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食糧危機はなぜ起こったのか?

WIRED VISION国連食糧農業機関(FAO)が報告した、バイオ燃料が食糧価格に与えた影響が紹介されています。ベトナムでは米の輸出禁止措置もありましたし、タイでは暴動もありましたよね。日本でも穀物の輸入を請け負っている商社が悲鳴をあげていました。ところが、食糧価格の上昇原因はバイオ燃料以外の要因が大きいようです。


バイオ燃料「食糧危機への影響は少ない」
http://wiredvision.jp/news/200811/2008111223.html
『とりわけ重要なのは、バイオ燃料を非難すると、いま引き起こされている食糧危機には欧州や米国の長年にわたる農業補助金が影響している、という事実が曖昧になってしまうことだ。「食糧価格の非常な高値による危機を招いた理由の1つに、発展途上国での[農業]投資がほんのわずかしかないということがある」と、Pinstrup-Andersen氏は言う。「[発展途上国]諸国は、生産にかかるコストより安い価格で食料を輸入することができた。それは、米国と欧州連合(EU)で実施された手厚い農業補助金のおかげだ。生産過剰分が国際市場に投げ売りされたのだ」この結果、食糧価格は歴史的な低さにとどまり、より中央管理型の食糧システムが生まれたが、一方で、発展途上国では国内農業が減少し、世界の食糧供給量が縮小したときに不足を補うことができないという状態も生まれた』

『今回のFAOの報告書でさらに重要かもしれないのは、現行のバイオ燃料が農家への補助金なしでは儲けが出るように生産できないという点だ。エタノール生産者は、逃げ場のないジレンマに陥っている。石油の値段が上がると、おそらくエタノールはさらに高値で売れるだろうが、一方で石油の高値は、エタノールの原料になるトウモロコシの生産コストを押し上げる。石油価格とトウモロコシ価格とのこうした関係は、儲けの出るクリーンなエタノール産業は不可能であることを意味している、とFAOは論じている』