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関ジャニ∞ がくれたパズルを解け! 完結編。

隔月連載の『ジャニーズ生涯学習』。Vol.2は「関ジャニ∞ がくれたパズルを解け!」です。今年4月に発売された関ジャニ∞ のアルバムは素晴らしい曲が満載。売上も好調だったようです。しかし、このアルバムに隠された「謎」の重要性については、いまのところ誰も気づいていないようです。そこで wakita-A はジャニ友 O さんの協力を仰ぎ、このアルバムに隠された「謎」を解き明かすとともに、ジャニーズファンすべてにとって重大なある事実をここに提示したいと考えています。やっと、ここまで来ました。完結編です。これまでの文章については、カテゴリー「ジャニーズ」をクリックしてください。



PUZZLE

PUZZLE


——さて、前回まで関ジャニ∞のアルバム『PUZZLE 』について1曲ずつ語ってきました。今回はいよいよアルバムを貫くメッセージについてです。私も O さんにこの「謎解き」を持ちかけたときは、まったくわかってなかったんです。なんとなく、なにかありそうだという勘だけでした。だから、前編を終えたあたりで「謎」がわかったときには震えました。ちゃんと、『 PUZZLE 』の答えがあったことにです! 
前編の最後にも3曲目までで謎が解けると言いました。1曲目『1秒KISS 』は、「たのきん」+TOKIO でした。2曲目『アカイシンキロウ』は完全に SMAP ですね。TOKIO は置いておいて、、、TOKIO が入っているのは、The Good-bye 『気まぐれOne Way Boy 』のカヴァーを彼らがしているからだと思います(アルバム『 TOK10 』 )。しかも、そのときのプロデューサーがキングクリムゾンのメンバーでしたから。ま、それは置いておいて、「たのきん」と SMAP が、アルバムの最初でリスペクトを捧げられた理由はなんでしょう? 2つのグループの共通点はなんでしょう?
O さん:国民的支持を得たということですか? 「たのきん」は、そこまでではないか。しかも「たのきん」としてはレコードデビューしませんでしたものねえ。



——「たのきん」と SMAP は「ジャニーズ冬の時代」を打ち破ったグループなんです。郷ひろみがいなくなった70年代後半、ジャニーズは川崎麻世さんほぼ1人に頼っている状態でした。80年代に入ってやっと「たのきん」が登場し、ジャニーズにとって新しい地平が開けたのです。その後は80年代を通じてジャニーズは快進撃を続けました。そして、光GENJI という大ブームでピークを迎えます。
O さん:あー、そうか。光GENJIは、80年代ジャニーズ黄金期の4番でラストバッターということか。敷かれたレールが拡大して、それにうまく乗れたということ。



——ラストバッターは忍者かも知れませんがw たしかに、最後の大きな打ち上げ花火みたいですよね。ですが、90年代に入りジャニーズは急激に失速します。象徴的なのは光GENJI の弟分としてデビューした SMAP が売れなかったことです。80年代なら ひかる一平 や 忍者 ですら(私は大好きですが…)ヒットしたんです。なのに SMAP は売れませんでした。しかし、SMAP は努力を重ね、デビューから3年後ついにブレイクを果たします。SMAP もまたジャニーズを新しい領域に連れて行ったわけです。『 PUZZLE 』の1曲目、2曲目には、ジャニーズで大きな仕事を成し遂げたグループが並べられているのです。
O さん:確かに、たのきんSMAP はジャニーズの展望を開きました。Wakita-A さんが3曲目までで謎解きはできると言っていたのは、1、2曲目でジャニーズの大いなる成功をちりばめ、そして過去に所属したタレントとは結びつかない、でも「ある」メッセージが隠れている曲へとつながっていく・・・



——そうです。アルバムのタイトルソングである3曲目『パズル』で、「たのきんSMAP、、、その次は誰だ?」という問い掛けがされているんです。私が最初に O さんに語った時点では、「3曲目の『パズル』が斎藤和義から送られてきてから、思いつきでアルバムのコンセプトにしたんじゃないか?」と語りました。以下の歌詞を読んでください。これは何について歌っているのでしょう?


♪ なくしてしまったひとつのピース 探してるよ 手を貸してくれ 
  さよなら 迷いなきあの日よ いつの日かまた会いたいな 
  探してる 足りないピースを ひとりじゃ とても無理だよ


O さん:誰かを探している?


