∞のアルバムを初めて聞きました。案外、いいですね。絶賛されるの、よくわかりましたよw これはロックっぽい仕上がりではないですか? タイトルから男闘呼組『 rollin’ in the dark 』を想像しました。でもそこまでハードではない。キンキといえば『ジェットコースター・ロマンス』ですねえ。


——『ローリング・コースター』は、恋に落ちてうろたえている男という歌詞ですよね。「ギャップ萌え」もでてきますが、このテーマの曲は他のグループにもありそうな気がします。私も「ギャップ」で恋に落ちたことが何度かありますw
8曲目『 My Last Train 』は、作詞 中原明彦、作曲 マシコタツロウ、編曲 船山基紀の3人です。マシコさんは一青窈の作曲で知られる方ですよね。で、船山先生ですよ! みなさん知っていますか? 船山先生は1951年生まれなんです。もう60近いのにこの活躍。怪人ですね! 代表曲は山ほどありますが、ジャニーズでは、田原俊彦『ハッとして!Good 』『抱きしめてTONIGHT 』、少年隊『仮面舞踏会』『ABC 』、キンキ『フラワー』、TOKIO 『AMBICIOUS JAPAN 』『宙船』などなど、もう凄いですよ。
O さん:船山先生のご紹介をいただいたので、解けました。TOKIO『宙船』ですよ。タイトルは男闘呼組の『 Midnight Train 』みたいだけど、曲調は全然違います。You Tube見たら、オカケン、カッコよかった〜当然、若いし。あっ脱線。



——オカケン? ああ、岡本健一w でも『宙船』ですか? 私も最近のジャニーズの名曲ということで、『宙船』はあるかもと探したんですけど。PV 観ると確かに雨が降っていますね。あるか、、、。でも、歌詞は『 Midnight Train 』と似てるんじゃないですか? 
O さん:そうですね駅が舞台になっていて、女の子は離れて行っちゃうというところは似ています。『 Midnight Train 』は名曲です。相葉ちゃん、ニノ、松潤、斗真が演じた『スタンドバイミー』ではこれ、歌ってましたね。それ以来、ジュニアはよく歌っているみたいです。



——私は関ジャニのムード歌謡『誰より君が好きだから』と『二人の涙雨』が大好きなんですよ。その2曲が船山先生の編曲なんです。特に『二人の涙雨』の渋谷から大倉への流れにはゾクゾクするものがありますよ。O さん、『My Last Train 』はどうですか?
O さん:残念ながらムード歌謡は苦手です。しっとり歌いあげ、じっくり聞くよりも、リズムでガンガン押す方が好きです。


——まだまだ関ジャニの魅力が伝わっていない気がしますねw はい、9曲目は関ジャニの代表曲ですね。『無責任ヒーロー』です。作詞 上中丈弥THEイナズマ戦隊)、作曲 馬飼野康二、編曲 白井良明です。今度は船山先生を超える怪人の登場です。馬飼野先生、1948年生まれ61歳(?)です。代表作は、近藤真彦『ケジメなさい』、光GENJI 『剣の舞』、男闘呼組『DAYBREAK 』、SMAP 『ずっと忘れない』、キンキ『このまま手をつないで』、嵐『感謝カンゲキ雨嵐』、関ジャニ浪花いろは節』『関風ファイティング』、Hey Say JUMP 『真夜中のシャドーボーイ』などなど、沢山ありすぎます。一番最近では、前編に登場した『NYC 』の作曲ですよね。
O さん:馬飼野先生は、もう大先生ですね。音楽に詳しくない私も、お仕事はよく存じ上げています。


——実はOさんがハノイに来て、シングルを聴いたときに『無責任ヒーロー』について書いています。以下のような文章です。



◉ポストSMAP関ジャニだ!
http://d.hatena.ne.jp/wakita-A/20090518/1242662218
タイトルを見たときから、SMAP『正義の味方はあてにならない』を想像せずにはいれませんでした。しかし、CDで聴いたところ、『がんばりましょう』色の方が強かったです。そう言えば、最初から渋谷が「がんばれー!」って言っていますよねw 『がんばりましょう』がバブル崩壊後の94年9月に発売されたことは、以前にも書きました。「努力しても報われるとは限らない」そんな時代について歌われたこの曲には、「♪Hey Hey Hey Girl  仕事だから とりあえず がんばりましょう」という歌詞がありました。この『無責任ヒーロー』にも経済状況についての言及があります。以下の歌詞を見てください。「バブルがなんたら IT かんたら わかっちゃないけど 大変なんでしょう」と歌われていますよ。なんてかっこいい歌詞なんだ!


