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人民元切り上げは遠のいたのか?

先日のオバマ大統領による「一段と市場原理に基づく為替レートへの移行」という中国への要求にはがっかりさせられました。中国は外圧がかかればかかるほど、それに反発することが知られているからです(日本とは逆なんですよねw )。案の定、それに反発する発言がきょう温家宝首相からありました。まるで、コントみたいです。でも、どうやらそんな単純な話ではないようです。津上俊哉さんの blog に今回の件に関するコメントが書かれています。追加で広瀬隆雄さんの blog の解説も。なるほどー。アメリカ酷いな。


◉中国首相が人民元切り上げ圧力に反発、米国非難も
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-14331120100314
『温首相は、米国や他の主要国が人民元の切り上げを求めていることについて、有益ではなく、保護主義的だとし、中国として独自の為替改革を推進する方針を強調。「国家が互いを非難し、さらには強制的な方法で為替相場の切り上げを求めることに反対する。そのような方法は人民元相場の改革には有益でない」とし、「人民元が過小評価されているとは思わない」と述べた』
 

◉出口のない人民元レート調整問題(津上俊哉)
http://www.tsugami-workshop.jp/blog/index.php?categ=1&year=2005&month=6&id=1268586380
『米中両国は2月末から水面下折衝を続けてきた筈だが、恐らくもの別れに終わりつつあるのだろう。11日にオバマ大統領が再び公開の席で人民元問題に言及した。(中略)これに対して今日、温家宝総理が米国の求めに応ずるつもりがないことを明言した。(中略)さて、両国の最高レベルが噛み合わない立場を表明し合ったことで、表向きは平穏に(水面下に限定して) 推移してきたこの問題も、今後はホットな政治問題化していくだろう。上記のクルーグマン教授やシューマー上院議員の発言は今後の米国政界、論壇の風向を予見させてくれる。こうした動きを受けてか、いよいよ香港のNDF (Non Deliverable Forward;人民元の1年先物に相当する) 指標が上昇し始めたという。筆者はreal timeデータを見る術がないが、報道によれば8日時点で1USD=6.62 に上昇してきている由だ (1年後は現状より3.12%上昇との判断)』
 

◉中国株が背負う三重苦(外国株ひろば、広瀬隆雄)
http://markethack.net/archives/51518046.html
『貿易の問題を別として、単なるインフレ抑制という観点から物事を考えれば、サッサと人民元を切り上げてしまった方が中国にとっては有利です。でもそう決め手かかる前に少し現在の状況をチェックしてみると、必ずしも人民元の切り上げ有利とは思えない点も浮かび上がってきます。(中略:なるほどの説明なのでリンク先へどうぞ)さらに言えばここへきてアメリカ政府は中国が人民元切り上げの腹を決めようとするタイミングを見計らって、狙い澄ましたかのように「中国は為替操作していて、けしからん」と中国人の面子を潰すコメントを出してきている観があります。もちろん、中間選挙対策とか、そういう国内事情も関係していることは間違いありませんが、その余りのタイミングの良さに(ひょっとして、オバマ政権はわざと人民元切り上げのタイミングを遅らせようとしているのではないか?)と勘繰りたくなるほどです。つまり選挙はまだまだ先の話なので、今、中国が人民元を切り上げて、問題児でなくなってしまえば、選挙戦たけなわのときに中国という格好のスケープゴートを失ってしまうのです。中国が外圧に屈することをよしとしないことを計算の上で、わざとそういう嫌がらせをする米国の態度は卑劣ですね』