ハノイの日本人

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『青の炎』と『フリーター、家を買う。』は関係があるのか?

バンコクから来た Mさん、Kさんがハノイから帰るときにくれた小説『青の炎』を読みました。バズの待ち時間に読み出したら、おもしろくて最後まで一気に読んでしまいました。映画版では 完全犯罪を企てる 17歳 の少年「秀一」を 二宮和也 が演じています。


青の炎 (角川文庫)

青の炎 (角川文庫)


『青の炎』のストーリーを簡単に説明すると… 高校1年生の 秀一 は母と妹と3人で幸せに暮らしていました。ところが、ある日3人の住む家に 母の再婚相手で、すでに大金を支払うことで離婚が成立していた ロクデナシ の男が入り込み、居着いてしまったのです。飲んだくれの大男が来て以来、家族は不安と苛立ちでまともな生活を送れません。主人公は 妹が襲われるのではないかと常に神経を尖らせています。しかし、母は男を嫌がっているものの、なぜか男を追い出そうとしません。そこで、秀一 は自分が男を殺すしかないと考え、完全犯罪を計画します。それしか 母と妹を守る方法はないと考えたからです。そして、計画を実行に移して行くのでした。


とまあ、こんな感じなのですが、とても丁寧に書かれた作品で、実際に読んでもらった方がいいと思います。1997年に起きた『神戸連続児童殺傷事件』では、14歳の少年が犯人でした。当時、子供から「どうして人を殺してはいけないの?」と聞かれたらどう答えるか?という話がよくされていました。この小説はそれに回答になっているように思いました。どんなに正しい理由があったとしても、殺人者の行く末には不幸な結末しかないと。


フリーター、家を買う。

フリーター、家を買う。


そこで、『フリーター、家を買う。』ですよ。原作者の 有川浩 さんのファンからは、ドラマ化が発表になったとき、「なぜ、他にいい作品がたくさんあるのに、これ?」という書き込みも多数見られました。この小説を私は読んでいないのですが、ドラマを観た限りの感想で言うと、『青の炎』と真逆の話になっていますよね? 母を守る為に主人公が頑張るのは一緒ですが、その方法はずいぶん違います。「殺してやりたい」と実の父に対して、殺意を抱くにしても、実行するところからは遥かに遠いところにいました。まあ、ファンタジー的なストーリーでしたから、比べてもしょうがないかもしれません。ところで、この 有川浩 さんという作家は女性だったんですね。しかも、高知出身。知りませんでした。


◉作者の読書道 第68回:有川 浩さん
http://www.webdoku.jp/rensai/sakka/michi68.html


◉作家の読書道 第77回:貴志祐介さん
http://www.webdoku.jp/rensai/sakka/michi77.html