——探しています。「足りないピース」とはなにか? もちろん、昔からの関ジャニファンは内博貴を思い浮かべるかも知れません。たしかに、その可能性もあるでしょう。斎藤和義はそのつもりで書いたかも知れません(凄いことするな)。でも、この作品を受け取ったアルバム製作陣は、この曲を別の文脈の上に置き直しました。先ほど言った「たのきんSMAP、、、次は誰だ?」という文脈にです。この3曲の順番には、「ジャニーズのいま」が提示されているんです。
O さん:つまり、「 ポストSMAP 」を探しているというメッセージを、このアルバムに込めていると、Wakita-Aさんは言いたいのですね。


——そうです。それだけではなく、その前に厳しい時代がくるかも知れない。「たのきん」、SMAP が登場したときがそうであったようにです。だから、それを打ち破ってくれる「ヒーロー」を探していると読み取ったわけです。それが「足りないピース」です。
現在、ジャニーズは微妙な状況にあると思いませんか? 熱狂的なファンは沢山いるわけですが、テレビを中心に考えた場合、今後について不安になる人もいると思うんです。テレビドラマの視聴率低下でジャニーズのタレントが叩かれるのは納得が行かないですけどね。中身のないドラマをジャニーズタレントの魅力で、なんとかこれまで保たせてきたわけですから。でも、もしかしたらまた「ジャニーズ冬の時代」が来るかも知れないんです。80年代だって、ジャニーズが急に売れなくなるときが来るなんて、誰も想像していなかったんです。そのときは歌番組が次々となくなりました。時代が変わるということは、なにが起こるかわからないということなんです。困難な状況に陥ったときに誰がそれを打ち破ってくれるのか? それこそが私が言う「 ポストSMAP 」なんです。
O さん:そうですね。SMAP 以降、ジャニーズタレントは寿命が延びていますが、年々、小粒化は否めませんね。以前、私が言った、ジャニーズJr.の質の低下も、「ジャニーズ冬の時代」を予兆するものかもしれない。ジャニーさんの高齢化も心配です。



——そうですね、それは大問題だと思います。でも、ここでは触れません。話を進めます。木村拓哉は誰がなんと言おうと大スターです。石原裕次郎美空ひばり植木等が死んでからも大スターであるようにです。でも、いまの時代を象徴するようなスターはまだでていないんです。アメリカで起こったことですが、「911以降」のスターがいないんです。アメリカが輝きを失ってからのヒーローです。ジャニーさんもアメリカのショービジネスを追いかけてここまで来た方なんですから。木村拓哉の次にどのような「スター像」があるのか? それはジャニーさんもわからないということなんですよ。だから、「探してる足りないピースを」なんです。「助けてくれ」なんです。それがこの『 PUZZLE 』に込められたメッセージなんです。私は助けに行きたいと思っています。ジャニーさん、いつでも声をかけてください。
Oさん:じゃあ、誰が「ポスト キムタク」になるでしょう?


——うーん、「足りないピース」なのですから、いまの時点ではいないわけですが、、、やはり、このアルバムが関ジャニ∞のアルバムである以上、渋谷すばるかな? まあ、本人の覚悟しだいのところはありますが。
O さん:ふむ。近い将来か、まあ時期はわからないけれど、「 ポストSMAP 」 が 関ジャニ∞で、「ポストキムタク」が渋谷すばるってことかぁ。それを投げかけたアルバムがこの『パズル』なんですね。


——うーん、あんまりOさんの反応はよくないですね。謎解きは失敗ですかね?
O さん:反応がイマイチですみません、「ジャニーズ冬の時代」が来ることを、正直、受け止められていないだけです。だから謎解きは失敗ではありませんよ。いや、かえって、そんな重要なこと聞かされると、この先、関ジャニ∞を観察していく眼が変わりそうですw しかし、タイトルや冒頭の曲をほんの少し考察しただけで、21世紀のジャニーズを占う、画期的な作品であることに気づいたというのは、素晴らしいです。



——ありがとうございます。たしかに、「冬の時代」が来たわけでもないですしね。だから、まさか関ジャニ∞のアルバムで、このようなメッセージを受け取るとは私も思っていませんでした。少なからずジャニーズのスタッフにも危機感を持っている人がいるのではないでしょうか? 
最後に、アルバム『 PUZZLE 』最後の曲『どんなに離れてたって傍にいるから』には、こんな歌詞がありますよ。「♪ いつかきっと かっさらいに行く もっとお前に ふさわしい俺になって」と。どうですか? 「お前にふさわしい俺」って、それはどんな「俺」でしょう? これ、私には「 ポストSMAP 」の座を奪いに行くと聞こえるんですがw 関ジャニ∞ のファンは、彼らが国民的スターになることを望んでいるでしょうか? まあ、「ポストキムタク 」の話は別の機会にしましょう。どうも、長々と付き合っていただき、ありがとうございました! 次回は10月です。日本で会ったときに話しましょう。