ハノイの日本人

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クルーグマン先生に会えて光栄です!

ノーベル経済学賞を取ったクルーグマン教授が、先月アジア各国を訪問されていましたよね。日本では与謝野馨、財務、金融、経済財政大臣と会談されています。その模様がどういうわけかテレビで放映されたようです。けっこうな衝撃映像でしたよ。飯田泰之さんの blog で紹介されていました。



クルーグマンがわかっていないこと(こら!たまには研究しろ!!、飯田泰之
http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20090531
クルーグマンのTV出演がyoutubeに落ちてました!#1と#2は戸越銀座で遊んでいるだけなんですが,冒頭のベビーシッターモデルの説明は思ったよりまとも.本編は#3と#4の与謝野大臣と吉川先生との対談です』
『んで,懸案のクルーグマンが「わかってない」点は何か.それは日本のお役所様のすごさです.何らかの外圧で日本銀行がインフレーションターゲットを宣言したとしても,その目標インフレはけして達成されないでしょう.上からどんな命令が降りてきてもやりたくない政策はやらず,「やってみたけどダメでした」と言うことになりかねない』


4分あたりから重要な話になっています。2003年日本は「失われた10年」からの回復の兆しがでてきていた。しかし、金融政策で失敗した(日銀の早過ぎるゼロ金利解除)。それで現在「失われた25年」に突入中だそうです。25年ということは、2015年までダメってことですね(でも、2015年に復活する理由ってなんなんでしょう?)。それでどうするか? クルーグマン教授は「インフレ・ターゲット」の導入を提案されています。そして、インフレを起こすくらいの財政出動が「失われた25年」から脱出する手立てということらしいです。


しかし、それには与謝野大臣は反対しています。2〜3%のインフレならいいが、それをコントロールする手立てがないと。それに対して、クルーグマン教授は「インフレに対する恐怖を誇張しすぎている。それは大洪水の真ん中で火事の危険を叫ぶようなもの」と言ってました。で、下の動画に移って、そこからがめちゃめちゃ面白いので少し文字起こしを。クルーグマン教授は「日本はもっともっと積極的な金融政策を取れ」と言いました。それに対して大臣は「私は日本銀行ではないんで…」「でも彼らと話さないとダメでしょ?」「もちろん、よく話していますけども…彼らは我々の期待以上に非伝統的な非正統的な政策を取っています。彼らにこれ以上期待して、ルースマネタリーポリシー(自由な金融政策)を取れということは、ほとんど無理なことと思います」といった感じでした。なんで、3役も兼ねている日本経済の司令官が、ここまで人ごとのように話してるんですかね? 



そして「我々が作った政策は金融と需要を作り出すと。この2つしかありません」と大臣は言うんです。で、テレビの映像ではクルーグマン教授の著書が大写しになって、「ここに書いてあります!」って。まあ、そんなものかも知れないですけど。それだけじゃなく、「私は今度の経済対策をクルーグマン先生の本に合致するかどうかいつも考えていましたから、今日お目にかかれて非常に光栄です」って、軽い!軽過ぎるだろ、あんた! 与謝野は本読んで勉強してるだけの役立たずってことですか?


でも、みんなが一番聞きたいのは、じゃんじゃん積極的な財政出動をしたあと、米国債は大丈夫なの? ハイパーインフレは本当に来ないの? ってとこだと思うんですけど。それ聞いておかないと、やっぱり「じゃんじゃん使えー!」とは思えないですよね。撮影のあとに、話したのかな?