ハノイの日本人

アイドル、ジャニーズ、サッカーなど。

『この世界の片隅に』が突然わかる。

義理のお姉さんの存在を見誤ってました。コメディとか、大家族的なドラマによくいるキャラクターくらいにしか思ってなかったんです。全然違った。彼女は「モガ」だったんですね。モダン・ガール。この物語に登場する恐らく唯一の「近代人」。彼女だけが自分で選ぶことをすずさんに要求してたんです。だからこの映画のラストはオープン・エンドではありませんね。そして「近代人」が戦中どれだけ酷い目にあってきたかをお義姉さんは象徴してたんですね。



戦後、周作が広島で職を見つけてこっちに住むかとすずさんに聞きます。でも、すずさんは呉は自分で選んだ場所だからと答えるのです。しっかり自分自身の判断ができる「個人」になっているんですね。「最後の一人まで戦う」というような空気に流されない人になっていました。でもどうなんだ? 核家族化を拒んだことで戦後を批判してるとも言えるのだろうか?