ハノイの日本人

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ジャニコノ36. KinKi Kids『 薄荷キャンディー 』

松本隆さんが書いた KinKi Kids の作品を取り上げてきました。ですが、モタモタしてるうちに 松本隆さん自身の解説が行われてしまいました。まだ、読んでないことにして準備していた文章をまとめました。今回は『このまま手をつないで』と『薄荷キャンディー』を取り上げます。これで全9曲を取り上げたことになります。そして、今回のテーマは「永遠」です。



『このまま手をつないで』に出て来ましたよね? 「好きな言葉は永遠」。この曲で「永遠」という言葉は、まだ「あこがれ」として描かれています。この曲は1998年に発売された『 B Album 』に収録されている曲ですから、恐らくデビュー当時から、松本さんは「硝子の少年」が成長して「永遠」と呼べるような関係を作れる大人への成長を描くと決めていたのだと思います。


『硝子の少年』で儀式として「少年」を殺し、その次の松本作品『ジェットコースター・ロマンス』では成長した「男」になっています。「君を愛してる 守る誰かができた時に 男って強く変われる」です。そして次の『このまま手をつないで』以降、「永遠」だったり、それに準ずる言葉が登場するようになるのです。


例えば『シンデレラ・クリスマス』では「この愛だけ永遠」。『 Happy Happy Greeting 』では「夢はまだ小鳥さ 大事に育ててゆこう いつまでも」。『ボクの背中には羽根がある』では「ずっと君と生きてくんだね 胸に頬寄せて確かめる どんな辛い未来が来ても 二人だったら乗り切れるさ 嘘じゃないよ 今“優しさ”に触ったみたい」です。どれも継続した関係をつくろうとする歌です。そして『薄荷キャンディー』では、こうなります。


  ♪可愛い くせいして 芯がある
   未来を預ける価値のあるひとさ
   嘘じゃない 君しか映らない


どうでしょう? 『ジェットコースター・ロマンス』から『薄荷キャンディー』までは、順調に成長を感じさせる歌詞になっていますよね? もちろん、この登場人物2人が同一人物かどうかは問題ではありません。キンキの2人が歌う物語が連続してたという話をしているんですから。


『硝子の少年』の文章でも書いたことですが、光GENJI で起きたバブルがありました。『ガラスの十代』から『 Diamondハリケーン』までのわずか半年程の間で「ガラス」が「ダイヤモンド」に化けたのです。そのバブル崩壊が「ジャニーズ冬の時代」を引き起こします。それに怒りをおぼえていた松本隆さんは、自らが生みの親である「硝子の少年」にまっとうな「成長」という物語をやり直しさせたんだと思います。KinKi Kids の97年のデビューから、その物語は10年以上続いていたはずです。しかし、終わりは突然やってきました。『スワンソング』で物語はいきなりのエンディングを迎えたのです。どうしてか? 謎は深まるばかりです。