——とまあ、こんな感じです。SMAP は『がんばりましょう』でバブル崩壊後の若者の人生観を提示し大ブレイクを果たしました。『$10 』や『青いイナズマ』『KANSHAして』では、男女関係で後手を踏む男を歌ってみせました。「♪ どこかに答えがあるのなら 飛び回ることを忘れてしまうよ」と、答えがでなくても飛ぶことの楽しさを歌ってみせた『frebird 』もありました。『無責任ヒーロー』にはそれらの要素が詰め込まれた歌詞になっています。SMAP リスペクトに溢れた曲なんです。
O さん:そうか。これは『パズル』のコンセプトとは離れた曲でしょうけど、結構、この謎解きをしていると、キーワードに SMAP が浮かびあがってくるような・・・あれ!? これはまだ言わないほうがいいですかねw


——いえいえ、この曲は『パズル』のコンセプトを表した曲だと思います。この曲と2曲目『アカイシンキロウ』を聴いて、今回のアルバムのテーマが「ポストSMAP 」 だと気づいたのですから。もちろん、それだけで謎が解けたなんて言いませんよw
O さん:ううー。手ごわい! ほかに謎解きというか、聞きとるポイントはありませんか?


——まあまあ、もう少し我慢してください。あと、この曲は白井良明さんに拍手でしょう! SKA のリズムを使ったジャニーズの曲ってなにかありましたでしょうか? 私は思い出せないんですけど。SKA ほどライブで盛り上がるリズムもないんですよ。踊っていて本当に楽しいんです。東京ドームで楽しんだ人ならわかってもらえるでしょう。白井さんはこのアルバムで4曲も編曲されています。私、新宿のトークライブハウス「ロフトプラス1」で働いてたとき、白井さんと話をさせてもらったことがあるんです。サエキけんぞうさんのイベントのゲストに白井さんを呼んでもらったんですけど。そこでTOKIO の『 SOKOナシLOVE 』が大好きだと伝えました。あのサビで聴こえる鐘の音がかわいくて最高なんです。他にもアイドルの編曲をたくさんされているので、私の好きな曲をお店で何曲か流しました。白井さんは「アイドルの仕事まで聴いてくれてる人がいるなんて!」と感激してくださったんです。それから10年。さらにスケールの大きなジャニ—ズの仕事で白井さんが活躍されているのがうれしくてしょうがないです。この曲は白井さんの代表曲のひとつにもなると思っています。(動画はムーンライダーズ。右後方で激しくギターを弾いているのが白井さんかと… )



O さん:その時代のお話までしてくださって嬉しいです。充実してるなあ、このインタビュー。私はWakita-Aさんと知り合って10年以上たちますが(初対面は、新大阪駅でした)、ロフトプラス1のときにはお会いしていないんですよね。


——そうですね。O さんの旦那さんとはロフトで知り合ったんですけど。Oさんと出会ったのがなぜ新大阪か? 説明をすると長くなるので、また今度にしましょうw やっと10曲目まできました。作詞・作曲 田中秀典、編曲 吉岡たくの『ブリュレ』です。これはスガシカオですよね。『夜空ノムコウ』の「♪ ぼくの心の やらかい場所」がモチーフになっています。それだけじゃなく、同じくスガシカオの作品『リンゴジュース』ですね。
O さん:ほんと、スガシカオ! KAT-TUN の CDデビュー曲『 Real Face 』も作詞はスガシカオです。これは、どうですか?


——私、これまでの KAT-TUN の曲、まったくピンと来ないんですよ。デビュー前はもっとかっこいい曲をやっていたと思うんですけど。ファンク調のスガシカオに、ハードロック系B’z 松本をあてる。ちょっと理解できないですね。曲の出来自体もまったくセンスを感じません。なんだか古くさい感じがする。最近の曲についても、、、ちゃんとした、ディレクターが必要だと思います。
O さん:スガシカオも松本もやっつけ仕事ですかw 


——いや、KAT-TUNのデビュー曲を依頼されて、「やっつけ仕事」ってことはないと思いますけど。たぶん、注文通り作ったと思うんですよ。その注文にセンスが、、、この辺でやめとこw
O さん:『 Real Face 』は、それでもコンサートで盛り上がる曲ですよ。KAT-TUN はバラードがよくないです。あれはどうにかしてほしい。ジャニーズ全般、デビュー前の歌のほうがいい曲多い気がしますので、それは Wakita-A さんに100票くらい!!


