きょう、私の住んでる部屋の上の階のカップルがはじめてのセックスをしたので、ここに記録しとく。もちろん、その音で起こされたからこんな時間に書いてるわけだ。とほほ。実は、上の部屋に日本人の男が引っ越して来たのは結構前のことだ。それ以来、ずーっとこの男の騒音に悩まされてきた。
こいつは１時とか、２時に帰って来るのだけど、その音がすでにやかましい。他のアパートの住人が帰って来ても気づくことはないのに、こいつだけはアパートの門に近づいただけでわかるくらいうるさい。まあ、田舎出身の素朴な人ではあるのだろう。うーん、顔はかなりおっさんなのだが、以前見たときは原色の派手な服を着ていて、それが若作りなのか本当に若いのか判断がつかない。で、こいつは３時とかに手洗いで洗濯を始める。その度に洗面台のガタン、ガタンって音がアパート内に響き渡る。建物の構造上、音が響きやすいのだ。それは本人も気づいているようだが、やはり深夜２時以降に洗濯する。この前は４時に起こされたので、次の日の朝、干してあった洗濯物を床にそっと落としてあげた。起こされた時はハサミを入れるか、殺虫剤をかけるか迷ったくらいだから、かなり譲歩した結果だ。
あと、ドアを開ける音がうるさい。ドアを閉める音はもっとうるさい。足音がうるさい。笑い声がうるさい。しかも睡眠時間が短い。４時くらいまで起きていて、10時には出勤する。私も働いているので、熟睡したいができない。毎日起こされるので寝るのが怖い。で、部屋まで行って「静かにしろ！」と怒鳴ってみた。そしたら２日くらいは静かになる。階段ですれ違ったときには「いいかげんにしろ！」と凄んでみた。11月ごろだったろうか、一旦はそれで静かになった。やっと、ぐっすり眠れると安心したのも束の間。こいつに彼女ができた。ベトナム人の女の子だ。もしかしたら、生まれて初めての彼女かもしれない。浮かれ具合がハンパない。気が狂いそうだ。
２人は同棲しはじめた。ベトナム人はたいてい年齢よりもかなり精神年齢が幼い。以前は男が深夜に帰ってくるまでは静かだったのに、それ以降はこの女の歌う『ドラえもん』を聞いたり、スキップで飛び跳ねる音を聞いたり、にぎやかなことこの上ない。朝までイチャつきながら大声で話されるくらいなら、さっさとセックスして20分程で寝てくれた方がうれしい。でも、なかなか２人はセックスをしなかった。そして、私は静かにさせるいい方法を思いついた。発狂することだ。
いや、正確には突然発狂したような大声をだすことだ。ホラー映画で観るような「ギ・ヤ・アー!!! 」って感じの声だ。これは効いた。今までに２回ほど試したが、その度ごとに確実に静かになった。ただ、自分のテンションが上がるので、その後もほとんど寝付けないのが難点だ。でも、たしかにここ数日は静かな日が多かった。たぶん、私の部屋の下の階に住んでる男（上の男の同僚）も巻き添えにしたからだろう。私の大声で確実に彼も起きてるはずだ。かわいそうだが、しょうがない。こいつもあいつのうるささを知っているはずだから。ついに迷惑行為をやめさせることに成功した。関係ない人間にはいくら迷惑をかけても平気な人間は、そいつの周りの人間を巻き込めば迷惑行為をやめる。発見だ！
しかし、その静かな日々もきょうで終わった。これからは毎日のようにセックスの音で起こされるのだろう。このアパートのベッドはかなりキシむのだ。まあいい。そんなに嫌な気分でもない。まあ早く終わらせてくれ。２時くらいまでなら我慢するよ。それまで起きて聞いてるから。
