ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

PSY、BABYMETAL、ピコ太郎。

現在、2016年のアイドルソングBEST10を選んでいます。今年もいい曲がたくさんあって、どれを選ぶかでかなり迷っています。でも、その前にやるべきことがありました。「BABYMETALの成功をどう理解すればいいのか?」です。BABYMETALのアルバムが坂本九以来、53年振りにビルボードTOP40にランクインしたニュースが今年ありました。数々の人気アーチストが挑戦したアメリカ進出で、久々に成功するグループが登場したわけです。


彼女たちの海外展開は間違いなく日本音楽史に刻まれる大成功なんですが、海外の人たちにとって何がそんなに新しかったのか、よくわからないのです。正直、欧米の研究者の文章によって「そういう解釈なの?」って数年後に驚く感じかもしれないですよね。もしくは、フォロワーとも言うべきグループが海外から登場した時点で、なるほどと思うのかもしれません。


アイドルソングは元々どんな音楽にのせて歌ってもいいものです。ですから、本格的ヘヴィーメタルで歌うアイドルがいること自体は、日本のアイドルファンにとって驚くべきことではありません。しかし、BABYMETALが登場して、海外に出て行く過程での楽曲の変化はなかなか示唆に富むものです。私は海外に出て行く前のジャンクの集積とも言うべき楽しい楽曲が好きでした。現在はその存在にリスペクトしつつも、世界のマーケットに向けて脱色された楽曲に興味を持てないでいます。その違いは『いいね!』(2012年)『KARATE』(2016年)を聴き比べてもらえばわかるでしょう。




興味が持てないと言いつつも『KARATE』の圧倒的な強度にはひれ伏す以外にありません。かっこいいですね。それに拮抗する中元すず香のボーカルもさすがです。現在の No.1アイドルはBABYMETALだと思います。なのに、その凄さがまだ言葉にされていないわけです。このまま書き終えるのも嫌なので、ちょっとした比較をしてみます。PSY、BABYMETAL、ピコ太郎です。




K-POPの歌手 PSYが人気を呼んだのは2012年でした。こちらはビルボード・シングルチャートの1位です。当時は、EDMというジャンルが世界に行き渡り、その中でアジア人の変な男が歌うコミカルな曲ということで話題になったわけです。ここで重要なのは、PSYの『GANGNAM STYLE』の音が世界標準に達していたことだと思います。サウンドの仕上げでは欧米の人材が登用されたことでしょう。音:笑い=7:3くらいの感じですかね。


一方こちらも2016年に大ヒットしたピコ太郎ですが、こちらは逆に音:笑い=3:7くらいだと思うんです。安っぽい音の割に、音の割合が大きいでしょうか? それはこの曲がリズムネタだからです。私が最初にこの動画を観たのは、ジャスティン・ビーバーが面白いとツイートしてるというニュースをネットで観た直後でした。記事は読まなかったので誰が歌ってるとかまったく知らない状態でした。


MCハマーのようなおっさんが、中学生英語で一生懸命わけのわからないことをしてる。面白いと笑いつつも、どこかからこんな人物が出て来たのかと不気味に思ったことを覚えています。あとでお笑い芸人の古坂大魔王だと知り、驚きました。いま世界中にブロークン・イングリッシュを話す人たちがいて、その人たちが好きなユーチューバーを探しているのでしょう。その中で浮上したのがリズムネタだと思うんです。たぶん、他の国でこのジャンルはないんじゃないですか?


PSYのヒットはEDMバブルのなかで起こりました。そして、ピコ太郎は日本が誇るリズムネタの最初の世界的ヒットだと思うのです。では、BABYMETALはどうでしょう? 『KARATE』を観る限り、音:笑い=9:1くらいですかね? いや、本格的メタルサウンドにのり、子供が歌っているという笑いがあるのだろうか? 日本人アイドルファンには笑いの要素を削ぎ落とした曲に観えるんですけどね。