——11曲目『咲いて生きよ』は、作曲 ma-saya、作曲 馬飼野康二、編曲 白井良明です。これは面白い曲ですね。なぜか Wink を思い出しました。アレンジが『悲しき熱帯魚』に似てるのかな? でも、よくわからないです。歌い方がマッチさんぽかったり、吉田拓郎の歌詞も入ってる気がします。どうですか?
O さん:同じく私も Wink 思いだしました。ジャニーズではあんまりピンとこないです。



——まあ、でも歌詞的には『フラワー』を意識してるのかな? 
12曲目『ギガマジメ我ファイト』は、作詞 上中丈弥THEイナズマ戦隊)、作曲 林田健司、編曲:CHOKKAKU です。これ、なんだかさっぱりわからなかったんですけど、歌詞だけ見たときにラップに見えたんです。たぶん、ラッパ我リヤの『 Enter The 我 』かな? 「我」しかあってない?
O さん:これこそ、『がんばりましょう』ではないですか?


——えっ、そうですか? (歌詞カードを見てる)なるほど、、、『がんばりましょう』の時代から10年以上経って、もう一度「努力と根性」の時代が来たって感じですか。それはいい解釈ですね。たしかに、これは「ポストSMAP 」ソングかも知れないですね。
13曲目『 情熱Party 』は、作詞・作曲 TAKESHI、編曲 TAKESHI、久米康隆です。
O さん:情熱といえば・・・『情熱☆熱風せれなーで』って、古いですね。またまた SMAP でいいですか? 『 SHAKE 』じゃないかな?と。


——うーん、、、私はさっぱりわからないです。
14曲目『ワッハッハー』は、作詞・作曲:竹森マサユキ(カラーボトル)、編曲 CHOKKAKU です。08年3月に発売になったシングルですね。これも『パズル』以前の曲ということで。
O さん:これまで全然、話題にならないV6ですが、これは『 HONEY BEAT 』 と歌詞が似ていると思いました。あれ、でも、笑って〜ってところだけかな。


——15曲目『どんなに離れてたって傍にいるから』は、作詞・作曲 SION、編曲 白井良明です。アルバム最後を締めくくる曲がなんとシオン。これはイノッチにリスペクトを捧げた曲なのか? V6の『 SUPER HEROES 』は私も好きなミニアルバムですけどね。森田剛デブラージの『DO YO THANG 』とか。
O さん:ここへきてV6だらけですねw タイトルだけ見ると、郷ひろみの『僕がどんなに君を好きか君は知らない』みたいですね。私は正直、V6を知らないのでわかりません(コンサート行ったことあるのにな)。コンセプトは SMAP『らいおんハート』を感じました。



——まあ、SION に注文出すとも思えないですし、この曲はジャニーズの過去の曲を想定して作っていないと思いますw さて、一応全曲について語り終えました。いろんな曲がありました。盛りだくさんですね。間違いなく関ジャニ∞の勝負作でしょう。
O さん:先ほど言ったように、関ジャニアルバムは初体験!だったので、勝負作かどうかは私の口からは控えます。でもこんな謎解きといった聞き方やWakita-Aさんの熱意はしっかりと理解することができました。面白かったです。


——ここでは触れなかったですけど、1枚前のアルバムの『KJ2 ズッコケ大脱走』の『Great Escape大脱走〜』では「♪ 明るい歌 口ずさんで 心 暗くなる 頑張れ 頑張れっていう声が邪魔だ」と歌われているんですよ。脱力して『がんばりましょう』と言われることすら、もう嫌っていう。ある意味、『がんばりましょう』を過去にした曲と言ってもいいかも知れません。それがあった上で、もう一度『がんばりましょう』の先を行く価値観の曲を作ろうとしてると思うんです。今回のアルバムの曲でSMAP をリスペクしつつも、、、という感じです。O さん、アルバムを通してのメッセージは伝わりましたか? 
O さん:ポストSMAP を意識したということ? こうしたお話ししていると伝わってきます。もっと心に来るには、もっと聞きこまないとダメです。パズルがこの夏の課題というのまだ続きそうですよ。


——ご結婚で忙しいときに、申し訳ないです! でも、次回はいよいよ『 PUZZLE 』の謎解き最終回です。あと少しお願いします!